テレビをつけたら、安倍晋三首相がしゃべっていた。
あの自信たっぷりドヤ顔から発する甲高い声は、
どうも気持ち悪くてチャンネルを変えてしまった。
支持率が高いのは、わたしには理解できない。
チャンネルを変えたのは、昨日の衆院特別委員会でした。
報道圧力発言問題で陳謝、したそうだから、
見ておけばよかったかも・・・。
詳細は夕方届いた中日新聞夕刊で知りました。
その中日新聞と、きょうの新聞各紙の社説を紹介します。
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あの自信たっぷりドヤ顔から発する甲高い声は、
どうも気持ち悪くてチャンネルを変えてしまった。
支持率が高いのは、わたしには理解できない。
チャンネルを変えたのは、昨日の衆院特別委員会でした。
報道圧力発言問題で陳謝、したそうだから、
見ておけばよかったかも・・・。
詳細は夕方届いた中日新聞夕刊で知りました。
その中日新聞と、きょうの新聞各紙の社説を紹介します。
首相が報道圧力問題を陳謝 衆院特別委 2015年7月3日 中日新聞 安倍晋三首相(自民党総裁)は三日午前の安全保障関連法案に関する衆院特別委員会で、報道機関に圧力をかけたり沖縄を侮辱したりするような発言が自民党若手議員の勉強会で相次いだことについて「発言が極めて不適切だったことは国民に申し訳ない。自民党が長年行ってきた沖縄振興や基地負担軽減の努力を水泡に帰すもので大変残念。沖縄の皆さんの気持ちを傷つけるとすれば、申し訳ない」と陳謝した。 首相は「党本部で行われた勉強会だから、最終的には私に責任がある」と述べた。一連の発言については「大変遺憾で非常識。国民の信頼を損ね、看過できない」と強調した。民主党の枝野幸男幹事長、長妻昭代表代行の質問に答えた。 首相は勉強会に出席した大西英男衆院議員が報道機関への広告を自粛するべきだと繰り返し訴えていることに関し「権力を使って圧力をかけ、広告を出さないようにすることはあってはならないし自民党はやったことはない」と説明。「安倍政権を厳しく非難する報道機関であろうとも、言論を守ることが私たちの義務だ」と述べた。 安倍政権がNHKの経営委員に選任した作家の百田(ひゃくた)尚樹氏が自民党勉強会で、米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設に伴う新基地建設に反対する地元二紙を「つぶさないといけない」と発言したことには「経営委員を(今年二月末で)退任した後の発言だ。その後の出来事を知りうるすべは誰にもない」と述べた。 一日の特別委で参考人のジャーナリストの鳥越俊太郎氏から、安倍政権の姿勢が報道機関を萎縮させているとの指摘が出たことについては、首相は「安倍政権は大きな批判にさらされている。民主主義が機能している証しだ」と反論した。 特別委は、首相や関係閣僚が出席して集中審議を行った。 |
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社説:報道への威圧―陳謝でも消えぬ疑念 2015年7月4日 朝日新聞 自民党議員らによる報道機関を威圧する発言について、安倍首相はきのうの衆院特別委員会で「非常識な発言だ」と認め、「心からおわびを申し上げたい」と述べた。 憲法は、表現の自由、言論の自由を保障している。非公式な会での発言であっても、戦前の言論統制につながるような発言は看過できない。党総裁として首相の陳謝は当然である。 だが、これで政権の表現の自由をめぐる姿勢がどれだけ変わるのか。疑問はぬぐえない。 このところの報道機関への対応を振り返れば、衣の下に鎧(よろい)が見えるからだ。 安倍氏が2012年に首相に返り咲いてから、報道機関への「介入」と受け取れる自民党の振る舞いが相次いでいる。 今年4月には番組での「やらせ」が指摘されたNHKと、コメンテーターの発言が問題視されたテレビ朝日の幹部を呼び出し、事情を聴いた。昨年の衆院選の際には、在京テレビ各局に選挙報道の「公平中立、公正の確保」を求める文書を送った。 「放送の不偏不党、真実及び自律を保障する」ことで、「表現の自由」を守る。そんな放送法の理念に照らして、見識を欠いた行為である。 大西英男氏ら自民党の議員が「マスコミを懲らしめる」「日本の国を過てるような報道をするマスコミには、広告を自粛すべきだと個人的には思う」などとする発言を繰り返しているのは、こうした報道機関に対する「介入」を強めようとする政権の姿勢の反映ではないか。 自民党が、12年の政権復帰前に発表した憲法改正草案を読み返してみよう。 草案は、一切の表現の自由を保障した現憲法に「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動」は「認められない」との例外をつけ加えている。 「法律の範囲内」でしか言論の自由が認められなかった大日本帝国憲法への回帰である。 首相は大西氏らの発言について当初、「私的な勉強会で自由闊達(じゆうかったつ)な議論がある。言論の自由は民主主義の根幹をなすもので、尊重しなければならない」と述べていた。 だが、表現や言論の自由は、権力の介入から守られるべき個人の基本的権利であり、権力者が振りかざすものではない。ましてや、誤った事実認識をもとに他者を誹謗(ひぼう)中傷していい権利では決してない。 首相はきのう「報道の自由を守るのが私たちの責任だ」と語った。今後は、それを行動で示さねばならない。 |
