みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

ネットを使えない選挙はヘン/公然とネット選挙運動も/誹謗中傷「(自民)怪文書」はOKなの?

2009-08-24 15:49:37 | 選挙関連
昨日の中日新聞、一面下のコラム「中日春秋」は、
選挙運動のインターネット規制の批判。
日本経済新聞の社説も、ずばり「ネットを使えない選挙は変だ」。

【コラム】 中日春秋
中日新聞 2009年8月23日

 伝説の歌手ボブ・ディランに職務質問した若い警官二人が、ディランを知らなかった。そんなジェネレーションギャップが全米で話題になっている(十六日付毎日新聞朝刊)
▼現場は、ツアー先の米ニュージャージー州。二十代の警官に名前などを聞かれ「ボブ・ディランだ」「ツアーに行くところだ」と答えたが、警官は身分証の提示を求めて目的地まで同行。もう一人の若い警官もディランを知らないようだったという
▼代表曲「時代は変る」を地で行く話だが、意味のない規制が若者の政治的関心を奪いかねないジェネレーションギャップは、笑い話では済まない。選挙運動のインターネット規制のことだ
▼今回の総選挙でもホームページやブログを活用する候補者が多かったが、公示を機に更新がぴたっと止まった。ホームページやブログの情報は法定外の「文書図画」、更新は「頒布」として公職選挙法の規制対象になるからだ
▼異例ともいわれた四十日間の選挙戦は、有権者がじっくりと各党の政策を吟味できるプラス面がある。しかし、肝心の公示後のネット規制は、若い世代から政治を遠くに押しやることにならないか
▼総務省の研究会は七年前、ホームページの選挙利用の解禁を提言したが、自民党のベテラン議員の反対論から解禁に至っていない。先進国では日本だけだ。そんな時代は変えなくては。
(中日新聞 2009年8月23日)


社説2 ネットを使えない選挙は変だ(8/23)
日本経済新聞 2009.8.23

 衆院選で各党がしのぎを削っているが、今回の選挙でも疑問といえるのが公職選挙法によるインターネット利用の禁止だ。米国や韓国では選挙運動の最大の手段がネットになっている。日本もそろそろ時代遅れの規制はやめたらどうか。
 公選法は選挙公示後の文書図画の頒布を選挙管理委員会が認めるはがきとビラに限定している。ホームページや電子メールは文書図画にあたり、その更新や送信は頒布行為として公選法違反とみなされる。立候補者が一斉にホームページの更新をやめたのはそのためだ。
 米大統領選ではオバマ大統領が自分の考えをインターネットで訴え、若い有権者の支持を集めた。立候補者の顔と名前しかないポスターや選挙カーによる名前の連呼より、ホームページで候補者の活動などを比較できたほうが、選挙の判断材料として役立つのではないだろうか。
 選挙運動でのホームページ利用は、総務省の研究会が2002年にすでに解禁すべきだと報告している。民主党は電子メールやブログの利用も認める公選法改正案を議員立法で提出したが、衆院解散により廃案となってしまった。
 自民党は選挙制度調査会の作業部会で若手議員らが解禁を提言したものの、意見がまとまっていない。ネットは誹謗(ひぼう)中傷につながるという理由で、ベテラン議員を中心に根強い反対論がある。
 海外では英国やドイツなど先進諸国のほとんどが、民主主義を実現する道具としてネット選挙運動を推進している。紙を印刷して配るより、コスト的にも環境的にも国民の需要に即しているというわけだ。
 こうした状況を憂い、日本でもヤフーや楽天などネット企業が選挙関連のサイトを開き始めた。ネットによる個人献金のサイトも登場している。さらに立候補者が公示前に自分の演説を動画共有サイトに掲載しておくという例も出てきた。
 民主党はマニフェスト(政権公約)でネット選挙運動の解禁を訴えている。世界最先端とされる日本の通信インフラを利用しない手はない。今回の選挙には間に合わなかったが、新政権発足後には与野党できちっとした結論を出してほしい。


