みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

安保法案に抗議声明 益川氏ら学者150人が会見/学問は権力の下僕ではない…京大有志の声明、共感広がる

2015-07-21 18:38:34 | ほん/新聞/ニュース
名古屋に用事があったので、
8月の「議員と市民の勉強会」の打ち合わせをかねて、
一泊してきました。

昨日、東京では、「安全保障関連法案に反対する学者の会」に賛同する
大学教授たち約150人が記者会見して、
「安全保障関連法案の衆議院特別委員会と本会議での強行採決に対する抗議声明」を発表しました。

賛同者は学者1万1218人、市民2万2779人。
市民の中には、わたしも入っています。

   安保法案に抗議声明 益川氏ら学者150人が会見  
2015年7月20日 朝日新聞

 「安全保障関連法案に反対する学者の会」に賛同する大学教授ら約150人が20日、東京都内で記者会見し、安保法案に対し「世論調査で反対多数の状況での強行採決は、国民の意思を踏みにじる立憲主義と民主主義の破壊」とする抗議声明を発表した。20日までに会の賛同者は学者1万1218人、市民2万2779人に上ったといい、31日夕には学生らと共同で、集会や国会前での抗議行動をする予定。

 発起人でノーベル物理学賞受賞者の益川敏英・京都大名誉教授は「安倍首相が有事と思えば戦争ができるようになる。立憲主義に真っ向から敵対している」と批判。上野千鶴子・東京大名誉教授は「新国立競技場は市民の声で白紙に戻った。言えば通る。もっと深刻な安保法案も廃案に追い込める」と呼びかけた。

 池内了・名古屋大名誉教授は「科学者の軍事研究への動員が始まっている。安保法案を打ち破り、軍事研究をしない運動を広げたい」と述べた。高山佳奈子・京都大教授は「憲法を無視していいという国際世論はない。憲法に反する安保政策で、ジャーナリストやボランティアら外国にいる日本人への危険は増す」と説いた。(編集委員・北野隆一)
    ◇

「安全保障関連法案に反対する学者の会」が20日に発表した、「安全保障関連法案の衆議院特別委員会と本会議での強行採決に対する抗議声明」の全文は以下の通り。

 7月15日衆議院特別委員会、翌16日本会議で、集団的自衛権の行使を容認することを中心とした違憲性のある安全保障関連法案が強行採決されたことに、私たちは強い怒りをこめて抗議します。

 各種世論調査では、戦争法制としての本質をもつ安全保障関連法案に反対が多数となり、8割を超える大多数が今国会での成立は不必要としていた状況の中での強行採決は、主権者としての国民の意思を踏みにじる立憲主義と民主主義の破壊です。

 首相自身が、法案に対する「国民の理解が進んでいない」ことを認めた直後の委員会採決強行は、現政権が国民世論を無視した独裁政治であることを明確に示しています。

 衆議院憲法審査会で3人の憲法学者全員が安全保障関連法案は「違憲」だとし、全国のほとんどの憲法学者が同じ見解を表明しているにもかかわらず、今回の強行採決が行われたことは、現政権が学問と理性、そして知的な思考そのものを無視していることのあらわれです。

 戦後の日本は憲法9条の下で、対外侵略に対して直接的な関与はしてきませんでした。政府は「安全保障環境の変化」を口実に、武力行使ができる立法を強行しようとしていますが、戦後日本が一貫してきた隣国との対話による外交に基づく信頼関係こそが、脅威を取り除いてきたという事実を見失ってならないと思います。

 私たちが6月15日に表明した見解は、多くの学者、大学人に共有され、いくつもの大学で、学生と教職員が一体となった取り組みが行われました。私たちは参議院での審議を注意深く見定めながら、立憲主義と民主主義を守り、この法案を廃案にするために、国民とともに可能なあらゆる行動を実行します。
 2015年7月20日


 安全保障関連法案に反対する学者の会 HP

ネットで拡散され続けている、「自由と平和のための京大有志の会」の、
メッセージ性の高い声明文も心に響きます。

 学問は権力の下僕ではない…京大有志の声明、共感広がる
2015年7月18日 朝日新聞

 衆院を通過し、審議が参院に移ることになった安全保障関連法案。憲法学者らから「法案は違憲」との指摘を受けながら成立へ突き進む安倍政権に対し、一風変わったメッセージで待ったをかけようとする動きがある。インターネットや口コミを通じ、賛同者がじわり広がっている。

 〈戦争は、防衛を名目に始まる。

 戦争は、兵器産業に富をもたらす。

 戦争は、すぐに制御が効かなくなる。〉

 安保法案の採決が衆院特別委員会で強行された15日の前夜、京都大吉田キャンパス(京都市)の教室で、詩のような声明書が読み上げられた。

 〈戦争は、始めるよりも終えるほうが難しい。

 戦争は、兵士だけでなく、老人や子どもにも災いをもたらす。

 戦争は、人々の四肢だけでなく、心の中にも深い傷を負わせる。〉

 京都大人文科学研究所で准教授を務める藤原辰史(たつし)さん(38)が、ゆっくりと読んでいく。学者、研究者、市民合わせて賛同者が3万人を超えた「安全保障関連法案に反対する学者の会」と学生たちによる緊急シンポジウムの場。約600人の参加者でぎゅうぎゅう詰めになり、熱気が漂う教室が静寂に包まれる。

 〈精神は、操作の対象物ではない。

 生命は、誰かの持ち駒ではない。

 海は、基地に押しつぶされてはならない。

 空は、戦闘機の爆音に消されてはならない。〉

 太平洋戦争が終わってから70年。沖縄の人たちは今も米軍基地と向き合う。集団的自衛権を使い、自衛隊が海外で武力を行使することを認める安保法案は様々な危険性をはらむ。

 〈血を流すことを貢献と考える普通の国よりは、

 知を生み出すことを誇る特殊な国に生きたい。〉

 戦後70年間、憲法9条のもとで戦争を放棄してきた日本。声明書は、こうした姿勢を変えて米国との関係を強化したうえでの「積極的平和主義」を推し進めようとする安倍政権に疑問を投げかける。そして、太平洋戦争で大学が戦争に協力したことへの反省も込め、決意を示す。

 〈学問は、戦争の武器ではない。

 学問は、商売の道具ではない。

 学問は、権力の下僕ではない。

 生きる場所と考える自由を守り、創るために、

 私たちはまず、思い上がった権力にくさびを打ちこまなくてはならない。〉

 藤原さんが1分半ほどかけて読み終えると、教室内に拍手が10秒ほど続いた。
   ■ □ ■

 声明書を作ったのは、今月2日に立ち上がった「自由と平和のための京大有志の会」。ふだんは戦時中の食べ物の歴史を研究する傍ら、安保法案などについて同僚や学生と議論している藤原さんが草稿を書いた。

