みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

民主党圧勝!はじめての政権交代!/8/31新聞各紙の社説、読み比べ

2009-08-31 12:19:12 | 選挙関連
予想通り、民主党が大勝した。

昨夜は、午前2時ころまで開票結果のテレビをみていたので、おきたのは8時。
眠くてしかたないので、朝の光を浴びるために庭に出たら、
秋明菊が一輪、咲いていた。

お隣には、萩の花も咲きはじめている。

台風の影響か蒸し暑いが、秋の風はさわやかに吹きぬけていく。
季節はかくじつに移り変わっている。

民主主義の基本である、有権者の投票による初の政権交代が実現した。

自民党が負けて、政権交代が実現したのはうれしいけれど、
これほどの大差で、民主党が圧勝したことに、不安も感じる。

自民に対して失望し、民主党に投票した多くの人たちに対する
政権を担う民主党の責任は重い。
とはいえ、期待がなければ、失望もないわけだから、
民主党は国民に約束した政策を実現することを、肝に銘じてほしい。

敗れた自民党と、勝った民主党に贈る言葉。

 「おごれる人も久しからず ただ春の世の夢のごとし」(『平家物語』より)

「権力は腐敗する、絶対的権力は絶対的に腐敗する」(ジョン・アクトンの言葉)
 

当選は、ゴールではなく、スタートです。

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庭の花たちを写して家に戻り、選挙一色のテレビを見ながら、新聞を広げた。


「2009年8月30日」は歴史に残る日になるだろう。記憶にとどめておきたい」
と思いながら、わが家でとっている朝刊5紙の社説を読み比べた。

民主圧勝 政権交代―民意の雪崩を受け止めよ 
朝日新聞 2009.8.31
 
小選挙区制のすさまじいまでの破壊力である。民意の劇的なうねりのなかで、日本の政治に政権交代という新しいページが開かれた。
 それにしても衝撃的な結果だ。小選挙区で自民党の閣僚ら有力者が次々と敗北。麻生首相は総裁辞任の意向を示した。公明党は代表と幹事長が落選した。代わりに続々と勝ち名乗りを上げたのは、政治の舞台ではほとんど無名の民主党の若手や女性候補たちだ。

 ■100日で足場固めを
 うねりの原因ははっきりしている。少子高齢化が象徴する日本社会の構造変化、グローバル化の中での地域経済の疲弊。そうした激しい変化に対応できなかった自民党への不信だ。そして、世界同時不況の中で、社会全体に漂う閉塞(へいそく)感と将来への不安である。
 民意は民主党へ雪崩をうった。その激しさは「このままではだめだ」「とにかく政治を変えてみよう」という人々の思いがいかに深いかを物語る。
 では、それが民主党政権への信頼となっているかと言えば、答えはノーだろう。朝日新聞の世論調査で、民主党の政策への評価は驚くほど低い。期待半分、不安半分というのが正直なところではあるまいか。
 長く野党にあった政党が、いきなり政権の座につく。民主党は政治の意思決定の方法や官僚との関係を大改革するという。だが、すべてを一気に変えるのは難しいし、成果をあせって猛進するのはつまずきのもとだ。
 そこで民主党に提案したい。
 最初の正念場は、来年度予算編成を終える12月末までだ。9月半ばの政権発足からほぼ100日間。これを政権の足場を固めるための時間と位置づけ、優先順位を明確にして全力で取り組むことだ。
 やるべきことは三つある。
 第一は、政治と行政を透明化することである。与党になれば、官僚が握る政府の情報が容易に入手できるようになる。それを洗いざらい総点検し、国民に情報を公開してもらいたい。

 ■賢く豹変する勇気も
 天下り、随意契約、官製談合、薬害、そして歴代の自民党政権がひた隠しにしてきた核兵器持ち込みに絡む日米密約……。かつて「消えた年金」を暴いたように、隠されてきたさまざまな闇を徹底的に検証してもらいたい。
 第二に、政策を具体化するにあたって、間違った点や足りない点が見つかったら豹変(ひょうへん)の勇気をもつことだ。
 マニフェストを誠実に実行するのは大事なことだ。だが民主党が重く受け止めるべきは、その財源について、本紙の世論調査で83%もの人が「不安を感じる」と答えていることだ。高速道路の無料化など、柔軟に見直すべき政策はある。むろん、政策を変えるならその理由を国民にきちんと説明することが絶対条件だ。

