みどりの一期一会

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衆院選公示~政権構想と政策 よーく考えて一票を投じよう!

2009-08-19 14:18:07 | 選挙関連
昨日公示された衆院選の候補者が出そろった。
共同によると「与党・民主系対決は293区 自、民直接は減少」とのこと。
政権選択選挙と言われているが、やはり大切なのは、政党や組織ではなく、
政治家(候補者)一人ひとりの政策だろう。
と思っていたら、今日の中日新聞に「組織頼みでは勝てない」という社説。


【社説】09年衆院選 組織頼みでは勝てない
中日新聞 2009年8月19日

 「自民王国」も「民主王国」もある。そんな中部各県で、衆院選が公示された。これまでの組織や基盤の政党離れ、すき間風も目立つ。組織頼みでは勝てまい。有権者一人一人の思いが重みを増す。
 「岐阜は政権交代のリトマス試験紙だ」。公示前に岐阜市入りした民主の鳩山由紀夫代表が意気込んでみせた。
 一九九六年に小選挙区制になってから、岐阜県内の五選挙区とも自民系が独占し続けている。ここに風穴をあける勢いがなければ、政権奪取につながらない、ということだろう。福井県でも県内の衆参すべての選挙区を握る自民と、切り崩しを狙う民主が激突する。
 愛知や三重、滋賀各県は、逆に民主の地盤だ。四年前の郵政選挙では、愛知でさえ十五選挙区のうち六勝しかできず自民に九勝を許した。今回、民主は全勝をもくろみ、自民は死守に懸命だ。
 岐阜に限らず、中部各県で有権者が下す審判は、全国の選挙結果を象徴することになろう。しかし、両党に言えるのは、これまで集票に威力を発揮してきた組織や地盤だけでは、この選挙を制することはできないということだ。
 「集票マシン」の業界団体は自民離れが進む。医師会には診療報酬引き下げなど小泉改革への反発がある。建設業界は公共工事の激減で選挙応援するうまみも減った。民主公約の「農家の戸別所得補償」になびく農家も少なくない。
 支持基盤も揺れている。岐阜1区では前回、刺客との激戦を制した元郵政造反組の自民前職と、刺客を応援した自民支持者らとのしこりは消えない。一部が民主新人の応援に回り、自民県議が民主に移って比例単独候補になった。
 世襲候補の後援会は高齢化し、長野1区の世襲四世の自民前職は、少人数の集会にもこまめに顔を出し、つなぎとめに懸命だ。
 組織だけでは政権が取れぬことは、追い風の民主も同じだ。労組へのあいさつ回りより、街頭演説を優先させる新人もいる。愛知1区では名古屋市長選で当選した河村たかし氏の後継候補に、河村氏の元秘書を県連や連合愛知の反発にもかかわらず公認した。
 各党のマニフェスト(政権公約)に子育て支援など暮らしを重視した政策が目立つのも有権者一人一人に向けたメッセージだ。
 組織でなく個人の判断で選ぶ。当たり前のことではあるが、今回は政権選択がかかるだけに意義深い。よく考えて一票を投じたい。
(中日新聞 2009年8月19日)


「組織でなく個人の判断で選ぶ。」
自分の目で見て、耳で聞いて、よーく考えて一票を投じよう!

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以下は、昨日の公示日の各紙の社説。
同じ紙面で、金大中氏がなくなったという記事を読んだ。
金大中氏の死去は、ひとつの時代の終わりを告げているようだ。
8月18日は、まさに、日本の政治が変わる日かもしれない。

【社説】総選挙公示―「09年体制」の幕開けを
朝日新聞 2009.8.18

 「政権交代で新しい政治を」と民主党の鳩山代表が攻める。「政権交代の先に明るい未来はない」と麻生首相が切り返す。
 真正面から「政権交代」の是非を問う、歴史的な衆院総選挙がきょう公示される。
 自民党と社会党が産声をあげた1955年から半世紀余、日本では野党が選挙で第1党の座を奪い、政権に就いたことは一度もない。政権交代といえば自民党内の総裁の交代。「55年体制」が崩れ、連立政権が常態となった後もそれが基本的な常識だった。
 だが、健全な民主主義をつくるために2大政党による政権交代が望ましいという考え方は、実ははるか昔からあった。
 「議会政治の父」と呼ばれた尾崎行雄は、1911(明治44)年に次のような一文を残している。
 「二大党対立で、英国流の憲政政治をやることも、左程(さほど)難事ではあるまい……成っては敗れ、成っては敗れしているうちに、二大党対立の慣習が浸(し)み込んで、終(つい)には純粋の二大党となり、憲政の運用是(これ)に妙を極むるに至る」
 実際、昭和初期の約5年間、政友会と民政党の保守2大政党が政権を争った時期があった。激しい政争を経て、軍部によって政党政治は結局、窒息させられていく。戦後の混乱期にもめまぐるしい政権交代の時代があった。