 ホームページ(http://www.kyotounivfreedom.com/別ウインドウで開きます)に声明書を載せると、ツイッターなどを通じネット空間に拡散。「歴史をふまえた名文」「ハートを撃ち抜かれました」といった書き込みとともに賛同する人も増え、フェイスブックで賛意を示す「いいね!」は1万9千件に達した。北海道や静岡などの集会で声明書を読んだという連絡も寄せられ、藤原さんは「勇気づけられます」と話す。

 教員や留学生には翻訳を買って出る人も。英語、中国語、韓国語、ポーランド語、イタリア語、アラビア語などの声明書ができ、ホームページに載っている。藤原さんは「学者、学生、市民が自由に発想し、議論ができる勉強会を企画していく。市民の目線で戦争の愚かさ、平和や自由の大切さについて考え、その成果を発信していきたい」と話している。(増谷文生)

     ◇

■「自由と平和のための京大有志の会」の声明書(全文)

戦争は、防衛を名目に始まる。

戦争は、兵器産業に富をもたらす。

戦争は、すぐに制御が効かなくなる。


戦争は、始めるよりも終えるほうが難しい。

戦争は、兵士だけでなく、老人や子どもにも災いをもたらす。

戦争は、人々の四肢だけでなく、心の中にも深い傷を負わせる。


精神は、操作の対象物ではない。

生命は、誰かの持ち駒ではない。


海は、基地に押しつぶされてはならない。

空は、戦闘機の爆音に消されてはならない。


血を流すことを貢献と考える普通の国よりは、

知を生み出すことを誇る特殊な国に生きたい。


学問は、戦争の武器ではない。

学問は、商売の道具ではない。

学問は、権力の下僕ではない。


生きる場所と考える自由を守り、創るために、

私たちはまず、思い上がった権力にくさびを打ちこまなくてはならない。


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   安保法案に反対 学者など150人が訴え
2015.7.20 NHK

安全保障関連法案に反対する学者およそ150人が、20日、都内で会見を開き、「法案は憲法9条に違反し、衆議院で採決を強行したことは国民世論を無視するものだ」などと訴えました。

会見を開いたのは、安全保障関連法案に反対するさまざまな分野の学者や研究者、およそ150人です。
会見ではまず、日本学術会議の前の会長で専修大学の廣渡清吾教授が、「総理自身が、法案に対する国民の理解が進んでいないことを認めた直後に、衆議院で採決を強行したことは、国民世論を無視するものだ」などとする抗議声明を読み上げました。
続いて、ノーベル物理学賞を受賞した京都大学の益川敏英名誉教授が、「憲法9条は歴然と生き続けているのに、それをなし崩しにしようとしている。政権が有事だと思ったら戦争ができるというのはとんでもない話で、立憲主義に真っ向から敵対する」と批判しました。
さらに、東京大学の上野千鶴子名誉教授も、「ふだん政治的な行動をしない研究者が、やむにやまれぬ思いで集まったのは画期的なことだ。手遅れにならないうちに行動を起こさなければならない」と述べました。
この学者たちのグループに賛意を表明した学者や研究者は1万人以上に上っているということで、グループは、今月31日には国会前で抗議活動を行うことにしています。


   益川氏ら学者150人 安保法案「廃案」を
2015年7月21日  東京新聞

 大学教授らでつくる「安全保障関連法案に反対する学者の会」が20日、都内で会見した。ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英・京大名誉教授ら約150人が集まり「法案を廃案にするため、あらゆる行動をする」と訴えた。益川氏は「安倍政権はこの法案で、憲法9条をなしくずしにしようとしている」と批判した。

 参院での法案の審議に向け、教育学者の佐藤学・学習院大教授が「学生と共同行動をする」と語ると、学生グループ「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」の奥田愛基(あき)さんも「学者の皆さんと声を上げたい」と応じた。 学者の会は、益川氏や佐藤氏らが発起人となり、6月上旬に発足。20日現在で1万1218人の学者、研究者が賛同人として名を連ねている。会とSEALDsは31日夕、国会周辺で抗議活動をする。



毎日新聞世論調査:内閣支持率急落 安保法案、「説明不十分」82% 政府・与党に焦り
毎日新聞 2015年07月19日 

 毎日新聞の17、18両日の全国世論調査で、安倍内閣の支持率が第2次内閣発足後最低まで下落したことに、政府・与党が焦りを強めている。世論の懸念が強い安全保障関連法案を衆院で採決強行したことへの反発が背景だ。今後も戦後70年談話や原発再稼働、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉など難しい政治課題が山積している。関連法案には「説明が不十分」との回答がなお82%に上っており、参院審議に影響を与えそうだ。【村尾哲、真下信幸】

 自民党の谷垣禎一幹事長は18日、東京都内で記者団に「若干の支持率低下は覚悟していたが、かなり落ちている。(関連法案に)理解を求める丁寧な姿勢が求められる」と語った。

 安倍晋三首相は17日、建設費が高騰した新国立競技場の建設計画を「白紙で見直す」と表明したが、支持率低下は止まらなかった。自民幹部は「見直しの効果は1カ月も持たない。国民の多くが安倍政権の『おごり』を感じており、妙案が浮かばない」と表情を曇らせた。自民中堅議員は「今後はTPPも逆風だ。新国立見直しは当然の話に過ぎない」と語った。

 関連法案の「説明が不十分」だとしたのは、自民支持層で64%、公明支持層で8割強に上る。自民中堅議員は「参院でも『理解が得られなくても通す』という強硬姿勢ならば、付ける薬がなくなる」と一層の民意の離反を懸念。石破茂地方創生担当相は18日、鳥取市内で「有権者の前に出て訴えるのが自民党の姿勢だ」とさらに丁寧な説明が必要との考えを示した。

 一方、野党各党は世論を後押しに、参院で対決姿勢を強める考えだ。民主党の枝野幸男幹事長は東京都内で記者団に「審議すればするほど、国民の思いは首相から離れていっている。立憲主義と民主主義を守る闘いに全力を挙げる」と発言。維新の党の松野頼久代表も「(支持率30%台は)危険水域だ。国民も政権が暴走していることが分かってきた」と述べた。

 共産党の山下芳生書記局長は取材に対し「国民の怒りの表れだ」と強調。志位和夫委員長は講演で「圧倒的な世論で安倍政権を追い詰めれば、採決不能に追い込める」と訴えた。

 政党支持率は、自民が第2次安倍内閣発足後最低の28%、民主は10%で2012年末の政権転落以来初めて2ケタ台を回復した。自民幹部が危機感を強める一方、民主中堅議員は「関連法案への対決姿勢にプラス評価があるのではないか」と語った。