 急ぐべきは一般会計と特別会計の内容を精査し、ムダな事業や優先度の低い政策を洗い出して、国民に示すことである。その作業なしに説得力のある予算編成は難しい。
 鳩山新首相は、9月下旬には国連総会やG20の金融サミットに出席する。これまでの外交政策の何を継続し、何を変えるのか。基本的な方針を速やかに明らかにし、国民と国際社会を安心させる必要がある。
 第三に、国家戦略局、行政刷新会議をはじめとする政権の新しい意思決定システムを、人事態勢を含め着実に機能させることだ。
 自民党政権の特徴だった政府と党の二元体制に代えて、政策決定を首相官邸主導に一元化する。官僚が政策を積み上げ、政治が追認するというやり方を改め、政治が優先順位を決める。まず来年度の予算編成にそれがどう生かされるかを国民は注視している。

 ■「二重権力」を排せ
 民主党のあまりの圧勝ぶりには、新たな不安を覚える有権者も少なくなかろう。巨大与党に対してチェック機能をだれが果たせるのか。他方、選挙対策を一手に担った小沢一郎前代表の影響力が強まることで、民主党内にあつれきが生じないかも気がかりだ。
 93年の政権交代で生まれた細川内閣が、与党を仕切る小沢氏との「二重権力」のなかで短命に終わった歴史を思い出す。それを繰り返してはならない。国民の危惧(きぐ)をぬぐうには、鳩山首相のリーダーシップをはっきりと確立すべきだ。
 そのためにも、鳩山氏は来年度予算案に政権担当者としての明確な意思と4年間の行程表を練り込むことだ。
 今回の総選挙を、政権交代の可能性が常に開かれた「2009年体制」への第一歩にできるかどうか。それは、2大政党のこれからにかかっている。
 自民党の党勢立て直しは容易ではあるまい。それでも、民主党がしくじれば交代できる「政権準備党」の態勢を早く整えることだ。そのためには今回の敗因を正面から見据え、「新しい自民党」へ脱皮する作業が欠かせない。
 「とにかく政権交代」の掛け声で巨大政党に膨れあがった民主党は、交代を果たした後の自画像をどう描くかが今日から問われる。広がった支持基盤とどういう距離感をもつのか、外交・安全保障での理念やスタンスは……。「民主党とは何か」をもっと明確に出していかねばならない。
 新しくめくられた政治のページを埋めていく作業はこれからだ



社説:衆院選民主圧勝 国民が日本を変えた
毎日新聞 2009年8月31日

 まさに、怒濤(どとう)だ。自民党の派閥重鎮やベテランが、無名だった新人候補にバタバタと倒されていった。国民は断固として変化を選んだ。歴史に刻まれるべき政権の交代である。
 衆院選は民主党が300議席を超す圧勝を収め、同党を中心とする政権の樹立が決まった。自民党は初めて衆院の第1党から転落するだけでなく議席が3分の1近くに激減する壊滅的大敗を喫し、自公政権は瓦解した。
 選挙を通じ政権を担う第1党が交代する民主主義の常道が、日本の政治では長く行われずにいた。政権選択が2大勢力で正面から問われての政権交代は、戦後初めてである。