その他、ネット選挙に言及したここ数日の社説やコラム。

社説:視点 衆院選 場違い公選法 「選挙活動妨害法」ですか=論説委員・人羅格
毎日新聞 2009年8月21日

 これでは選挙活動妨害法ではないか。公職選挙法が「あれもダメ」「これもダメ」と選挙活動を規制する公示日以降の現実に、こんな憎まれ口すらききたくなる。規制は明らかに過剰だ。
 立候補届け出を受け付け「選挙運動期間」が始まったのは18日だが、実態はすでに終盤戦だ。衆院解散から約1カ月間、各党のマニフェストや主張をたたき台に政党や立候補予定者は大いに論戦を展開してきた。
 特に目立ったのがインターネットの活用だ。動画、メッセージ投稿やブログ更新はもちろん、短い言葉を携帯電話などに発信する「トゥイッター」と呼ばれる手段で有権者に語りかけ、反応を探る政治家も現れた。「オバマ現象」を引き合いに出すまでもない。若い世代が政党や候補の情報にふれたり、公約を吟味するうえで、すでにネットは選挙の一部である。
 ところが、いざ投票先を決める段になるとネットを通じ候補者から発信される情報の更新はぴたりと途絶え、17日で時計が止まったような有り様だ。総務省はネット情報について法定外の「文書図画」、つまり紙類と同じと解釈している。選挙運動にかかわる内容の公示後の更新はご法度なのである。
 実は総務省の研究会は02年にホームページの選挙利用の解禁を提言しているのだが、ベテラン議員らに慎重論が根強く、7年にわたり黙殺されている。その間ネットによる情報伝達手段は発展し続け、ネット社会を想定すらしていない公選法とのギャップは広がるばかりだ。
 現に、今選挙で一部の政党は党首の言動や遊説日程を公示日後もホームページ上で更新している。「ネット選挙を解禁すれば匿名の中傷などで混乱する」と慎重派は言う。だが、何のルールも無い状態を放置する方がむしろ不公平や混乱を招きかねない。各陣営や選管もどこまでが「OK」か、すっきりしてほしいに違いない。
 ことはネットに限らない。マニフェスト冊子も、配布できる場所は演説会場や選挙事務所などに限られる。そもそも「選挙運動期間」をもうけて戸別訪問などを厳しく制限する国はほとんどない。選挙の公正維持は確かに重要だが、政策論争やイメージ重視への質の転換に、法が対応できずにいるのだ。
 ネット選挙だけでもまずは解禁すべきだが、のんびりしていては来年の参院選に間に合わない。衆院選後、直ちに7年間の「怠慢」の穴埋め作業に乗り出す必要がある。公選法見直しは日本の政治風土を変え得る、とても大きなテーマなのだから。
毎日新聞 2009年8月21日
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8月20日付・時代遅れ

四国新聞社 2009/08/20

メールで記事を紹介 印刷する 一覧へ
 衆院選の立候補者の中で、ホームページ(HP)やブログを開設していない人は少数派だろう。人によってはメールマガジンも持っている。そこで活動を報告したり、人となりを伝えたり、あるいは支持者と意見交換したりしてきた。
 政党もインターネットを重視し、動画投稿サイトにCMを掲載している。多額の金がかかるテレビCMをやめ、ネットCMに絞った政党もある。ネットでしか見られないアニメCMを作った政党もある。今や政治とネットは切り離せない関係にある。
 にもかかわらず、公示後、これらが更新されることはない。公職選挙法で禁じられているからだ。選挙期間中、ビラやはがきは配れても、HPの更新は許されていない。一番欲しい時に新しい情報が入らない。
 総務省の有識者研究会は7年も前に、「インターネットを排除して21世紀の民主主義は考えられない」と、HPに限っての規制解除を提言している。しかし今度の選挙でもまた、実現には至らなかった。
 時代遅れというだけではない。ネット解禁で、選挙にかかる金を減らせる。立候補のハードルも下がる。国民の声も聞きやすくなる。米大統領選のように、選挙戦の流れを変える力もある。何より若者の関心を高めることや、選挙戦を盛り上げることができるだろう。
 それでも公選法は見直されなかった。解禁されると都合が悪い人たちがいたということだろうか。今度の選挙では、HP解禁に賛成か反対かも尋ねてみたいポイントの一つだ。


今回の総選挙では、自民党も民主党もホームページの更新も堂々と続けていて、
動画も配信している。

 公然とネット選挙運動…自民・民主、公示後も更新 

 インターネットの普及に伴い、選挙期間中は公職選挙法で禁止されているとされてきた政党のホームページの活用が、今回の衆院選の公示後、自民、民主両党によって活発に行われている。ネットが情報発信や交換に不可欠の“道具”となってきている中、選挙での利用のあり方が本格的に問われる事態となっている。
 公職選挙法142条では、選挙運動でのインターネット活用は、公示後には認められていない「文書図画の配布」にあたるとして、事実上、禁止している。
 ところが、今回の衆院選で劣勢が伝えられる自民党は、民主党を痛烈に批判するいわゆる「ネガティブ・キャンペーン」をホームページ上で展開、18日の公示後も更新を続けている。
 ホームページで見られるのは、「みなさん、知っていますか―十人十色の民主党」「民主党さん本当に大丈夫?」「民主党=日教組に日本は任せられない」などのタイトルが付き、民主党を厳しく批判する資料だ。これらの資料は、党公認候補の事務所や、演説会で配布したりしている。
 ネット上では、新しい動画CMも公示後に流している。
 自民党の広報担当者は「民主党の政策は突っ込みどころ満載だ。こうした問題点をそのままにしておくわけにはいかない」と強調する。公職選挙法との関係については、「政党の通常の政策、政治活動で、問題ない。候補者の名前は出さないよう、十分気を付けている」と話す。
 一方、民主党も今回の衆院選から初めて、全国を遊説する党三役の動きを写真とともに連日ホームページで「ニュース」として更新し、演説の内容も載せている。同党広報担当は、「党の政治活動の一環で、問題ない」と話す。自民、民主両党とも、特定候補者を取り上げなければ選挙運動にあたらないとの解釈で、積極的なネット活用が目立つ。
 公明党は、ホームページで公示前に5シリーズ16本の動画CMを公開したが、従来通り、「公示後の更新は控えている」という。
 総務省は、各党のホームページを使った広報活動について、「特定の候補や政党の投票を呼び掛ける内容の場合は、公職選挙法上、問題がある。ただ、通常の政治活動の範囲内ならば、直ちに違法とは言い難い。違法かどうかの判断は警察が行う」としている。
 ホームページを利用した選挙運動の解禁などを盛り込んだ公職選挙法改正案は、今年の通常国会でも、議員立法で提出する動きが自民党などであったが、党内の意見がまとまらず、提出されなかった。
(2009年8月24日14時51分 読売新聞)