 ◇「新国立」建設、政府対応 「問題あった」8割
 今回の緊急全国世論調査では、2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の建設計画についても尋ねた。今回の調査は、安倍晋三首相が17日午後に計画をゼロベースで見直す考えを表明する前に開始したため、これに対する評価は聞けなかったが、計画通りに建設する方針をいったん決めた政府の対応に「問題があった」との回答は82%を占めた。

 「問題はなかった」は7%にとどまった。安倍内閣支持層でも「問題があった」は71%、「問題はなかった」は14%だった。これまでの政府の対応への批判は根強く、首相の見直し方針でそうした世論を鎮めるのは難しそうだ。2520億円に膨らんだ建設費用を減らすために、計画を「見直すべきだ」は88%に上った。見直しを求める世論の高まりが政府の方針転換につながったとみられる。

 ◇首相70年談話、謝罪必要49%
 安倍首相が8月に発表する予定の戦後70年談話に、過去の「植民地支配と侵略」に対する「反省とおわび」を「盛り込むべきだ」という回答は49%、「盛り込む必要はない」は36%だった。

 安倍内閣支持層では「盛り込む必要はない」が53%と半数を超えたが、「盛り込むべきだ」も33%あった。不支持層では「盛り込むべきだ」63%、「盛り込む必要はない」25%だった。

 自民支持層は「盛り込む必要はない」52%、「盛り込むべきだ」33%。今回の結果からは、首相を支える層でも、談話の文言に配慮すべきだという意見が一定程度あることがうかがえる。【今村茜】

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ママバッグでお産を支援 日赤がウガンダに衛生用品配布(稲熊美樹)/国会前デモ 街頭のデモクラシーよ

2015-07-20 11:24:35 | ほん/新聞/ニュース
中日新聞の生活面、7月17日の稲熊美樹さんの記事です。

他の地方に住んでる人が、中日新聞を目にして、
とってもいい新聞、と言ってくれたのが、
わがことのようにうれしかったです。

  ママバッグでお産を支援 日赤がウガンダに衛生用品配布
2015年7月17日 中日新聞

 内戦で混乱が続いたアフリカ東部のウガンダで、日赤が出産前後の母子を支援する活動を続けている。現地の赤十字社と連携し、妊婦健診の受診を促し、出産時に最低限必要な衛生用品を詰め合わせた「ママバッグ」を二万個以上配布。清潔で安全なお産で、母親と赤ちゃんの命を守っている。

 「狭い部屋に五人の妊婦がおり、中には床に寝ている人もいて驚いた」。昨年三月、同国北部アムル県などを訪れた名古屋第二赤十字病院(名古屋市昭和区)看護師の山田則子さん(42)は、保健所(日本の医療機関に当たる)の設備の不備に目を丸くした。

 救いだったのは、ママバッグに入っていたビニールシートを下に敷いて分娩していたこと。「役だって良かったと感じた」と振り返る。

 山田さんが現地に滞在したのは二〇一四年三月から一年間と、今年五月から一カ月半の計二回。首都カンパラのアパートに住み、同国赤十字社に通って物資調達の支援をしたり、車で七~九時間かけて田舎に行き、すでに配ったママバッグがどのように使われているのか確認したりした。

 ママバッグには、止血用綿花や滅菌済み手袋、せっけん、ビニールシート、清潔なタオルなど九品目が入れられている。

 このうち、かみそりと臍帯(さいたい)を結ぶひもは、へその緒をしばって切り離すために使用。タオルは赤ちゃんの体をふいたり、寒いときには体を包むこともできる。軟こうは赤ちゃんの目に塗り、クラミジアなどに感染するのを防ぐ。

 日本円で一セット二千円。現地の農家の月収とほぼ同じ高価なものだ。山田さんは「アフリカの女性にとって出産は命がけ。ママバッグが安全に出産できる一助になれば」と話す。

◆助産師介助 死亡率が低下
 ウガンダは、一九八〇年代から二十年以上続いた内戦の影響で、今も難民キャンプで暮らす人がいる。人口は、日赤がママバッグを配っている北部二県で約四十万人。同国の合計特殊出生率は六人(日本は一・四二人)近い。

 しかし妊産婦死亡率は日本の六十倍。死亡の主な原因は、出産時の出血による失血死や感染症、高血圧などの妊娠中毒症だ。こうした症状は、適切な医療処置が施されれば助かる可能性が高い。妊娠中毒症は妊婦健診で発見できる。

 現地ではこれまで医療従事者ではない人がお産に携わってきた。日赤は二〇一〇年から、保健所での妊婦健診を四回以上受診し、保健所で出産した妊婦にママバッグを贈り、医師や助産師らがかかわって出産する環境づくりをしてきた。

 助産師が付き添う出産は、一〇年には29%だったが、一二年には62%に上昇。人口十万人当たりの妊産婦死亡率は四百三十五人(一〇年)から三百六十人(一三年)に下がるなど、ママバッグの効果が表れているという。
 (稲熊美樹) 


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後半の社説も、中日新聞です。

  社説:国会前デモ 街頭のデモクラシーよ
2015年7月18日 中日新聞

 安保法制に反対する若者たちが国会前に集まっている。憲法に違反し、「戦争できる国」へと暴走する政治に黙ってはいられない。同じ思いで集うデモは民主主義の表現手段である。耳を傾けよう。

 「憲法守れ! 勝手に決めるな! 国民なめんな!」

 マイクを握った若者に合わせ、激しいコールが響き渡る。プラカードを掲げ、声をからし、深夜まで沿道に人波があふれる。

 国会前のデモは、学生グループ「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」などがツイッターやフェイスブックなどで呼びかけ、法案審議が始まった五月から行動してきた。

 二十代が多いが、年上の世代とも連携する。参加者は毎回増え、衆院の特別委員会で強行可決された十五日の夜には、主催者発表で十万人にまで膨れ上がった。

 同じような思いを共有した人が国会前だけでなく、全国各地で行動を起こしている。

 四年前の福島原発事故の後、デモに参加することは市民にとって当たり前の行動となってきた。

 今、各地で行動を起こしている若者はまさに、おかしいことにはおかしいと言う、異議申し立ての手段だという感覚を持ちあわせている人が少なくない。それが行動につながる。

 原発再稼働も、特定秘密保護法も、反対する世論をまるで無視するように強行されている。

 貧困と格差が広がる中で、若者の暮らしは追い詰められている。

 ブラック企業やブラックバイトに象徴されるように、違法、脱法、長時間、低賃金の労働がはびこる。安保法案ができて、日本が他国の戦争に加担する国になったとき、だれが自衛隊に入るのか。だれが戦地に向かうのか。

 奨学金の返還に苦しむ学生の中では「自衛隊で何年か働けば、学費免除になるような制度ができるのではないか」という不安が、現実味を帯びて語られてもいる。そういう不安を考えてほしい、というのだ。