 ◇歴史的な体制の転換
 民主党に不安を抱きながらも政治を刷新しなければ閉塞(へいそく)状況は打破できない、との国民の切迫感が、すさまじい地殻変動を生んだ。鳩山由紀夫代表を首相として発足する新政権の前途は多難だ。だが数をおごらず、政治を一新する維新の気概と覚悟で変化を国民に示さねばならない。
 「風」などという段階をはるかに超え、革命的とすら言える自公政権への決別だ。約7割という投票率が国民の関心と、政治のあり方を変える強い意志を物語る。その象徴が、金城湯池とされた自民常勝区の崩壊だ。変化を求める民意は、世代交代による人材の入れ替えに発展した。
 政権交代と言えば、93年衆院選で成立した細川内閣も確かに非自民政権だ。だが、第1党はあくまで自民党で、争点は政治改革だった。保守合同による自民党誕生で成立した「55年体制」は同党が唯一、政権担当能力を持つ意味では続いていた。
 政権選択を目指し小選挙区が導入されて5回目の衆院選で、その体制についに終止符が打たれた。投票による政権交代という民主主義本来の機能回復を、私たちは政治の進歩として率直に評価したい。
 それにしても、いかになだれ現象が小選挙区で起きやすいとはいえ、政治、社会の構造変化を抜きにこの激変は説明できまい。
 自民党支配の源泉は業界・団体への利益配分、官僚による行政運営という強固な統治構造にあった。経済成長が行き詰まり、財政赤字などのひずみが深刻化する中で登場したのが小泉改革路線だ。郵政民営化など「小さな政府」を掲げ05年衆院選に圧勝、党は再生したかに見えた。
 しかし、医療、年金、格差や地方の疲弊を通じ国民の生活不安が急速に強まり、党は路線見直しをめぐり迷走した。参院選惨敗に伴う「ねじれ国会」のなか、現職首相が2度も政権を投げ出し、政権担当能力の欠如を露呈した。小泉政治を総括できぬまま解散を引き延ばす麻生政権に、国民の不満は頂点に達した。
 しかも、小泉路線の下、業界、農村、地方議員など党を支えた集票マシンは急速に衰え、離反した。2世、3世が幅を利かせ人材も不足した。麻生太郎首相が難局にあたるリーダーの資質を備えていたとは言い難い。制度疲労をきたし、自民党はまさに「壊れて」いたのだ。
 一方、政権交代をスローガンとする民主党は「生活重視」「脱官僚」をマニフェストに掲げ、自民党が業界重視、官僚主導から脱せぬ中、争点の提示に成功した。衆院解散から約40日の論戦の結果、有権者が民主党を選択した意味は重い。
 だが、多数の議席を得た船出は、逆の意味で危うさをはらむ。期待がふくらむほど、裏切られた時の失望も大きい。数を頼みとする政権運営を戒めるべきことは当然だ。来年夏に参院選が控える。政治の変化の証明を待ったなしに迫られよう。

 ◇自民は解党的出直しを
 政治主導が可能な体制の速やかな構築が必要だ。縦割り省庁が行政を主導し続けた「官僚内閣制」を脱却しないと、官僚操縦に失敗した細川内閣の二の舞いを演じかねない。
 あいまいな外交・安保政策も他党との連立協議の過程で明らかにすべきだ。国民は財源対策の説明のほころびなど、リスク承知で1票を投じた。政権担当能力を十分に信用しての圧勝と過信してはならない。
 野党となる自民党の役割も重い。そもそも東西冷戦終結やバブル経済が崩壊した時点で存在意義が問い直される中、政権に安住し続けたことが転落を招いた。真剣な総括なくしては、党存続もおぼつかない。
 今選挙を民主、自民両党による2大政党政治の実現とみるのは早計だ。だが、選挙の審判で政権の枠組みを決するというルールは定着させねばならない。
 経済危機、財政、年金、医療の立て直しなど喫緊の課題は多い。新政権は、国民との約束である公約を実行してみせるしかない。
 そして、かじ取りを委ねた有権者にも責任がある。日本政治は、これまで以上に国民が当事者として参加、監視する新時代を迎えたのだ。
毎日新聞 2009年8月31日 3時17分



【社説】歴史の歯車が回った 民主が席巻 自民落城 
中日新聞 2009年8月31日

 政権が代わる。民意は自公政治の継続を許さず野党の政権を選択した。憲政史上初の出来事だ。歴史の歯車が回り、新たな時代の門口に、私たちは立つ。
 つかんでもつかんでも指の間からこぼれる砂。選挙の帰趨(きすう)を左右する、特定の支持政党のない有権者の気まぐれを、かつて中曽根康弘氏が砂に例えたことがある。
 とらえどころのない、そんな砂が、明確な意志を持った。「政権を代える」という意志である。
 四年前の「郵政民営化か否か」とは次元がかなり異なる。一票に込められた変革への欲求が、ひと塊となって野党に政権の座を用意したのは、憲政史上例がない。