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ここからは、読売新聞でも言及されている、自民党が発行している『怪文書』としか思えない
民主党を誹謗中傷するネガティブ・キャンペーン文書のかずかず。

ネット上にさいしょ出たとき、わたしは「すわ、怪文書か」と思ったが、
自民党のホームページを見たら、自民党が作っていることを、みずから手柄のように宣伝している。

自民党公式ホームページ

政治家個人のインターネット使用や、「文書図画」の制限違反罪に対して、
これだけ厳しく制限を加えている(といわれる)公選法の解釈では、
天下の公党のこういう汚い手口はセーフ、というのだからあきれる。
とはいえ、配布の仕方によっては、「公選法違反に抵触する」スレスレ文書なのだから、
日々、公選法違反に目を光らせている警察は公平にちゃんと取り締まるべし。
政治活動と強弁しているが、パンフを持って「自民党をよろしく」といって手渡したら、
選挙運動で「アウト」なのだから、もらった人は通報しましょう。

自民党のオヤジ議員たちは、インターネット選挙に反対しておいて、
金にあかせてこういう得たいの知れないパンフレットを作って100万部以上ばら撒いているのだから、
なりふり構わず、断末魔のあがきとも取れる。

選挙のときのメッセージは、何でも発信すればよい、というものではなくて、
どんな内容か、メッセージの質が問われる。
そういう意味で、有権者に向けてのこのキャンペーンは最低のメッセージだ。

バックラッシュ派は一部の人たちだけだと思っていたが、
どうやら、丸ごと「極右政党 自民党」の看板をかかげることにしたらしい。

宣伝したくはないけど、あまりに酷いので、ひとつだけ紹介。

【知ってドッキリ民主党】民主党には秘密の計画がある!!(平成21年8月発行)
民主党と労働組合の革命計画・日教組 教育偏向計画・日本人尊厳喪失進行中




あとは、気分が悪くなることを覚悟の上で、
リンク先に入って、各自お読みください。

自民党パンフレット配布ボランティアのみなさまへ(8/22)
(1)自民党から配送しているパンフレットの種類
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現在、自民党から配送させていただいているパンフレットは以下のものです。
NEW!!  各10万部入荷しました
*みなさん、知っていますか。-十人十色の民主党-【通称:バラバラパンフ】
*民主党さん本当に大丈夫?
 【通称:え~子パンフ】
*民主党=日教組に日本は任せられない-「日の丸」を切り刻んで党旗を作る民主党!!- 在庫なし 【通称:日の丸パンフ】
 
※ たくさんのお申し込みありがとうございました。「日の丸パンフ」は8/22 18時半をもって在庫がなくなったため、お申し込みを締め切らせていただきました。
*政治はギャンブルじゃない ~民主党の「お試し政権」に日本を任せられません 在庫なし【通称:ギャンブルパンフ】

※たくさんのお申し込みありがとうございました。
 8/21 9時13分をもって在庫がすべて出切ったため、お申し込みを締め切らせていただきます。
総計 1,044,670部 のお申し込みを頂きました!! すごい!!100万部越えです。みなさまのご尽力に深く感謝申し上げます。

 その他、
「子どもは国の宝」 在庫なし
「政策ミニパンフ」 在庫なし
「知ってドッキリ民主党 これが本性だ!!」 在庫なし
「知ってビックリ民主党 これが実態だ!!」  在庫なし

などのパンフレット・ビラのご希望をいただいておりますが、すでに在庫がなく発送出来ません。大変申し訳ありません。ご了承いただきますよう、お願い申し上げます。
・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・



自民党にも、まっとうな支持者はいるだろうと思うが、
その人たちが、この「怪文書」を目にしたら、どんな気持ちがするだろう。
保守的でも地域で誠実に暮らし自民党を支持してきた方たちが、ほんとお気の毒。

わたしは「支持政党なし」の無党派・市民派だけど、
かりにわたしが支持している候補者がこのような汚い文書をばら撒いていたら、
「百年間の恋」も冷めて、ぜったいに投票したくなくなるだろう。

そういう意味では、自民党は、すでに有権者の気持ちも読めなくなってて、
膨大な金を使って、みずからの首を絞めている、のかも知れない。


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