 たくさんの異論があってこそ、民主主義は成り立つし、よりよい答えを導くはずだ。

 法案の審議は参院に移る。

 日本の将来を率いる若者の叫びにじっくり耳を傾けてはどうか。

 「民意は国会の中でなく、外にある」と若者は力強く言った。

 国会前にこれだけ多くの若者が集まるのは、聞く耳を持たない政権への危機感の表れである。 



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「アベ政治を許さない!!」/反「安保」:拡大 全国で一斉抗議/29都道府県・110 カ所でデモ

2015-07-19 21:46:40 | ほん/新聞/ニュース
昨日7月18日の午後1時、全国一斉で
「アベ政治を許さない」と記したポスターを掲げた。

名古屋市でも、市政資料館の前で、上野千鶴子さんや
WANメンバーがポスターを掲げました。

この記事は、きょうの毎日新聞の社会面に写真入りで大きく載っていました。


2015年7月19日 毎日新聞

 反「安保」拡大 29都道府県・110 カ所でデモ
毎日新聞 2015年07月19日

 安全保障関連法案に反対して作家の澤地久枝さん(84)らが呼びかけた安倍政権に対する抗議行動が18日、全国各地であり、「アベ政治を許さない」と記したポスターを午後1時ごろに一斉に掲げた。主催したスタッフは「全国各地の1000カ所前後で実施されたと見込まれる」と話している。

 澤地さんの提案にジャーナリストの鳥越俊太郎さん(75)、作家の落合恵子さん(70)らが賛同。俳人の金子兜太(とうた)さん(95)が書いたポスターをインターネットのサイトに掲載し、それぞれが印刷して持ち寄った。

 メイン会場の国会前には澤地さん、落合さん、鳥越さんらも駆けつけ、主催者発表で5000人以上が集まった。時折小雨が降る中、参加者はポスターを一斉に掲げて「安倍政治を許さない」とシュプレヒコールをあげた。

 壇上に立った澤地さんは「政治を変えるのは(政権に)反対する人たちが手をつなぐ時だ」と呼びかけた。落合さんが「平和の破壊を私たちは許さない。2015年7月を新しい一歩にしよう」と語りかけると、講談師の神田香織さんは「新国立競技場の建設案だけでなく、安保法案も撤回すべきだ」と訴えた。最後に鳥越さんが「我々が心を一つに連帯し、声を上げることが国会を動かすことになる」と締めくくった。

 東海地方でも、名古屋、津、岐阜市などの各地で市民が一斉抗議に加わった。
 名古屋市東区の市政資料館前には約100人が集まり「戦争反対、憲法守れ」などと声を合わせ、午後1時にポスターを掲げた。講演で同市に来ていた上野千鶴子・東京大名誉教授は「今怒らないで、いつ怒るの。このまま法案が通れば、子どもたちに顔向けができない」と訴えた。抗議行動の世話役を務めたNPO参画プラネットの渋谷典子代表理事は「声を上げることで社会は変わる」と話した。
 愛知県知立市の大型スーパー前では、約60人が道路両側の歩道に並び、「安倍NO」などと訴えた。同県安城市の農業、柴田祐三さん(72)は「安保法案が成立すれば、日本は太平洋戦争の過ちを繰り返す」と強調。
 知立市の主婦、山口信子さん(70)は「このままでは、今年までが『戦前』なりかねにい」と話した。 


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毎日新聞は、全国版でも大きく報じていました。

  反「安保」:拡大 全国で一斉抗議「アベ政治を許さない」 
毎日新聞 2015年07月18日

 安全保障関連法案に反対して作家の澤地久枝さん(84)らが呼びかけた安倍政権に対する抗議行動が18日、全国各地であり、「アベ政治を許さない」と記したポスターを午後1時ごろに一斉に掲げた。主催したスタッフは「全国各地の1000カ所前後で実施されたと見込まれる」と話している。

 澤地さんの提案にジャーナリストの鳥越俊太郎さん(75)、作家の落合恵子さん(70)らが賛同。俳人の金子兜太(とうた)さん(95)が書いたポスターをインターネットのサイトに掲載し、それぞれが印刷して持ち寄った。

 メイン会場の国会前には澤地さん、落合さん、鳥越さんらも駆けつけ、主催者発表で5000人以上が集まった。時折小雨が降る中、参加者はポスターを一斉に掲げて「安倍政治を許さない」とシュプレヒコールをあげた。

 壇上に立った澤地さんは「政治を変えるのは(政権に)反対する人たちが手をつなぐ時だ」と呼びかけた。落合さんが「平和の破壊を私たちは許さない。2015年7月を新しい一歩にしよう」と語りかけると、講談師の神田香織さんは「新国立競技場の建設案だけでなく、安保法案も撤回すべきだ」と訴えた。最後に鳥越さんが「我々が心を一つに連帯し、声を上げることが国会を動かすことになる」と締めくくった。

 東京都杉並区の男性(65)は「傍観者じゃいられないと思い、初めて抗議行動に参加した。安倍政権は安保法案が違憲だと言われても耳を貸さない」と話し、東京都江東区の女性会社員(58)は「一緒になって立憲主義を覆す政治をやめさせたい」と語った。

 名古屋市東区では市政資料館前に市民約100人が集まり「戦争反対、憲法守れ」などと声を合わせ、午後1時にポスターを一斉に掲げた。講演で同市に来ていた上野千鶴子・東京大名誉教授は「今怒らないで、いつ怒るの。このまま法案が通れば、子どもたちに顔向けができない」と訴えた。

 福岡市中央区では、終戦間際に旧満州(現中国東北部)に渡った満蒙(まんもう)開拓団の苦難を描いた映画「望郷の鐘 満蒙開拓団の落日」の上映会後、観客約150人がポスターを掲げた。主催者がポスターを配って賛同を呼びかけた。観客の川添緋砂子さん(79)は「戦争が起これば市民はみな苦しめられる。戦争につながりかねない安保法案に強く反対しているので、抗議行動で意思表示ができてよかった」と話した。

 大阪市北区の扇町公園では、安全保障関連法案の廃案を求める弁護士らが呼びかけた集会があり、約1万1000人(主催者発表)が参加した。「憲法9条をいかす壮大な運動を巻き起こす」との決議を採択し、周辺の約2キロをデモ行進した。【一條優太、花岡洋二、川上珠実、山口朋辰】


きょうの夕ご飯は、なす尽くし。
わたしがつくったのは、マーボーナス。

つれあいは、長ナスで焼きナスをつくりました。

とろりと溶けておいしかったです。

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<空き家を生かす!!>人口対策兼ね、新しい助成制度(白井康彦)/水なしトマトシチュー