社説:「報道圧力」で陳謝 首相の行動が問われる 毎日新聞 2015年07月04日 安倍晋三首相に近い自民党議員らの勉強会で、報道機関への圧力を求めたり沖縄を侮辱したりする発言が出たことについて、首相が国会で初めて陳謝した。 ただ、安倍政権は、これまでにも報道機関への圧力と受け取られるような言動を繰り返してきた。安全保障関連法案の審議に悪影響を与えないための口先だけのおわびとならないよう、首相は今後の行動で示す必要がある。 安保関連法案を審議する衆院の特別委員会で、首相は、勉強会での発言について「大変遺憾だ。非常識で、国民の信頼を大きく損ねる発言で、看過できない」と述べた。そのうえで「国民に申し訳ない。党の沖縄振興、基地負担軽減への努力を水泡に帰すものであり、大変残念で、沖縄の皆様の気持ちを傷つけたとすれば申し訳ない」と陳謝した。 勉強会から1週間余り。問題の深刻さを考えれば、首相は党総裁としてもっと早く自らの言葉でこうした認識を語るべきだった。遅きに失した感はあるが、陳謝は当然だ。 ただ、今回の陳謝で十分とはとても言えない。勉強会で「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番」と発言した大西英男衆院議員は、党執行部から厳重注意処分を受けたにもかかわらず、3日後には再び同趣旨の発言をし、2度目の厳重注意処分を受けた。 党内にはあきれる声もあるが、大西氏を含む議員4氏の処分が厳し過ぎるという不満もくすぶる。 安倍政権や自民党は、安保関連法案に悪影響が出る事態を招いたことを反省しているだけであって、民主主義の根幹をなす言論の自由、報道の自由を脅かす問題だという本質を理解していないのではないか。一連の経緯は、そんな思いを抱かせる。 いま国会では、国の行方を左右する安保関連法案が審議されている。自衛隊の海外での活動を拡大することの是非の判断を、こういう問題発言をする政治家たちに任せていいのか疑わしい。 沖縄への侮辱的発言についても、首相や党幹部らは「党の基地負担軽減への努力を無にするかのごとき発言」があったことへの反省に力点を置く。政治家として自身が沖縄の歴史や現状をどう認識しているかはあまり伝わってこない。 首相は「言論の自由、報道の自由は、民主主義の根幹をなす。これは一貫した安倍政権、自民党の姿勢であり、その姿勢が疑われるような発言があったことは誠に遺憾だ。今後とも、こうした疑いをもたれることのないよう、しっかりと襟を正していきたい」と述べた。 この言葉を忘れないでほしい。 |
論説:自民「報道圧力」問題 2015年07月01日 佐賀新聞 ◆言論の府預かる資質ない 安倍晋三首相に近い自民党若手国会議員の勉強会で、報道機関へ圧力をかけて言論封殺を探ろうとする発言が相次いだ。安全保障関連法案への理解が広がらない焦りやいらだちが、報道機関への八つ当たりという形で噴出した。言論の府を預かる国会議員として不見識極まりない発言で、稚拙というほかない。 勉強会は、文化人や芸術家との意見交換を通じて「心を打つ『政策芸術』を立案し、実行する知恵と力を習得すること」が目的らしい。9月の総裁選で再選を目指す首相の「応援団」的な位置づけで、首相側近の加藤勝信官房副長官や萩生田光一党総裁特別補佐も初回会合には出席していた。 非公式の勉強会とはいえ、あまりにお粗末な運営だった。講師として招いた作家の百田尚樹氏は、これまでもさまざまな舌禍を起こしてきた人物だ。政権が心血を注ぐ安保法制の国会審議に影響を及ぼす発言が出るかもしれないと想像力を働かせることはできなかったのか。 各議員は報道機関が取材に来ているのを認識していたなら、非公開の場であっても発言が外に出ると自覚すべきだった。与党国会議員の勉強会が「居酒屋での愚痴」レベルの発言に終始したのは笑い話にもならず、その議員に一票を投じた有権者の方が恥ずかしくなる。 何よりも会合での数々の暴言をたしなめる言動がなかったことにあきれる。「マスコミをこらしめるには広告料収入がなくなることが一番。文化人は経団連に働きかけて」と言論統制容認をうかがわせる発言をした当人はもちろん、同席議員も国会議員の資質はない。日本国憲法を一から勉強し直し、言論・表現の自由と民主主義の基本認識を深めることを求めたい。 さらに「沖縄の特殊なメディア構造をつくってしまったのは戦後保守の堕落。左翼勢力に完全に乗っ取られている」との発言は、見当違いも甚だしい。29日付の本紙に掲載された沖縄タイムス、琉球新報の寄稿を読んでほしい。「県民に判断能力がないと見下すに等しい暴論だ。そんなおごりがあったなら、沖縄の新聞はとっくに県民に葬り去られていた」(琉球新報)との反論は、県民の民意に寄り添う報道姿勢を貫いてきた自負にほかならない。 加えて百田氏の発言は、沖縄県民への侮辱以外の何ものでもない。「米軍普天間飛行場は田んぼの中にあった。まわりに行けば商売になると人が住みだした」は全くの事実誤認である。2地元紙が訂正などを求める抗議声明を出したほか、沖縄選出の国会議員や宜野湾市議会も発言の撤回と謝罪を求める声明や決議を出した。百田氏は真摯(しんし)に対応すべきだろう。 近年、自民党による「報道への圧力」と取られかねない動きが目につく。昨年11月の衆院解散前にテレビ局に公正報道を求める文書を出したほか、今年4月には番組出演者が「政権の圧力」に言及したテレビ朝日と、やらせ疑惑が浮上したNHKの幹部を呼び、事情を聴取した。 圧倒的な勢力を背景に「1強」のおごりが組織内に充満していないか。党はもちろん、政府も内部を顧みて姿勢を正すべきだ。(梶原幸司) |
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