■緊張感のある政治へ
 最近では93年にも政権交代があった。「非自民」連立による細川政権。第2党以下が寄り集まって第1党の自民党を下野させた異例の形だった。この政権が1年足らずで挫折したことが、村山連立政権で自民党を政権に復帰させ、以来、結果として本格的な政権交代を遠のかせることになる。
 東西冷戦下の繁栄に向かって、自民党は幅広い思潮と優れた官僚機構を抱え込み、対する野党は政権担当の意思も能力もなかった。
 しかし、そのことが日本の政治と行政に何をもたらしたか。88年に発覚したリクルート事件を受けて、自民党で政治改革の旗を振った後藤田正晴元副総理はこう語っていた。
 「1党長期支配の下では腐敗、おごり、マンネリが避けがたい」「行政はあまりにも肥大化して能率が悪く、権力を背景にして既得権益を生み、国民の自由な活動の重荷になっている」
 その弊害を打ち破ろうと、94年に実現したのが衆院への小選挙区制導入を軸とする政治改革だった。後藤田氏の言葉を借りれば「与野党間で政権交代のある緊張した政治のシステムをつくる」ためである。
 それから15年。5回目の総選挙だ。
 政権交代の可能性が常に開かれた政治をつくる。政権を担える党が事実上自民党しかなかった55年体制に終止符を打つ。そんな「2009年体制」の幕を、今度の総選挙で切って落とすことができるかどうか。数々の政策課題の重さをも超える今回の選択の最大の意義はそこにある。

■政権の交代を常態に
 政権党に重大な失政や魅力を欠くことがあれば、次の選挙でもう一方の政党に取り換える。そんな当たり前の原則をこの日本に定着させるのは、しかし、決して簡単な道程ではあるまい。
 内外ともに先を見通しにくい大転換期の中にあって、それに対応しきれない自民党長期政権の閉塞(へいそく)感は国民の間でかつてない広がりを見せている。だから民主党への支持が今のような高い数字を示しているのだろう。
 とはいえ首相が言うように、政権交代しても「明るい未来」がたちどころに訪れるはずもない。むしろ民主党には政権担当の経験がないだけに、一時的には混乱を招く可能性もある。
 民主党の「脱官僚」路線は機能するだろうか。子ども手当などマニフェストに掲げた新規政策の財源をひねり出すには、公共事業など他の予算を削る作業が伴う。それで不利益を被る人や団体の反発や抵抗に、民主党がたじろぐことはないか。

 自民、民主両党の政権公約の違いは分かっても、それぞれがよって立つ支持基盤や憲法、安全保障といった基本的な理念で、保守対リベラルというようなくっきりした対立軸が見えているわけではない。
 それどころか、似通った多様な主張が両党内に混在している。そのこともこの「政権選択選挙」を分かりにくくしている。小政党の主張をどうすれば反映できるかも課題だろう。
 そもそも2大政党の議席が拮抗(きっこう)すれば、敗者がばらけて勝者にすり寄る政党再編や離合集散、「大連立」のような動きもあり得るかもしれない。

■敗者は自らを鍛え直せ
 だが、せっかくの2大政党・政権交代時代の流れを逆戻りさせることは許されない。
 政権党は日々の政治の中で自らの理念や存在理由を問い直し、政策を実現させていく。敗者は野党に徹し、「政権準備党」として次の総選挙に向けて自らを鍛え直すことがあくまで原則である。
 政権交代時代にふさわしい政党文化を日本でも育てなければならない。私たちはそのとば口にいる。
 政権交代がごく普通に繰り返される「2009年体制」の政治。30日の投票日、民意の力で新しい民主主義のページをめくりたい。

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社説:衆院選、きょう公示 日本の未来を語れ 対米関係も重要な争点
毎日新聞 2009.8.18

 歴史的な選挙戦のスタートである。先月21日の衆院解散からほぼ1カ月。「助走」の長い選挙戦は、実際には折り返し点を過ぎて終盤に差し掛かった感もある。
 「歴史的」なのは、言うまでもなく政権選択の選挙だからだ。外国では選挙による政権交代は何ら珍しくない。しかし、日本では1955年の保守合同以来、もっぱら自民党を中心とする政治が続いてきた。
 その長期支配こそが日本の安定的な経済成長に役立ったという見方がある一方で、政治や官僚機構の「金属疲労」はもはや限界との声もある。いずれにせよ、日本独特の戦後体制について有権者の歴史観が問われる選挙でもあるはずだ。

