みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

新型インフルエンザ 致死率0・5%/国内初の死者~感染阻止へ危機感共有を

2009-08-18 11:02:21 | 健康/くらし/薪ストーブetc
きょうは衆議院議員選挙の公示日。
8時から立候補の届出の受付が始まって、4時までに小選挙区と比例代表の候補者が出揃います。
  
ということで、選挙関連の記事は、候補者の顔ぶれがそろう明日にします。

同じ時間にNHKで流れていたのは、新型インフルエンザのこと。
一足早く冬を迎えている南半球では感染が爆発的に拡大し、
医者や薬が足りなくて十分な治療がうけられない状況のなか、死者も増えています。

いまは選挙一色で、春にはあんなに大騒ぎしていた新型インフルエンザのことは忘れられ、マスク姿も少なくなりました。
とはいえ、8月は1週間で「前の週から倍増」とのこと。

 

 
新型インフルエンザの致死率は、0,5パーセントと非常に高く、
1957年に流行したアジア風邪に匹敵するとのこと。

新型の致死率0・5%程度 アジア風邪並みか
2009年8月18日 00時02分

 現在流行している新型インフルエンザの致死率は季節性インフルエンザよりも高く、1957年に流行が始まり世界で約200万人が死亡した「アジア風邪」並みの0・5%程度とする研究結果を、オランダ・ユトレヒト大の西浦博研究員(理論疫学)らのチームが17日までにまとめた。米国とカナダでの流行初期のデータを解析した。近く米科学誌プロスワンに掲載される。
 研究チームは、米国の5月1日までと、カナダの6月10日までのデータを基にして致死率を計算。すると、米国では0・21~3・76%(平均1・2%)、カナダでは0・05~0・41%(平均0・2%)との結果が出た。
 データの特徴を詳細に検討したところ、米国では実際より少し高く、カナダでは低く推定された可能性があり、0・5%と推定されたメキシコの推定値とほぼ同等と考えられた。季節性の致死率は0・1%かそれ未満とされており、新型は季節性より高く、0・5%のアジア風邪並みと推定されるという。ちなみに1918年から翌19年にかけて流行し、史上最悪と言われる「スペイン風邪」の致死率は約2%。
 西浦さんは「(秋以降)医療機関でかなりの病床がインフルエンザ患者によって占められる状況に備えるべきだ。妊婦やぜんそく患者など手厚い管理を必要とする重症患者が数多く出ることや、相当数の死亡者が出ることを覚悟して準備しなければならない」と話している。
(共同)


新型インフルエンザの国内外の発生状況・疫学関連情報等
日本の流行地図


感染は水面下で急速に拡大している状況で、8月30日が衆議院議員選挙の投開票日なのですが、
9月には新学期が始まるので日本でも爆発的な流行が懸念されています。
新政権は、発足してすぐに、新型インフルエンザ対応に追われるのではないかと思っています。

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重症者の半数超が持病あり 糖尿、心臓疾患、ぜんそく…

 新型インフルエンザによる国内初の死亡例は、慢性腎不全で人工透析を受けていた男性だった。新型インフルエンザは感染しても、ほとんどの人が軽症のまま治癒するが、今回のように持病のある人は重症化しやすい。秋冬の本格的な流行シーズンを前に、改めて注意が必要だ。(科学部 本間雅江、高田真之、米山粛彦)

妊婦も高リスク
 国内初の死亡例は、まさに新型インフルエンザで犠牲者が出ることが懸念されていた典型的なケースだった。亡くなった男性のように腎不全で人工透析を受けていると、免疫機能が低下し、感染症にかかって、肺炎なども併発しやすいからだ。世界保健機関(WHO)や厚生労働省は、人工透析患者のほか、糖尿病やぜんそくなどの持病のある人、妊婦、乳幼児は、感染すると重症化する危険性が高いと、繰り返し注意喚起していた。
 国立感染症研究所の田代真人・インフルエンザウイルス研究センター長は「感染者が増え、死者はいつ出てもおかしくなかった。ウイルスの病原性が強まったり、感染力が上がったりしたわけではない。いたずらにパニックになる必要はない」と平静を呼びかける。
 新型インフルエンザに感染してもほとんどの人は、軽症で治癒している。WHOによると、重症者の半数以上は、妊婦や、糖尿病、心臓疾患、ぜんそくなどの持病を抱えた人だった。米ニューヨーク市では、入院患者の8割が、妊婦と2歳未満の乳幼児、持病のある患者だった。
 持病があると、重症化しやすいのは、病気を防ぐ免疫力が落ちるからだ。
 例えば、今回のように腎機能が悪くなり、人工透析を受けると、透析によって毒素と一緒にアミノ酸など体の維持に必要な成分も排出してしまい、免疫力が落ちてしまう。
 糖尿病の場合も、血糖値が高くなると免疫機能をつかさどる白血球の働きが悪くなる。季節性インフルエンザでも、健康な人に比べて死に至る危険性が1・5倍高いという研究もある。
 病気ではないが、妊婦も胎児を異物と認識しないよう免疫力を抑制しており、新型インフルエンザに注意が必要だ。日本産婦人科医会は今年5月、妊婦が新型インフルエンザに感染した場合、抗ウイルス薬で積極的に治療するよう勧めた。
 新型インフルエンザの犠牲者を減らすためには、抗ウイルス薬による早期治療に加え、こうしたリスクの高い人たちへの感染を防ぐことが大切だ。厚生労働省は秋冬の大流行に備え、5300万人分のワクチンを準備する方針だが、国内生産量は年内で1400万~1700万人分しかなく、緊急輸入も検討している。浦島充佳・東京慈恵医大准教授(公衆衛生学)は「希望者全員に接種するのは間に合わない。優先順位をどうするのか、早急な議論が必要」と話している。