2015-07-18 22:16:29 | ほん/新聞/ニュース
中日新聞生活面のシリーズ<空き家を生かす!!>、
7月16日は白井康彦さんの記事です。

空き家対策に補助金を出している自治体の具体的な例が書いてあって、
同じような状況の自治体や市民派議員にも参考になります。

こうした助成制度を設けている自治体は、関東や中部に多いとのことで、
知っている自治体もけっこうありますね。

  <空き家を生かす!!> 人口対策兼ね、新しい助成制度
2015年7月16日 中日新聞

 増え続ける空き家の活用を促そうと、各地の地方自治体が助成制度を設けている。空き家の改修や解体の費用を補助する自治体が目立つが、前橋市は今月から人口対策を兼ねたユニークな助成事業に着手。注目を集めている。

 「最初の一週間だけで、問い合わせは六十件ほど」。前橋市建築住宅課の持田一浩課長補佐(48)は、こう話す。「広報まえばし」の表紙に制度のイラスト=写真=を載せるなど、積極的にアピールしたところ、大きな反響があった。

 市は本年度、空き家の補修や解体の費用の一部を補助する事業に着手。予算額は二億円と、全国の地方自治体が実施する空き家対策でも異例の規模だ。持田さんは「二〇一三年の調査では、市内の空き家率は15・9%と、全国平均の13・5%を上回っている。他の県庁所在地と比べても、かなり厳しい状況」と、事業実施の背景を説明する。

 制度の概要はこうだ。個人の所有者や購入者が空き家を改修する場合、工事費の三分の一を上限に、百万円まで補助を受けられる。子どもが親の家から一キロ以内に住む近居や二世代同居などで空き家を改修したり、取り壊して建て替えたりする場合は、通常の補助金百万円に二十万円が上乗せされる。

 老朽化が進んだ家屋の取り壊しも支援する。耐震基準が改定された一九八一(昭和五十六)年五月以前に建てられた家を解体する場合は十万円を助成。その跡地に住宅を建てると四十万円が加算される。

 さらに、転入人口の獲得や子育て世代の支援も空き家対策と合わせて行う。改修するのが市外からの転入者なら、家族四人まで一人につき二十万円を支給。中学生以下の子どもがいる世帯が改修すると、該当する年齢の子ども四人まで一人当たり十万円を助成する。空き家を改修して住む夫婦がともに三十九歳以下なら、夫婦で計十万円が受け取れる。助成の総額は、一世帯で最大三百万円となる。

 転入者への加算や二世代の近居、同居の優遇は、人口対策の意味合いも。持田さんは「二世代近居や同居は、介護や子育てで支え合える利点もある。職員のアイデアを制度にした」と胸を張る。

 このほか、空き家を学生の共同住宅や地域の集会所などにする場合、改修に二百万円まで補助することにしている。

◆関東、中部地方で広がる
 空き家対策のこうした補助金は、空き家の目立つ自治体を中心に広がり始めている。群馬県では高崎市が昨年から実施。関東地方では、千葉県鎌ケ谷市、神奈川県海老名市などでも実施している。中部地方では、愛知県南知多町、岐阜県恵那市、静岡県南伊豆町、長野県茅野市、福井市、石川県珠洲市などが制度を設けている。

 自治体が空き家を紹介する「空き家バンク」の登録物件を対象にしている自治体が多い。南知多町は補助金の上限額は最大三十万円としているが、「昨年度は十五件の実績があった」(地域振興課)という。

 空き家対策の補助金は利用者には魅力的だが、一部の自治体には「補助競争」となるとの懸念もある。ある自治体の担当者は「自治体が競い合って補助金制度を設けるようになると、金額を大きくしないとアピールできない」と話している。
(白井康彦)


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ネットショップのナチュラルハーベストに注文していた、
ハーブ類の種が届きました。
ちょっとめずらしいイタリアやフランスの種です。

つれあいがルッコラの種を探していたので、
ついでに、いまから蒔けるバジルやマーシュの種も注文。

日本で売っているハーブの種は、種類も少ないし、
少ししか入ってなくて高いのですが、
直輸入なので、一袋500円ほどで量も多くてリーズナブルです。

梅雨に入ると、雨に弱いトマトの木が枯れていくので、
また青い実を取ってきました。

ミンチと青トマトと、

赤玉ねぎも、炒めながら順番に入れていき、



ルクルーゼのホーロー鍋で、ふたをして15分ほど。
水をまったく入れないトマトシチューです。

数本あったナスも入れて、

野菜がとろっと柔らかくなったら、
さいごに、シチューのルーを入れて出来上がり。

毎日、青トマトと夏野菜の水なしカレーやシチューを食べています。

おかずは、北海道みやげのシマホッケ。

アタマと尾びれを切らないと、
グリルに入らないほどの特大です。

1歳と3歳の子どもたちを2泊3日で預かっています。

朝5時頃起きてくるので、3食のご飯とおやつをたべさせ、
起きているときは、遊びに付き合い、
お昼寝中と夜寝てからだけが自分の時間、
という、子育て中のあわただしさを思い出す日々。

仕事するより疲れます(笑)。

子どもたちが寝ついたので、やっとPCをオンにして、
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民主主義の岐路に立って 安保法案、衆院通過/参院へ―怒りと疑問にこたえよ/

2015-07-17 15:53:37 | ほん/新聞/ニュース
高島屋のデパ地下の魚屋さんで、
ワカサギに似ためずらしい魚を見つけました。
北海道産の「チカ」です。
ワカサギは淡水魚ですが、チカは海で取れるワカサギの仲間です。

から揚げかおいしいとのことなので。
片栗粉を薄くつけて、から揚げにしました。
味はワカサギに似て上品で淡泊、ワカサギより一回り大きいので、
ホクホクでもっちりした感じで美味です。


こめ油と片栗粉が余ったので、
ついでに、長ナスもから揚げにしました。

昨日のこったカニは実をほぐして、
カニ殻でとった出汁で、かき玉蟹スープに。

ごはんにかければ、ぜいたくな蟹ぞうすいです。


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ところで、
安保法案が衆議院本会議で可決され、
衆議院を通過してしまいました。

まだ9月まで、参議院の審議があり
法案は成立してないので、あきらめないで、
反対の声をあげていこうと思います。

以下は、今朝の新聞各社の社説です。

  社説:民主主義の岐路に立って 安保法案、衆院通過 
2015年7月17日 中日新聞

 主権者である国民の多数が反対する法案がなぜ、衆院を通過してしまうのか。戦後七十年の節目の今年、私たち日本の民主主義は岐路に立たされている。

 憲法学者の多くが「憲法違反」と指摘する安全保障法制関連法案が衆院特別委で強行可決された十五日夜、国会正門前は法案に反対する人たちで埋め尽くされた。

 人の波は深夜になっても途絶えず、主催者発表の参加者数は十万人にまで膨れ上がった。法案が衆院を通過したきのう夜も、国会周辺には多くの人が集まり、安保法案反対の声が響いた。

