みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

2011年の初読み/『アメリカン・デモクラシーの逆説』『サンデルの政治哲学〈正義〉とは何か』

2011-01-05 18:40:39 | ほん/新聞/ニュース
母も帰って、わたしもお仕事を本格始動。

1月8,9日に開催する「第5回M&T企画/市民派議員になるための選挙講座」の構成を考えて、
午後は、会場のハートフル周辺の下見に行きました。



最終回になる今回は、実際の選挙カーを使って、
候補者に街頭演説の練習をしてもらうつもりなので、
背が高い選挙カーを、駐車場にとめておけるかの確認です。
なんとか大丈夫のようです。

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今年になって読んだ本二冊、紹介します。

『アメリカン・デモクラシーの逆説』(渡辺靖/岩波新書・798円)は、
12月に読売新聞の書評に載っていたので、高島屋の自由書房で買った本。
岩波新書で、読みやすくて、おもしろかったです。

『アメリカン・デモクラシーの逆説』 渡辺靖著 評・井上寿一(日本近現代史家) 

自由と民主主義の皮肉
 アメリカの中間選挙で民主党が大敗した。わずか2年前のオバマ大統領誕生の熱気が嘘(うそ)のようである。何がアメリカで起きているのか。
 ワシントンの内情に通じているかのような、訳知り顔の識者がテレビで解説する。あるいは現地から「豊かな国」アメリカの「貧困」をルポする人がいる。総じてこうした観察は、アメリカのある断面を示しているものの、部分を全体と誤認しがちである。
 対する本書は、長年のフィールドワークから得た知見をもとに、古今東西のアメリカ論を自在に読み解きながら、現代アメリカ社会の全体像を描き出す。これがアメリカの真の姿なのか。そう実感させてくれる。
 アメリカ社会の保守志向は根強い。オバマ大統領は保守派に接近する。すると今度はリベラル派や無党派が離反する。このように分析する本書を読めば、中間選挙の結果は当然だったことがわかる。
 著者が指摘するのはアメリカ社会の逆説である。自己責任の強調が個人では制御できないストレス社会を生み出す。アメリカの影響力のグローバル化は、アメリカ自身にはね返る。アメリカもグローバル化がもたらす負の効果から逃れることはできない。
 希望はあるのか? ボストン南部の地域再生プロジェクトやジョージア州の公設民営の公立学校の試み。これらの事例をとおして明らかになる、多様なコミュニティとネットワークこそ、アメリカ民主主義の希望である。
 アメリカは複雑で困難な諸問題を抱えている。それらの問題は、程度の差はあっても、同じ先進民主主義国の日本の問題でもある。他人事ではない。そうである以上、本書は日本の問題を考える際にも示唆に富む。私たちは「陽気で、楽天的で、寛大で、そしてフェア」なアメリカの「市民的な統合原理」と民主主義の「自己修正力」に学ぶべきだと思う。
 ◇わたなべ・やすし=1967年生まれ。文化人類学者、慶応大学教授。著書に『アメリカン・センター』など。
 岩波新書 760円
(2010年11月15日 読売新聞) 


お正月の一日と二日にわたって、NHK教育で「ハーバード白熱教室」を再放送していました。
夜から深夜だったので見逃したのですが、
替わりに、といってはなんですが、12月に出たばかりの
『サンデルの政治哲学──〈正義〉とは何か』(小林正弥著/平凡社)を読みました。
こちらも新書版なのに、字が小さくて375ページもあって、読み応え満点(笑)。
サンデルの政治論を一冊で知りたい方には、ちょうどよい本だと思います。

 サンデルの政治哲学 〈正義〉とは何か(平凡社新書 553) 

《目次》 ▲
はじめに──マイケル・サンデルの政治哲学の全体像
序 新しい「知」と「美徳」の時代へ──なぜ、このような大反響となったのか

第一講 「ハーバード講義」の思想的エッセンス──『正義』の探求のために
第1章(第1回) 三つの正義観──「正しいことをする」
第2章(第2回) 功利主義の福利型正義論──「最大幸福原理」
第3章(第3回) リバタリアニズムの自由型正義論──「私たちは私たちのものか?」
第4章(第5回) 市場主義にさらされる道徳──「雇われ助っ人」
第5章(第6・7回) 道徳的哲学者、カント──「重要なのは動機」
第6章(第7・8回) ロールズの自由型正義論──「平等のための理由」
第7章(第9回) リベラリズムの不条理──「アファーマティブ・アクションを議論する」
第8章(第9・10回) 正義論の古典的源泉、アリストテレス──「誰が何に値するか?」
第9章(第11回) コミュニタリアニズムと忠誠のジレンマ──「たがいに負うものは何か?」
第10章(第12回) サンデルの理想──「正義と共通善」