 ◇日本と米国の3K
 しかし、17日に日本記者クラブで開かれた党首討論会を聞いて釈然としないものが残った。社会保障や雇用、子育てなど、暮らしに直結する問題を重点的に論じるのは当然だが、政権選択の判断材料はそれだけではない。外交や安全保障も含めて「日本をこういう国にしたい」という将来展望を国民にきちんと示すことも大切だ。
 そもそも各党のマニフェストが外交・安保に割いたスペースは少なく、党首討論会での議論も限られていた。大きな曲がり角の選挙なのに、曲がり角の先に将来の日本の姿が明確に見えてこないのが実情だろう。
 米紙ロサンゼルス・タイムズの東京支局長を務めたサム・ジェームソンさん(73)は60年秋から半世紀近く日本に住んでいるが、今の日本人は60年代の「ハングリー精神」を失ったように見えるという。経済的な目標も低めに設定されているようで、日本はもっとやれるのに、というはがゆさを覚えるらしい。
 外交も同様だ。「相手が米国でも国連でも、反対されそうだと日本は提案しない傾向がある。たとえ反対されても継続してやることです。黙っていたら、日本の気持ちは同盟国の米国だって分かりませんよ」
 前回総選挙で自民が大勝した05年は、日本が国連安保理の常任理事国入りを切望しながら、よりによって米国の実質的な「ノー」で望みを絶たれた年でもあった。
 ジェームソンさんはそんな米国の態度を「同盟国の裏切り行為」と批判する一方で、最近の日本の防衛論議を憂慮する。「米国へ向かうミサイルを迎撃する能力があるのに日本がそうしないなら、日本は米国人の信頼を失い、日米同盟は実質的に終わるでしょう」
 さらに現行の防衛分担を「米国は『危険、きつい、汚い』の3K、日本は『きれい、賢い、カッコいい』の3K」と表現し、手を汚すまいとする日本の姿勢に首をかしげる。日本の右派からもよく聞く主張ではあるが、知日派ジャーナリストの日本への憂いが伝わってくる。

 ◇歴史的な節目に審判を
 日本の政治家や官僚が米国の顔色をうかがう傾向は昔から指摘されてきた。だが、「対米追従」の実態とは何だろう。米国が有無を言わせず日本を従わせているのではなく、むしろ日本が自己規制や自縄自縛によって「思考停止」の状態に陥っているだけではないのかという指摘もある。だとすれば、米国自身が同盟国の助言を求めている昨今、「対米追従」に最も迷惑するのはオバマ政権、という逆説も成り立とう。
 この辺の問題を整理するのは大切である。表立った争点にはなっていないが、イラク戦争への対応も含めて「対米追従」への疑問は日本人の胸にわだかまり、各種選挙にも微妙な影響を与えてきた。マニフェストで自民は「日米同盟の強化」を、民主は「緊密で対等な日米同盟」をうたっているが、日米が率直に議論する同盟関係でなければ空疎な美辞麗句に終わってしまう。
 とりわけ今は日本が発言すべき時である。北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対して日本には「ダモクレスの剣」にも似た不安が広がる。北朝鮮を念頭に置く敵基地攻撃や核武装をめぐる論争が起きているのも、そうした不安の反映だろうが、かといって非現実的な核武装などを論じても問題解決にはつながるまい。
 核をめぐる恐怖は60年代初頭、キューバ危機に直面した米国が一番よく承知していよう。時のケネディ大統領はソ連と談判してキューバから核ミサイルを撤去させた。だが、21世紀の東アジアに、北朝鮮の核兵器を廃棄に導く指導者(たち)が果たして現れるだろうか。
 厳しい局面にこそ冷静な議論が必要だ。今回の選挙では、あくまで生活上の諸問題が主な争点だが、日本は国際社会でどう生きていくかという、戦後の大きな懸案が改めて問われている。この歴史的な節目に当たり有権者は各党のマニフェストや論戦を吟味し、30日には貴重な一票を投じるべきである。
(毎日新聞 2009.8.18)
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社説 09衆院選 政策を問う 政権を選ぶ歴史的な選挙の幕が開く
日本経済新聞 2009.8.18

