みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

女性施設 絶えぬ労使紛争 男女平等が目的なのに・・・/朝日新聞

2007-12-29 17:01:05 | ほん/新聞/ニュース
昨日、帰ってから読んだ朝日新聞・生活欄の記事は
「07年を振り返って 格差社会へ批判元年」という
雨宮処凛さんと濱口桂一郎さんのお話で、司会は竹信三恵子さん。


労働分野の規制緩和「労働ビッグバン」のかけ声で始まった07年。働き手の反発や参院選での与党敗北で、格差批判、「ワーキングプア」(働く貧困)を生み出す社会構造への批判の年になった。若者の苦境に詳しい作家の雨宮処凛さんと、労働政策ブログを主宰する濱口桂一郎・政策研究大学大学院教授に、今年を振り返ってもらった。(司会=編集委員・竹信三恵子)

けさの生活面も、ふつか連続で竹信さんの読み応えのある記事だった。

母が昨日の朝、また低血糖発作を起こしたというので、
医療機関が休みになる年末年始に備えて、
朝からジュースやらブドウ糖やらを薬局で買いそろえ
低血糖の対処法を大きな字で説明したコピーを持参して母をたずねた。

母は低血糖は黒砂糖をなめるとなおると思ってて(それはそれで正しいんだけど)、
一人の時に倒れたら生命にかかわるとは思っていないようで、
お正月の間だけでも高富に来ない、と誘うのだけど、
家を空けるのがおっくうなようで危なくて見てられない。
母を連れ出してほくちゃんたちも誘って、お昼ご飯を食べて・・・・
と、
帰ってきたら、書類の山だった奥の部屋が半分だけ片付いててて、
部屋が広くなっていた。とはいえ、つれあいに、
「左側の半分はあなたの分だからね」と言われた(笑)。

ついでに、
帰ってくるまでに記事がasahi.comにアップされてないかと
期待して出かけたけれど、朝日は社会面や政治面のweb配信は充実してるのに、
生活欄の記事はなかなかアップしてくれない。

ということで、記事をタイプしました。

女性施設 絶えぬ労使紛争
男女平等が目的なのに・・・低賃金で不安定


 自治体の女性センターや男女平等ための公益法人で、解雇をめぐる訴訟が続いている。賃金が安い女性職員の活用で財政難を乗り切ってきたが、「男女平等が目的なのに、女性の低賃金を利用するのは納得できない」との不満が募っていることが背景にある。女性施設の建前と実態の矛盾を打開する道はあるのか。  (編集委員・竹信三恵子)

勤続10年 就職あっせんなく解雇
「労働権無視」と復職訴訟


 戦後の女性の政治参加の象徴、東京・代々木の婦選会館。入り口は封鎖され、「立ち入り禁止」の紙が張られたまま今年も年を越す。
 会館は1946年にバラックで出発し、62年と83年、女性たちの寄附で改築された。62年に設立された財団法人市川房枝記念会の本拠でもある。だが昨年3月、耐震検査で補強が必要とされ、記念会は「改修が必要で危険」だとして立ち入り禁止にした。
 同時に、活動の柱だった政治講座などを中止し、改修後は貸室の収入や出版事業、展示に特化すると発表。「人手がいらなくなる」からと、同会の女性職員8人のうち6人に退職を勧告した。応じなかった2人を解雇、昨秋から復職を求める訴訟が東京地裁で続く。 
 山口みつ子常任理事によると、政治講座中止の理由は財政難、講座の参加者が年々減り、会館の改修で会場を外に借りればさらに経営が圧迫されるという。
 「独立採算の非営利組織を守ろうと、若いときは土日もなく賃金にもこだわらず働いた。条件改善には務めており、今回はやむをえなかった」と山口さん。
 原告側は、講座参加者が減ったのは記念会側の努力が不十分だったためと主張。「耐震診断をきっかけに労組の排除を図った」と不信感を募らせる。
 原告の一人は「勤続10年で手取りは月15万円足らず。女性が働きやすい職場にと、長時間労働や昼休みもとれない状況を労使交渉で改善してきたが、就職のあっせんもなく一方的に解雇。女性の人権を旗印とする公益法人が女性の生活や労働権を無視している」。

1年契約で館長 常勤導入で失職
「非常勤使い捨て」に反発


 大阪市豊中市の女性センター「すてっぷ」館長だった三井マリ子さんは04年、「不当に解雇された」と、市などに損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。
 女性政策研究家で元都議の三井さんは00年、公募で館長になり、非常勤の一年契約で働いてきた。04年、館長職が常勤になり、別の館長が採用され失職した。
 男女平等講座などを企画してきたが、「男女平等に反対する団体や市議らの中傷が相次ぎ、辞めさせるために常勤に切り替えた」と三井さんは主張する。
 市は「裁判中なのでコメントは控える」とするが、準備書面などでは「嫌がらせには厳然と対応した」と反論。非常勤館長制は、開館時のPRに有名人が必要だったためという。
 今年9月の地裁判決は、常勤館長選考手続きの公正さに疑念は残るが、「慰謝料を払うほどの違法性は認められない」と請求を棄却。三井さんは控訴した。
 「非常勤は都合が悪くなれば排除は簡単。館長から一線まで非常勤が担う女性センターは多い。これでは筋の通った女性政策は貫けない」と三井さんは言う。

財政難・老朽化・男女同権への反対
安定運営に高い壁


 女性施設では90年代から、女性非常勤職員の待遇改善要求が続いている。95年に発足した東京ウイメンズプラザでは、前身の女性情報センターの非常勤職員が常勤とするよう求めたが、非常勤職員のまま継続雇用された。06年には京都市女性協会の嘱託職員が、正職員との賃金格差を問う訴訟を京都地裁に起こした。
 女性の働き方に詳しいフリーライターの鈴木由美子さんによると、85年までの国際婦人の10年や99年の男女共同参画社会基本法制定を機に、自治体が男女平等のためのセンターを次々と設立した。だが、財政難や「女性は夫に扶養されている」との固定観念に加え、契約期間が終われば解雇せずに切れる「使い勝手のよさ」から、高学歴者が多い相談員や企画担当などの女性を、低賃金の非常勤で雇う例が一般化したという。 
 民間の女性団体でも、若手の職員と年配の理事層との「女女間紛争」は目立つと鈴木さん。「公益的な仕事は裕福な家庭の妻のボランティアが多かったため、ワーキングプア化が進む若手女性の生活実感とズレもある」との見方だ。
 全国女性会館協議会の大野曜理事長は、女性施設の運営の難しさを指摘する。自治体の財政難や民営化、施設の老朽化による改修費、男女平等運動に反対する動きなど、いくつもの壁があるからだ。「運営費が乏しく職員の待遇にしわ寄せが行く。女性は有権者の立場を生かし、女性ももっと公的な資金を回すよう働きかけるべきだ」
岩手大の海妻径子准教授は「女性施設には社会運動的側面もあり、労使関係がビジネスになり切れず問題が複雑になる」という。企業並みの上意下達で命令し、賃金は社会運動並みに安いといった「いいとこ取り」を避け、新しい管理運営を確立する必要があると話している。
(2007.12.29 朝日新聞)


ごちそうのあとは、野菜づくし。

  

大晦日まで、あと二日。
年末年始のお天気、大荒れのようです。

  


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