免疫なし 若い人も肺炎の恐れ
 通常の季節性インフルエンザでも毎年1万人前後の死者が出ており、持病のない健康な人は新型インフルエンザを過度に恐れる必要はない。ただ、季節性の死者のほとんどが免疫力の弱った高齢者なのに対して、新型は、30~50代といった健康な働き盛りの人でも死亡する危険性が比較的高い。若い世代を中心に流行が広がっていることに加え、新型ウイルスは肺で増殖しやすいとされ、若い人でもウイルスによる肺炎(ウイルス性肺炎)を起こすためだ。
 患者の多い米国では、入院患者の平均年齢は26歳、死者も37歳と非常に若い。けいゆう病院の菅谷憲夫小児科部長は「ほとんどの感染者が軽症で治癒するからと言って、楽観視しすぎてもいけない」と指摘する。
 何より大切なのは、早期診断早期治療で、タミフルなどの抗ウイルス薬の治療を受けることだ。ウイルス性肺炎は、発熱して4~5日目ぐらいに発症することが多く、早期の治療で助かる可能性が高い。
 「自己判断で、治療が遅れるのは危険だ。健康な人も死亡する可能性があることを認識して、早期に受診してほしい」と、菅谷部長は訴える。
 また、国内でも既に重症例が出ているように、乳幼児の場合、インフルエンザ脳症にも注意する必要がある。発熱してから半日程度で意識障害が起こるなど病気の進行が早い。早期に薬で治療しても間に合わないケースもあり、ワクチンの乳幼児への優先接種や、人工呼吸器、集中治療室の整備も検討課題となる。
 もちろん、感染したり、ほかの人へうつしたりしないことが第一で、手洗いやうがいの励行のほか、人ごみを避けるなど、個人個人で出来る対策を励行することが大切だ。

 沖縄で多く発症 世界の患者 17万7000人
 WHOのまとめによると、新型インフルエンザの患者は6日現在、170か国・地域以上に広がっている。患者数は約17万7000人に達し、死者は1462人にのぼっている。いまが冬季にあたる南半球での感染例が目立ち、WHOは北半球でも冬季になれば同様に流行するとみて、警戒を強めている。
 死者数を地域別にみると、最初に患者が出た北米・中南米地域が1274人と飛び抜けて多く、東南アジア地域は83人、ヨーロッパは53人と続いている。日本を含む西太平洋地域は43人。東地中海とアフリカはそれぞれ7人、1人にとどまっている。
 オーストラリアや南米では、冬に入って患者が急増した。現在は、各国内で感染地域を広げてはいるが、国全体の患者総数は峠を越えつつある。北米とヨーロッパでも感染地域は広がっているが、南北アメリカ大陸全体では患者数は減り始めているという。
 国内でもインフルエンザの患者は増えている。そのほとんどが新型の感染者とみられる。国立感染症研究所によると、感染拡大の目安になる1拠点医療機関あたりの患者数(7月27日~8月2日)は、例年でも夏季に患者が比較的多い沖縄県が11・79人と最多で、大阪府の1・68人が続く。0・5人以上1人未満は1都5県となっている。
(2009年8月17日 読売新聞)


新型インフルで国内初の死者 沖縄の57歳男性
中日新聞 2009年8月16日

 沖縄県は15日、新型インフルエンザに感染した沖縄県宜野湾市の男性(57)が入院先の病院で死亡したと発表した。厚生労働省によると、国内では5月に初の感染者が確認されて以来、死者は初めて。

