みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

19「こども特定財源」こそ必要だ/20「単一民族神話」を乗り越える/「希望社会への提言」(朝日新聞)

2008-03-20 18:48:44 | ほん/新聞/ニュース
東京に行く前の岐阜新聞に
「丸デブ本店」の記事が載っていました。
ちょうと食べたくなっていってきた後なので、写真をとったばかり。


初代の味、頑固に守る 
丸デブ本店の中華そば・ワンタン(岐阜市ノ出町)

メニューは「中華そば」と「ワンタン」のみ。1017(大正6)年に創業し、県内で初めてラーメン店を開いた老舗。太目のめん、鶏がらとたまりじょうゆで味付けしたスープ、ワンタンやチャーシューなどすべて自家製でも、3代目の神谷房昭和さん(54)が初代の味をかたくなに守っている。
 個性的なこの味にひかれ、4世帯゛にわたる常連客や県外のファンも。価格はいずれも、350円。女将の笑美子さん(74)は「いつの時代もコーヒーと同じくらいの値段にしてきた。正直しんどいが、これもお客さんへのサービス」と語る。<メモ>▽営業時間 午前11時から売り切れまで(平日は午後6時ごろ、日・祝日は午後4時ごろ)▽定休日6,16,26日▽電話058(262)9573。


祖母から子どもたちまでの好物で、4世代にわたる常連です。
90年変わらぬ、新聞とおなじような中華そばの写真(笑)。

お腹が空いていたので、ふたりで
「そばこわ目2杯、とワンタンねぎなし2杯」を注文しました。

「こわめ(そばがかため)」「からめ(汁の味が濃い)」
「ねぎ(ねぎ多め)」「ねぎなし」などと注文できます。
「こわから(そば固めの、汁濃い目)」などもできます。
つれあいがそば2杯、わたしがワンタン2杯なので、
ゆでる釜をずらして、そば→ワンタン→そば→ワンタン、
と交互に持ってきてくれます。
1杯が350円なので、一人700円で満腹。

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毎週月曜日の朝日新聞社説、「希望社会への提言」のアップが
すっかり遅れてしまいました。
16日から新聞を読んでなくて、まとめ読みして気がつきました。
先々週と先週の分を紹介します。