 法案に反対する集まりは、名古屋、札幌など日本全国に広がる。

反対の大きなうねり
 石破茂地方創生担当相はかつて自民党幹事長時代、国会周辺で繰り広げられた、特定秘密保護法や原発再稼働に反対するデモ活動を「テロ行為」と同一視して、批判したことがある。

 その石破氏ですら、全国で反対デモが続く安保法案について「国民の理解は、まだ進んでいるとは言えない」と認めざるを得ないほど、この法案は異常さが際立つ。

 デモで示された安保法案への反対は、民意の巨大なうねりの一端にすぎない。

 共同通信社が六月下旬に実施した全国電話世論調査によると、安保法案に「反対」との回答は58・7%で、五月の前回調査から11・1ポイント上昇した。法案の今国会成立に「反対」との答えも63・1%で、前回より8ポイントも増えている。

 安保法案は、審議を重ねれば重ねるほど矛盾や欠陥が露呈した。衆院憲法審査会で参考人の憲法学者全員が「違憲」と主張したことを契機に、法案の合憲性に対する国民の疑念も一気に膨らんだ。

 時がたつにつれ、法案そのものや、今国会での成立に反対する意見が増えるのも当然だろう。

「白紙委任」ではない
 しかし、安倍晋三首相や法案を提出した安倍内閣、今国会成立を急ぐ自民、公明両党はいずれも、そうした国民の声を聞き入れようとせず、野党が反対する中、特別委や本会議で採決に踏み切った。

 自民、公明両党は二〇一二、一四年衆院選と一三年参院選で勝利した。その数の力を背景に、反対論を封じ、選挙で選ばれた自分たちの判断こそ、正しいと言わんばかりの態度だ。

 確かに、有権者にとって選挙は政治家や政党、政策を選択する最大の機会ではある。国民の負託をより多く受けた与党の国会議員が政策決定の主導権を握るのは、議会制民主主義としては当然だ。

 とはいえ、有権者は選挙で「白紙委任」をしたわけではない。それぞれが政治家や政党を選びながらも、熟議を通じてよりよい政策をつくり上げてほしい、というのが国民の率直な願いのはずだ。

 選挙ですべてが決まるのなら、議会で議論する意味はなくなり、議員は多数決マシンと化す。

 ましてや、憲法九条に基づく平和主義、専守防衛など戦後日本が守り抜いてきた憲法の理念や、憲法が権力を律する立憲主義に関わる問題では慎重な議論が必要だ。

 国民が、政府や国会の振る舞いをおかしいと思えば声を上げるのは当然であり、政治家が謙虚に耳を傾けることこそが、健全な民主主義の在り方ではないのか。

 にもかかわらず、自民党から聞こえてくるのは、安保法案を批判する報道機関の広告料収入をなくして「懲らしめる」などという威圧的な発言であり、沖縄県の地元新聞社をつぶせという作家に反論しない議員たちの姿である。

 言論の自由を定めた憲法を守れない自民党議員に、憲法や法律を語る資格はない。

 より深刻なことは、首相自身に戦後日本の平和主義や専守防衛、立憲主義を深刻な危機に陥れている、との自覚がないことだろう。

 海外での武力の行使に道を開く集団的自衛権の行使を認めたにもかかわらず、平和国家の歩みや専守防衛に変わりないと言い放ち、最高法規である憲法の解釈を恣意(しい)的に変更しても、立憲主義に反しないと強弁する。

 それは、戦後日本が目指してきた民主主義のあるべき姿や指導者像とは程遠いのではないか。

声を出し続ける覚悟
 安保法案の衆院通過を受けて、論戦の舞台は参院に移る。法案をこのまま成立させれば、安倍政権の誤った民主主義観を追認することにもなる。重大な岐路である。

 日本の民主主義が誤った方向に進まないようにするのは、主権者である国民の崇高な役割だ。おかしいと思ったことには国民自身が覚悟を持って声を出し続けなければ、権力は暴走を自ら止めることはないだろう。

 政治の決定権を、国民から遊離した権力から、国民自身に取り戻す。戦後七十年。正念場である。 


  社説:法案 参院へ―怒りと疑問にこたえよ
2015年7月17日 朝日新聞

 「勝手に決めるな」

 「国民なめるな」

 世代や党派を超えた重層的な抗議のコールが連日、国会周辺の空気を震わせている。

 「これが民主主義か」という疑問。「主権者は私たちだ」という怒り。それらを大いに喚起しつつ傲然(ごうぜん)と振り払い、自民、公明の与党はきのう、安全保障関連法案を衆院通過させた。強行しても「国民は忘れる」。安倍政権のこの侮りを、主権者は決して忘れないだろう。

 論戦の舞台は参院に移る。
 「良識の府」「再考の府」。参院はまがりなりにもそう称されてきた。衆院の「数の政治」に対して「理の政治」。国会をより慎重に動かす。そんな役割を本来は担っている。

 解散がなく、6年という長い任期が保障されているのも、衆院議員とは異なる目線と射程の長さで、ものごとを多元的に検討することが企図されている。様々な価値観や異なる意見のせめぎ合いから導かれた結論の方が、間違いが少ないからだ。

 ところが安倍政権下、まさにその多元性が押しつぶされそうになっている。

 集団的自衛権は行使できないとしてきた内閣法制局を、人事を通じて我がものとする。首相の「お仲間」で固めた私的懇談会が「行使容認」の報告書を出す。メディアを威圧しようとする自民党の動きも続く。

 多元性の確保が存在意義のひとつである参院であればこそ、安倍政権の「数の政治」に追従すれば、自殺行為になる。くすぶる不要論にまた根拠が加わるだろう。

 議論すべきことは山ほどある。大多数の憲法学者の「違憲」の指摘に、政府は全く反論できていない。どんな場合に集団的自衛権を行使できるのか、安倍首相は「総合的判断」と繰り返すばかりで、要は時の政権に白紙委任しろということかと、不安は高まる一方だ。

 学者、学生、法曹界、無党派市民。各界各層、各地に抗議の動きが広がり続ける背景には、安保法案への賛否を超えて、この国の民主主義、立憲主義がこのままでは壊されてしまうとの危機感がある。

 そもそも、この違憲の可能性が極めて高い法案を審議するのは、最高裁に「違憲状態」と指摘された選挙制度によって選ばれ、その是正にすらまごついている人たちなのだ。

 あなたたちは何を代表しているのか? この問いに少しでも答えたいなら「理の政治」を打ち立てるしかない。主権者は注意深く、疑いの目で見ている。 


  社説:安保転換を問う 衆院本会議可決
毎日新聞 2015年07月17日

 ◇国民は納得していない 
 民意と国会との隔たりはここに極まった感がある。

 国民の反対は強まっているのに、国民の代表で構成しているはずの衆院は、与党の賛成多数で安全保障関連法案を可決した。

 衆院本会議場には、7カ月前に安倍晋三首相自身の命名による「アベノミクス選挙」で当選してきた圧倒的多数の与党議員がいた。票に色はついていないのだから、国民からもらった力を何に使おうと勝手という理屈なのだろう。