第二講 ロールズの魔術を解く──『リベラリズムと正義の限界』の解読
ロールズの『正義論』とは
〈正義の首位性〉を批判する
序 章 形而上学なき正義論──「リベラリズムと正義の首位性」
第1章 ロールズの考えている自己とは──「正義と道徳主体」
第2章 所得は道徳的価値と無関係か?──「所有・適価・分配の正義」
第3章 〈契約〉の正体は原理の発見──「契約論と正当化」
第4章 本当の〈コミュニティ〉や〈善〉とは──「正義と善」
結 論 〈負荷ありし自己〉の友情と省察──「リベラリズムと正義の限界」
コミュニタリアニズムの出発
〈第二講〉 まとめ

第三講 共和主義の再生を目指して──『民主政の不満』のアメリカ史像
第1部 「手続き的共和国の憲法」──共和主義的憲政史
第1章 〈ロールズ 対 サンデル〉の第二ラウンド──「現代リベラリズムの公共哲学」
第2章 建国の頃は権利中心ではなかった──「権利と中立的国家」
第3章 中立性の論理で失われたもの──「宗教的自由と言論の自由」
第4章 性的関係や家族関係をどう考えるか──「プライバシー権と家族法」
第2部 「公民性の政治経済」──共和主義的政治経済史
第5章 共和主義的産業を求めて──「初期共和国における経済と美徳」
第6章 共和主義的な二つの運動──「自由労働と賃労働」
第7章 二つの革新主義──「コミュニティ、自己統治、革新主義的改革」
第8章 〈善なき経済学〉の勝利──「リベラリズムとケインズ革命」
第9章 〈不満〉の克服への試行錯誤──「手続き的共和国の勝利と苦悩」
結 論 新しい共和主義のビジョン──「公共哲学を求めて」
共和主義はいかに生まれ変わるか

第四講 「遺伝子工学による人間改造」反対論──『完成に反対する理由』の生命倫理
第1章 「 増強(エンハンスメント)の倫理」──肯定論に対する挑戦
第2章 「生体工学(サイボーグ)的運動選手」──目的論的な増強批判
第3章 「設計される子供と、設計する親」──愛と〈教育の増強〉
第4章 「新旧の優生学」──リベラル優生学批判
第5章 「支配力と贈り物」──天賦生命観を支える美徳
エピローグ 「胚の倫理」──道徳的保守派批判

第五講 コミュニタリアニズム的共和主義の展開──『公共哲学』論集の洞察
 序 民主党が選挙に勝つには
第1部 共和主義的政治評論──「アメリカの公民的生活」
第2部 市場主義とリベラリズムへの批判──「道徳的・政治的議論」
第3部 哲学的発展──「リベラル─コミュニタリアン論争の展開」

最終講 「本来の正義」とは何か?──正義論批判から新・正義論へ

あとがき
文献案内
※ サンデルの著作名は、各講のサブタイトルに『 』で示した(第一講の『正義』は、『これからの「正義」の話をしよう』のこと)。また、各著作の部・章タイトルについては、原著・訳書からのものは、「 」で表記した。
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《概要》 ▲
2010年、NHKの「ハーバード白熱教室」で颯爽と登場したマイケル・J・サンデルは、その穏やかな語り口と、観る人・聴く人を引き込む講義で、日本中の人々を魅了した。だが、サンデル自身はどんな政治哲学を持ち、どんな政策をよしとしているのだろうか。
『リベラリズムと正義の限界』『民主政の不満』といった主著を中心とする全著作を、できるだけ噛み砕きながら、難解といわれるサンデル哲学の核心に迫る。
著者は、NHKの放送でも解説を務めた政治哲学者の小林正弥教授(千葉大学)。コミュニタリアニズムや公共哲学について、サンデルと十年以上にわたって対話を続けてきている第一人者による「サンデル入門」の決定版!
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《著訳者紹介》 (本の出版時点でのデータです) ▲
小林正弥 こばやし・まさや
1963年東京生まれ。東京大学法学部卒業。千葉大学法経学部教授。専門は政治哲学・ 公共哲学・比較政治。コミュニタリアニズムや公共哲学の研究を通じ、ハーバード大学のマイケル・サンデル教授と長年の交流があり、NHKの「白熱教室」(2010年)では監訳と解説を務め、同講義のDVD版では解説を執筆。サンデル著『民主政の不満』(全2巻、勁草書房)の監訳も務める。著書に『政治的恩顧主義論』(東京大学出版会)、『非戦の哲学』(ちくま新書)、『友愛革命は可能か』(平凡社新書)、編著書に『戦争批判の 公共哲学』(勁草書房)など多数。 


ちょっと気がかりなことがあり、半日その対応に追われてて、
夕方になって、なんか疲れがどっと出てきました。
波乱の年になりそうな予感。
おめでたつづきは、三が日だけか・・・。

ではまた。

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1月4日(火)のつぶやき

2011-01-05 01:30:51 | 花/美しいもの
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きょうのブログ。○母帰る/『「そば」名人』で紹介。岐阜・関「そばきり 萬屋町 助六」 #goo_midorinet002 http://t.co/kgCZ953
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