「単一民族神話」を乗り越える /「希望社会への提言」20
●外国人の子どもに、日本語などの教育支援を
●多民族が「隣人」として共生する社会を築く

朝日新聞 2008年03月10日付

 急速に進む高齢化や人口減少にどう対応するべきか。この社説シリーズで、少子化対策の充実や貧困に苦しむ若者の自立支援を提言してきた。
 もう一つ、ここで考えておかねばならないことがある。どのように外国人を受け入れ、その人々とどんな関係を築いていくべきか、という問題だ。
 外国人登録者は06年末で最高の208万人になり、90年ごろに比べ倍増した。やはり在日コリアンが60万人で一番多いが、急増したのは中国人56万、日系ブラジル人31万、フィリピン人19万など「ニューカマー」と呼ばれる人々だ。
 都会の工場から農漁村まで、外国人の働く場は全国に広がっている。結婚も06年は16組に1組が国際結婚。4万5000組近くのカップルが生まれた。
 外国人がごく身近に住む社会へ向け、すでに歩み始めているのだ。
 日本の労働力人口は90年代末から減少に転じた。働く女性や高齢者がもっと増えたとしても、20年ごろには労働力不足が深刻化する。政府は「単純労働者や移民は受け入れない」という方針を、早晩、手直ししなければなるまい。
 それならば、心を開いて外国人を受け入れ、個性や多様性に富んだ共生社会をめざした方がいい。外国人も働いて税金や社会保険料を払い、産業や福祉の担い手に加わってくれるのだから、日本の活力がそれだけ保たれる。
     *
 こんな未来図を描いて、いざ足元に目を移すと、外国人の受け入れ態勢が未整備なことにぞっとさせられる。
 ニューカマーの大半が不安定な非正規の労働者として働かざるをえず、日本語を学ぶ余裕がない。社会になじんでいないから、ゴミ捨てのルールなど社会生活の慣習を守れず、地域や職場で摩擦が起きている。早く手を打たなくては、社会に亀裂が広がりかねない。
 ニューカマーだけが固まって孤立するのを防ぎ、地域社会に溶け込めるようにしていかなければいけない。政府は地方自治体やNPOと連携して、総合的な対策を打ち出すべきだ。
 なによりも急がねばならないのは、子どもたちへの教育支援である。
 日本で生まれ育った在日コリアンとは異なって、ニューカマーの子どもたちの多くは日本語が上手ではない。このため学校の授業についていけず、高校への進学率が低い。学校に通わなくなり、非行に走る例も少なくない。
 東京でも外国人比率が高い新宿区で、昨年6月、区とボランティア団体による日本語教室「みんなのおうち こどもクラブ新宿」が始まった。中国や韓国、タイから来た33人の小中学生が、放課後に補習している。
 繁華街に近い児童館をのぞくと、子どもたちが中高年ボランティアと一対一で向き合いながら勉強していた。小林普子代表は「日本語が少し話せるだけでは、授業はわからない」という。
 公立の小中高校に在籍する7万余の外国人のうち、2万2000人に日本語指導が必要だと文部科学省はみる。だが文科省が認める日本語教師の数では足りず、市町村が独自に負担している。指導も会話が中心で、読み書きが弱いことが授業に遅れる原因になっている。
 親への教育支援も大切だ。言葉がわからないとご近所と交われず、子どもの進学相談にものってやれない。
 労働の面でも課題は山積している。
 医療・年金・雇用保険への加入を進め、正社員への門戸も広げて、働く環境を安定させる。外国人を多く使っている企業は、そう努めるべきだ。
 いまの研修生・技能実習生制度にはきわめて問題が多い。雇用主による給与ピンハネや残業代未払いなどの不正が横行し、研修生には最低賃金も適用されていない。人権侵害の制度と言わざるを得ない。正面から労働者と位置づけ、根本的に改革しなければならない。
 要は、外国人を単なる「安い労働力」ではなく、人格を持った「隣人」として受け入れるということである。
 グローバル経済のもとで、高度な技能や知識をもった人材の獲得競争が世界的に起きている。能力を公平に評価し、有能な人材には経営や研究をまかせる。
 そのようにして、世界の人材を引きつける「ジパング(黄金の国)」となることをめざしていこう。
     *
 外国人との共生社会を築くには、お互いの文化や習慣、微妙な心情への理解が欠かせない。両方の言葉を話し、橋渡しができる人材を増やしていきたい。
 定住から永住、国籍取得への手続きを容易にするのは自然なことだ。同時に、永住外国人は納税して社会を支えていることを考えると、地方参政権を全く認めないのは公平を欠く。難民への門戸も、人道主義の立場から広げるべきだ。
 第2次世界大戦後、日本は「単一民族神話」のもとで戦後秩序を築き上げた。かつての渡来人や北海道のアイヌ民族などを考えれば、単なる神話にすぎなかったのだが、これからはそれどころではない「多民族社会」となっていく。
 その覚悟を決め、神話の壁を乗り越えてこそ、21世紀にも日本は活力と魅力を保つことができるだろう。
(朝日新聞 2008年3月10日)