 県によると、男性は心筋梗塞の治療歴があり、慢性腎不全で人工透析を受けていた。新型インフルエンザに感染したことで肺炎を併発、その後、敗血症を起こしたことが死因とみられる。県は「心疾患や慢性腎不全が合併した上に、新型インフルエンザに罹患したため免疫力が落ちた」と説明している。
 舛添要一厚労相は同日、那覇空港で記者会見し、死亡した男性の検体を国立感染症研究所に持ち込み、ウイルスの変異の有無を確認する考えを示した。
 男性は9日午後から、のどの痛みなどの体調不良を訴えていた。10日に病院で透析を受けた際、37度台の発熱があったため簡易検査を受けたが、結果は陰性だった。
 しかし12日、透析中に39度まで体温が上昇したことから、再度検査を受けたところインフルエンザA型陽性と判明。タミフルを投薬され中部徳洲会病院(同県沖縄市)に入院したが、14日未明から容体が悪化し、15日午前6時54分に死亡した。
 県が緊急に感染確認のための詳細(PCR)検査を行った結果、15日午後4時ごろ、新型インフルエンザに感染していたことが分かった。
 新型インフルエンザは数日間の潜伏期間があり、感染時期は今月5~6日ごろとみられるが、感染源は不明。家族などに症状はなく、院内感染を示す情報もないという。男性に海外渡航歴はない。
 国は新型インフルエンザに関する国内対策の運用指針を6月19日に改定し、対策の重点を重症者に移していた。現在は、すべての一般医療機関で感染者を診察し、軽症者は自宅療養としている。ぜんそくなど重症化の恐れがある人には抗インフルエンザ薬の投与や、PCR検査を優先的に実施する。
(中日新聞 2009年8月16日 )


[インフル初の死者] 警戒怠ってはならない
2009年08月16日 社説 沖縄タイムス

 新型インフルエンザに感染した宜野湾市の男性(57)が死亡した。国内では5月に、県内では6月に感染者を確認して以来、死者が出るのは初めて。男性は慢性腎不全のため透析中で、過去に心筋梗塞の治療を受けていた。肺炎を併発、敗血症を起こしたことが死因とみられる。
 県新型インフルエンザ対策推進本部は「心疾患や慢性腎不全を起こしていた上に、感染で免疫力が落ちた」と説明している。
 新型インフルエンザはぜんそくや心疾患、糖尿病などの患者、妊婦や乳幼児が感染すると、重症化する危険性が指摘されている。これらの人たちへの感染防止策や早期の治療体制をどうとるか、点検が必要だ。
 県によると、男性は10日に中部の医療機関で透析を受けた。37度台の発熱があったが、簡易検査は陰性。12日の透析中に嘔吐などの症状が出て39度台にまで熱が上がったため再度、簡易検査したところ陽性と判明した。同日転院したが、15日朝に死亡した。男性に海外渡航歴はない。家族や院内感染の疑いもなく、感染ルートは不明という。
 新型インフルエンザは弱毒性でタミフルなどの治療薬の効果が高い。ただ、ほとんどの人が免疫を持っていないため伝染性は強く、夏場にもかかわらず県内でも感染が広がっている。警戒を怠ってはならない。特に疾患を抱える人は注意が必要だ。
 これから季節性のインフルが猛威を振るう秋を迎える。新型と同時流行するのではないかと懸念されている。インフルエンザウイルスは極めて変異しやすいとされており、油断は禁物だ。
 新型インフルエンザについて厚生労働省は一般医療機関で感染者を診療し、軽症者は自宅療養するよう運用を改定した。感染者の全数調査をやめ、集団感染などに限った調査に切り替えている。
 全国約5千の定点医療機関から国立感染症研究所への報告によると、国内初の患者が確認された5月初めの1週間は約8千人に上った。7月初めには減少したが、その後、増加に転じ8月初めの週には前週と比べ倍増している。全都道府県で確認されており、インフルエンザ脳症と診断される子どもも相次いでいる。世界では8月6日現在、死者は1462人に上る。
 県内でも学校や職場で集団感染が続いており、県は注意報を発令している。県によると、8月2日までの1週間に684人の患者を確認しうち約500人が新型インフルエンザの可能性が高いという。
 世界保健機関(WHO)は6月、世界的大流行(パンデミック)を受け、警戒水準を最高の6に引き上げた。
 県はこれからの大流行を警戒している。うがいや手洗いを小まめに行い、かぜの症状のある人は自宅で安静にする。周囲にかぜの症状のある人がいる場合も、外出を控え、出るときはマスクをするよう呼び掛けている。
 いたずらにパニックに陥ることは避けなければならないが、侮らず注意を払うのに越したことはない。


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