 ◇自衛隊の基盤は信頼だ
 人間に特有の人柄があるのと同じように、国家にも歩んできた歴史に基づく国柄と呼ぶべきものがある。防衛政策の面で見れば、戦後日本の国柄とは、国際協調を重んじ、軍事的には極めて抑制的に振る舞うことであった。

 安保関連法案には、こうした国柄の抜本的な変更を迫る内容が数多く盛り込まれている。集団的自衛権の行使容認と、対米軍支援の世界的拡大がその中核だ。

 政府は「日本を取り巻く安全保障環境の悪化に対応する必要がある」と繰り返す。「もはや一国だけでは平和を守れない」とも言う。

 国際情勢の変化には無論注意を払わなければならない。多国間のネットワークで自国の安全保障を考えていく姿勢も大事だろう。

 しかし、防衛政策の実行にあたる自衛隊は物理的に強大な力を持つ。判断を誤った場合にもたらされる国内外への悪影響は、一般の政策とはレベルが違う。したがって、自衛隊の活動は民主的に統制され、かつ国民の幅広い同意に基づいている必要がある。

 国民の信頼なくして防衛政策は成り立たない。これが70年前、無謀な戦争に負けて、平和国家として再出発した日本の基本であろう。

 ところが、安倍首相はその柱である憲法9条の解釈を変更し、集団的自衛権を「行使可」に切り替えた。過去40年以上も「行使不可」の見解を維持してきた内閣法制局の長官人事にまで手を突っ込む、強引なやり方だった。

 集団的自衛権とは、他国防衛を意味する。他国を防衛することによって間接的に自国防衛に資することを期待する。国連憲章で認められている考え方だが、同時に日本が国際紛争の当事国になるリスクを招き寄せてしまう可能性もある。

 だからこそ、憲法9条の下で集団的自衛権の行使は容認できない、という従来の政府見解は、国民の常識的な感覚に合致したものだった。

 もしも、行使に道をひらきたいのであれば、憲法の条文改正で解決されるべきテーマである。

 その意味で、安倍内閣が採用した憲法解釈の変更は、行政の裁量権を逸脱している。内閣が超法規的な存在であってはならない。

 一時の多数派の意向で安易に変えるべきではないのが国柄であろう。安保法案に対して多くの国民が納得できない原因もここにある。

 ◇憲法の安心感取り戻せ
 内閣府が今年1月に実施した「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」によると、自衛隊に対して「良い印象を持っている」との回答は、「どちらかといえば」を含めて92.2%に上った。

 1991年に67.5%だったプラス印象の回答割合は、ほぼ一貫して上向いてきた。国の組織としては異例の高さだ。災害出動などを通して自衛隊員の献身的な姿を国民が見ていることに加え、自衛隊の抑制的な姿勢が支持されているからだろう。

 自衛隊の活動は民主的に選ばれた政府が責任を負う。しかし、政府の判断に国民の多くが同意できないのであれば、自衛隊の活動基盤は弱まる。安倍政権の性急で独善的な姿勢が、基盤を弱める方向に作用していることを認識すべきだ。

 国民の信頼をつなぎ留めるには、まず憲法に示された原則が守られているという安心感を回復させることが必要だ。憲法違反が濃厚な法案を成立させてはならない。

 そのうえで成立させるべき法案を、主要な与野党間で共有でき、かつ多くの国民が納得できるものに絞り込むべきだ。

 「切れ目のない対応」を旗印に、安倍政権が多くの内容を詰め込んだ結果、衆院の法案審議は完全に消化不良に陥った。日本有事から地球規模での対米支援、国際貢献まで広範囲に及ぶ11本もの法案を束ねて審議するのは乱暴過ぎる。

 安保法案は参院に送られた。安倍政権は仮に参院が採決しない場合でも、60日たてば否決したとみなして衆院で再議決する「60日ルール」の適用を視野に入れている。

 しかし、参院の役割とは本来、衆院段階での行き過ぎを改め、足らざる部分を補うことにある。

 衆院の与党議員が力任せに可決した法案を追認するだけなら、参院の存在意義に疑問符がつく。今こそ独自性を発揮すべきである。


  



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「都市問題」公開講座ブックレット34『自治体議会は必要か?』(後藤・安田記念東京都市研究所)

2015-07-16 21:51:11 | 市民運動/市民自治/政治
2月に開催された「都市問題」公開講座、
『自治体議会は必要か?』のブックレットが10冊届きました。

わたしも「パネルディスカッション」のひとりとして登場。
発言記録を校正したので、いつ刊行されるのかな、
と楽しみにしていました。


『自治体議会は必要か?』(後藤・安田記念東京都市研究所)


  (34)自治体議会は必要か?

2015年7月1日 A5判,72頁,定価500円(税込)/本体463円

「都市問題」公開講座ブックレット34
第40回「都市問題」公開講座
自治体議会は必要か?

目 次
●基調講演...............................................................2
自治体議会がなかったなら何が起こるのか
金井利之 東京大学法学部・大学院法学政治学研究科教授
●パネルディスカッション..........................................20
パネリスト 
寺町みどり  「女性を議会に 無党派・市民派ネットワーク」事務局
中本美智子  大阪府吹田市議会議員
根本 良一  前福島県矢祭町長
東野 真和  朝日新聞編集委員(前大槌駐在)
山口 二郎  法政大学法学部教授(司会)


一冊500円です。
関心のある方は、よかったらお読みになってください。

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本文中の写真をクリックすると拡大します。

今日は可児市の花木センターまで、
これから蒔く種を買いに行ってきました。

帰ってきたら、北海道に旅に出ていたまどくんたちが、
お土産をもってきてくれました。

わたしが大好きな毛ガニが二杯と、
ともちゃんには、ホッケと紅かまです。

夜は、毛ガニをもくもくと食べました。

北海道限定のお菓子は、明日いただくことにしましょう。

北海道といえば、トウモロコシ。

これは寺町畑でとれた無農薬トウモロコシです。


そうそう、花木センター近くの湯の華温泉にもよってお風呂に入り、、
平打ち麺と、アイスパラダイスも食べました。

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安保法案 衆院委で可決 反対民意の中 強行/「違憲」法案―採決に反対する