 自民、公明両党の連立政権の継続か、それとも民主党を中心とする政権を選ぶのか。第45回衆院選が18日公示され、30日の投票日に向け、各党は本格的な選挙戦に入る。政権交代の是非が最大の焦点となる歴史的な衆院選が幕を開ける。
 かつての社会党など野党勢力が非力だったこともあり、衆院選はこれまで本来の機能である政権を選択する選挙になっていなかった。今回は有権者が政権を選ぶ事実上初めての選挙といえる。

定着してきた政権公約
 2003年にマニフェスト(政権公約)が導入されてから、今回で3回目の衆院選だ。7月21日の解散日から投票日まで40日間という、現行憲法下で最長の期間になったこともあり、政権公約をめぐる論戦はすでに活発になっている。12日間の選挙戦で、国の将来像などを競う骨太の政策論争を期待したい。
 前回の05年の衆院選は、小泉純一郎首相が郵政民営化の是非の一点に争点を絞り込み、他の政策課題は脇に追いやられた。今回は自民、民主両党の政権公約を中心に、子育て支援、農業政策、消費税など多岐にわたるテーマで論戦が行われている。衆院選の判断材料として政権公約はようやく定着してきた。
 政権交代が現実味を帯び、野党・民主党の政権公約は、かつてないほど注目されている。与党からの批判や各種団体の意見などを踏まえ、民主党は国と地方の協議の場の法制化などを追加したり、日米自由貿易協定(FTA)の記述を変更したりする政権公約の修正版を発表した。
 政権公約の修正自体は必ずしも悪いことではない。しかし今回の修正は、一部幹部だけでまとめた政権公約の中身が生煮えで、農業団体などからの批判を受けて慌てふためいたという印象が否めない。党内で十分に検討したうえで、もっと早い時期に原案を示すなど政権公約の作成手順を改善しなければならない。
 公示に先立ち、日本記者クラブは各党党首の討論会を開催した。
 麻生太郎首相(自民党総裁)は「責任力」を重ねてアピールした。17日に発表された4~6月期の実質国内総生産(GDP)速報値が年率換算で3.7%増となった成果を挙げ、引き続き景気回復に取り組む考えを示した。同時に「戦略なきば(、)ら(、)ま(、)き(、)では経済は成長しない」と述べ、民主党への対抗心をむき出しにした。
 一方、民主党の鳩山由紀夫代表は官僚任せの政治に終止符を打つとして、自民党の長期政権からのチェンジ(政権交代)を呼びかけた。
 民主党の優勢が伝えられていることから、鳩山氏への質問が目立つ展開となった。麻生氏と公明党の太田昭宏代表は、民主党が政権公約に盛り込んだ子ども手当などの財源や、今年度補正予算を組み替える場合に削減する項目を示すよう求めた。
 鳩山氏は今回の討論でも具体的な削減内容を明らかにしなかったが、政権をとれば直ちに直面する補正予算の組み替え方針などは具体策を示して審判を仰ぐのが筋である。
 鳩山氏は自らの秘書が政治資金収支報告書の虚偽記載をした事実を認め、これがアキレスけんになっている。太田氏は、秘書が虚偽記載した場合に国会議員の公民権を停止する法改正への賛否をただしたが、鳩山氏は「民主党としても前向きに対処すべきと考えている」と答えた。

連立の基本方針も示せ
 平行線の議論が多かったが、首相と鳩山氏が選挙結果にかかわらず、年金などの社会保障改革は超党派で検討すべきだとの認識で一致したことは評価したい。少子高齢化が進むなかで、年金、医療などの抜本改革をどのように進めていくのか。政権公約では十分に説明されていない社会保障改革についても、議論を深めてもらいたい。
 選挙結果によっては連立政権の枠組みも焦点になる。自民、公明両党の政権が続く場合は、衆院で3分の2の多数を失っている公算が大きく、これまで以上に国会運営は困難になる。首相はどのようにして政権公約を実現するつもりなのか。
 民主党は先に社民、国民新両党との共通政策を発表したが、安全保障政策に言及していないなど政権運営に不安を残す内容だった。17日の討論でも、海上自衛隊によるインド洋上での給油活動からの撤退時期やソマリア沖の海賊対策への自衛隊派遣を巡り、鳩山氏と社民党の福島瑞穂党首の意見は食い違ったままだ。
 参院で安定的な勢力を確保するためには、自民、民主のどちらが第1党になっても連立は不可避の情勢だ。「建設的野党」の立場を打ち出した共産党を含め、各党は選挙後の連立政権に臨む基本方針を示して、有権者の判断を仰ぐ必要がある。
(日本経済新聞 2009.8.18)



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