 「鳩山」「一郎」政権
 長らく「自民王国」と称された保守地盤が軒並み崩れた。自民党の首相経験者や現職閣僚、要職を歴任した大物たちが退場を余儀なくされ、あるいは脅かされた。
 メディアの度重なる民主党圧勝予測にも有権者は動じず、古くからの支持者ですら粛々と自民政治に別れを告げた観がある。
 政権交代をためらう世間の空気は薄れて、衆院小選挙区制の威力がいよいよ発揮されたのだ。
 民主の顔となった鳩山由紀夫代表は「保守とか革新とかの時代ではない」と保守層に呼び掛け、抵抗感を薄らげるのに成功した。
 黒子役に徹した小沢一郎氏は代表当時と変わらぬ指揮のさえを見せた。自民政治を地域で支えた農村組織や建設、医療団体にくさびを打ち込んだ。敵陣からの候補の擁立も、えげつなく。
 新人候補に“どぶ板”選挙を徹底させた。公明党幹部の選挙区を激戦に持ち込んで、自民の頼む創価学会の動きを封じてもいる。
 表の顔と裏の顔が小選挙区効果を倍加させた印象もある。自公に取って代わって衆院を席巻した民主の政権は「鳩山」「一郎」政権と名付けるのがふさわしい。

 一変する政の風景
 ちなみに鳩山氏の祖父・一郎氏は自民の結党を挟んで一九五四年から二年余、政権を担当した。党の五十年史はこう記している。
 「大胆な行政改革構想を提起して官僚政治を排し、政治主導、内閣主導の政策決定の方向に進む意気込みを示した。こうした課題はいつの日にか必ず実現されるべき民主政治の大目標である」
 選挙戦で民主党が繰り返し唱えたのが、この「明治以来の官僚主導政治からの脱却」だった。
 過去半世紀、歴代自民党政権が口にはしながら怠ってきた「実現されるべき大目標」が、鳩山、小沢両氏を柱とする民主政権に委ねられることになる。
 鳩山代表ら党首脳は直ちに政権移行チームを編成し、九月半ばと想定する民主党内閣の発足へ脱・官僚の体制づくりを急ぐ。
 霞が関の役人が族議員や天下り予定先の業界と一体でリードしてきた縦割り式の予算配分。その惰性を絶ち、政策の優先順位を政治が決める。国が主、地方は従の中央集権を地域主権へと転換する。いずれも時代の確かな要請だ。
 外交・安全保障のありようも旧来の官僚任せを改められるとすれば、政治の風景は一変する。小勢力の社民党、国民新党などは民主との連立を織り込み、共産党も是々非々の協力を表明している。
 全国各地の投票所に列をなして民主に大勝利を与えた民意が、政権担当の力量をこの党に認めたのかは怪しい。むしろ「よりましな政権」へ雪崩を打ったと見る方がいいかもしれない。
 それでも、自民党が官僚機構とつくりあげた、盤石にも見えた厚い壁はもろくも突き破られた。「日本を壊すな」と劣勢に焦りの声を上げた麻生太郎首相らを顧みることなく、有権者は欲する政権をじかに選んだ。歴史に刻まれる二〇〇九年衆院選であったのだ。
 自民は完膚なきまでに打ちのめされた。父から子、親族へと、当たり前のようだった世襲、そして平成の大合併や組織票依存で足腰が弱った党は、時代が必要としなくなったようにも見える。
 連立を組んで十年、ともに自民政権の危機を首相のすげ替えで乗り越えてきた公明も代表と幹事長の議席まで失った。協力関係の継続は難しかろう。両党にはたして復元力はあるか。
 老後の年金や医療、雇用に募る不安、教育にも及ぶ格差社会の不公平に有権者は怒り、政・官のなれ合い、しがらみの政治との断絶を促した。自公に代わる民主の政権はそれに応える責務がある。

 政党政治を壊すな
 経験のない数を得た民主は無駄なく巨体を動かす秩序づくりが急務だ。死屍(しし)累々の自民は後継総裁選びと党再建に追われよう。
 大量議席に政権側がおごり、落城した側が混迷を続けるなら、政党政治は壊れ、二大政党体制も幻となる。監視が必要だ。有権者の仕事は投票だけで終わらない。



 民主党政権実現 変化への期待と重責に応えよ(8月31日付・読売新聞社説)

衆院選、民主政権誕生へ  県民も政治の変革を選択 (8月31日付 岐阜新聞社説)


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