 「こども特定財源」こそ必要だ/「希望社会への提言」19
●「子どもがほしい」が希望通りかなう社会に
●保育サービスを充実させ、働き方を変える
 
朝日新聞 2008年03月03日付社説

 私たちの将来に重くのしかかる難問を二つあげるならば、地球温暖化、そして少子化ではなかろうか。

 このままでいくと、100年後の人口は4400万人余になってしまうと政府は推計している。いまの3分の1に近い。まさかとは思うが、それほど減少スピードは速く、深刻だ。
 だが、好転する可能性がないわけではない。若い世代の9割が結婚したいと考えており、平均で2人以上の子どもをほしいと答えている。この希望がその通りにかなえば、出生率が1.75まで上がると試算されている。ところが現実は1.32しかない。
 つまり、希望の実現を妨げている要因を一つひとつ取り除き、条件を整えていけば、出生率は大幅に回復するはずなのだ。子どもを産みやすく育てやすい社会にすれば、子どもがほしいという人も自然と増えてくるに違いない。
     *
 そのために何をするか。
 少子化対策は「未来への投資」であると考え、思い切って資金を投入しよう。最初にそう提案したい。
 日本と同じように少子化に悩む欧州のなかで、スウェーデンやフランスは、いったん落ち込んだ出生率を回復させた。それらの国は、経済規模でみて日本の4倍以上の財源を注ぎ込んでいる。
 政府は、仕事を続けながら子育てをする女性を支えるため、保育サービスの充実などに消費税の1%分、約2.4兆円を追加投入する構想をもっている。
 しかし、これで効果が出るとは思えない。ほかにも、仕事と暮らしの両立支援や、児童手当の増額、安定した雇用など、やるべきことはたくさんある。
 そこでまず、自治体や企業も巻き込み、必要な仕組みや経費をすべて積み上げて、20年後を見通した行動計画をつくってみてはどうだろうか。国民的な目標として掲げるのだ。
 いま国会では、ガソリン税などの道路特定財源を維持し、道路に10年間で59兆円を注ぎ込むとする政府の計画が問題になっている。道路ばかり造っても、人口が急減したのでは意味がない。少子化対策にこそ中期計画がほしい。
 児童手当の充実まで含めて計画を立てると、財源は膨らむに違いない。だが深刻な少子化を考えれば、いま必要なのは道路ではなく、「こども特定財源」ではないのか。そのぐらいの覚悟で、増税を含め財源を手当てしていきたい。
 財源ができたとして、優先すべき対策はなにか。まず、保育サービスの充実から手をつけたらいい。
 その際、福井県の取り組みが参考になる。全国の出生率が1.26に落ち込んだ3年前、同県は逆に0.05ポイント伸ばして全国2位の1.50となり注目された。
 保育所に入れない待機児童を、7年前からゼロにした。さらに、保育時間の延長や乳児保育、病気のときでも預けることができる病児デイケアなど、切れ目のないサービスを整え、子育てしながら仕事を続けられるようにしている。
 福井駅前のビル2階にある一時預かり施設の「の~び・のび」をのぞいてみた。「上の子のピアノの発表会があるので」「これから仕事の面接にいきます」。子どもを預けたお母さんたちは、そう言い残して出ていった。
 定員20人。生後6カ月から9歳までの子どもを、朝の9時半から夕方6時半まで預かる。市内の人は1時間350円。専業主婦も利用できる。市のシルバー人材センターから派遣された保育士の資格をもつ人たちが、「おばあちゃん感覚」で保育にあたる。
 会社を退職した団塊の世代の目は、これから地域へ向けられる。これを放っておく手はない。地域政府は高齢者のパワーを引き出し、さまざまな工夫をこらして連帯型の福祉をつくっていくべきだ。
     *
 少子化を防いでいくには、企業の果たす役割も大きい。
 福井県にはもうひとつ見逃せない点がある。失業率が低くて、夫婦の共働き率が高く、その結果として1世帯あたりの収入が高いことだ。いずれも全国の最高水準となっている。
 雇用が安定し、将来の見通しが立たないと、若い人は結婚・出産になかなか踏み切れない。福井の例は「安定した雇用」が出生率の向上にも結びついていることを示している。
 働き方の改善も不可欠だ。いまだに週60時間以上働く人が10%以上いるし、出産した女性の7割が会社をやめている。こんな働き方が、出産に二の足を踏ませていることを忘れてはならない。
 正社員は長時間労働で心身の疲労が激しく、家族のだんらんも持てない。非正社員の方は時間的なゆとりはあるが、経済的に自立できない。こんな構造が出産・子育ての障害になっている。
 少子化対策は企業にとってもけっしてムダな投資ではない。長い目でみれば、働く女性や若い労働力を確保できる。また、新たに生まれる子どもたちは将来の消費者にもなる。 人口の多い「団塊ジュニア」は、もう30代半ばに達した。子育て世代の人数がこれから急速に減っていく。政策転換は一刻の猶予も許されない。
(朝日新聞 2008年3月3日)




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