2015-07-15 20:48:57 | ほん/新聞/ニュース
きょうのお昼、衆院の特別委員会で安全保障関連法案が強行採決された。

怒り心頭に発する、とはこのことだ。

わたしは、数の力を頼んで民意を無視した、安倍政権の暴挙と傲慢を許さない。

わたしは、決してあきらめない。

わたしは、NOと言いつづけようと、こころに刻んだ一日だった。

  安保法案 衆院委で可決 反対民意の中 強行
2015年7月15日 東京新聞 

 他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする政府の安全保障関連法案は十五日午後の衆院特別委員会で、自民、公明両党の賛成で可決された。民主、維新、共産の野党三党は強行だと抗議して採決に加わらなかった。安保法案に対し、憲法学者から「違憲」との指摘が続出するなど、各界各層に反対の声が広がる中、安倍政権は今国会中の成立を目指す姿勢を鮮明に打ち出した。

 特別委は同日午前、安倍晋三首相が出席して締めくくり質疑を行い、与野党が質問。続いて野党側が審議の継続を求める動議を提出したが、賛成少数で否決され、浜田靖一委員長(自民)が質疑終局を宣言。野党議員が委員長席に詰め寄って抗議する中、維新案、政府案の順で採決した。維新の対案二本は賛成少数で否決された。野党三党は席に着かず、浜田氏に抗議を続けたが、政府案は与党単独で可決された。民主、維新両党が共同提出した領域警備法案は採決しなかった。

 首相は採決前の質疑で、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱にした安保法案について「まだ国民の理解が進んでいないのも事実だ」と認めた。「批判に耳を傾けつつ、確固たる信念があればしっかり政策を進めていく必要がある」とも強調した。

 民主党の長妻昭代表代行は「説明が尽くされたと思っているのか。国民の理解が得られていない中、強行採決は到底認められない」と訴えた。

 特別委に先立ち、自民、公明両党の幹事長は都内で会談し、安保法案を十六日の衆院本会議で可決し、参院に送付する方針を確認した。

 参院では法案を審議する特別委の設置に野党が同意しておらず、早期の審議入りは難しい情勢。与党は、衆院通過後に六十日が経過しても参院が採決しない場合、憲法の規定に基づき衆院が三分の二以上の賛成で再可決、成立させる可能性も排除しない姿勢を示し、参院に審議を促す考えだ。

◆世論説得 自信のなさ露呈
<解説> 与党は十五日午後、安全保障関連法案に関する衆院特別委員会で採決強行に踏み切った。五月末から一カ月半にわたるこれまでの審議では、政府側の説明の矛盾やあいまいさが際だった。審議を進めるほどに世論の疑念が深まる中での採決は、拙速との批判を免れない。説明を尽くしても、国民の理解を得る自信がないと認めているに等しい。

 法案の最大の問題点は、どんな状況になれば、他国を武力で守る集団的自衛権を行使するのか不明確なこと。歴代政権が憲法解釈で禁じてきた集団的自衛権を行使する判断について、安倍晋三首相の答弁は「私に任せてほしい」と言っているようにしか聞こえない。大半の憲法学者が「違憲立法」と批判する理由はここにある。

 首相は審議の序盤では、「他国の領土、領海、領空で戦闘行為を行わない」と強調。他国での武力行使は中東・ホルムズ海峡の機雷掃海以外に「念頭にない」と明言していた。ところが、近隣国の領海で米艦が攻撃を受けた際の対応について野党から追及されると、集団的自衛権を行使する可能性を排除しなかった。

 首相は、敵国の意図が不明でも集団的自衛権行使に踏み切る可能性にも言及。政府の裁量次第で行使の範囲が広がる懸念は、審議を重ねるごとに強まった。

 そんな状況で採決したのは、世論の反対がこれ以上強まる前に採決してしまえという姿勢にほかならない。首相は安保法案を閣議決定した五月十四日の記者会見で「分かりやすく丁寧に、必要な法整備であることを審議を通じ説明していきたい」と強調した。自身の発言の意味を、今こそかみしめるべきだ。 (新開浩)
(東京新聞)


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  社説:「違憲」安保法制 「理解せよ」と迫る傲慢
2015年7月15日 中日新聞

 憲法違反と指摘される安全保障法制関連法案を理解しろと言われても、そもそも無理な話だ。安倍政権は、国民の理解が深まったとして採決を強行しようとするが、あまりにも傲慢(ごうまん)ではないのか。

 審議時間は百時間を超え、中央公聴会で与野党がそれぞれ推薦した有識者から意見も聞いた。安倍内閣が提出した安全保障法制関連法案の今国会成立を目指す与党としては、委員会採決の環境が整ったということなのだろう。

 衆院特別委員会は理事会で、安保法案の締めくくり総括質疑と採決をきょう行うことを、委員長職権で決めた。与党側は、早ければ十六日の衆院本会議で法案を可決し、参院に送付したい考えのようだ。

 安倍晋三首相(自民党総裁)は十三日の党役員会で「私も丁寧に説明してきて理解が進んできたと思う」、菅義偉官房長官もきのう「いつまでもダラダラとやるべきでない。決めるときには決めることが必要だ」と述べた。

 しかし、報道各社の世論調査を見ると、首相が述べたように「理解が進んできた」とは言い難い。

 共同通信社が六月下旬に行った全国電話世論調査によると、安保法案が「憲法に違反していると思う」との答えは56・7%に上る。法案に「反対」は五月の前回調査から11・1ポイント上昇して58・7%、今国会成立に「反対」も8ポイント増の63・1%に達する。

 今月に入って報道各社が相次いで行った世論調査でも、同じ傾向の調査結果が出ている。

 歴代内閣が憲法違反としてきた集団的自衛権の行使に一転、道を開き、海外で戦闘に巻き込まれる危険性を高めるなど、戦後日本の専守防衛政策を根本から変質させる安保法案である。

 憲法学者の多くが違憲と断じたにもかかわらず、法案を合憲だとして押し切ろうとする政府・与党と、「違憲」立法を認めない国民との乖離(かいり)は広がるばかりだ。

 閣内からはようやく「国民の理解は世論調査の通り、まだ進んでいるとは言えない」(石破茂地方創生担当相)「世論調査などを見ると、説明が十分だという理解は進んでいない」(塩崎恭久厚生労働相)との意見が出始めた。

 遅きに失した感はあるが、閣内から採決強行への慎重論が出た今こそ、法案撤回・廃案の潮時ではないか。法案への国民の理解が進まないのは、説明が足りないからではない。理解しがたい内容だからだと警鐘を鳴らしておきたい。 


 社説:「違憲」法案―採決に反対する
2015年7月15日(水)付 朝日新聞

 安倍政権はきょう、衆院の特別委員会で安全保障関連法案の採決に踏み切る。

 法案に対する国民の目は厳しく、理解は広がっていない。

 法案は憲法違反であり、反対だ。安倍首相の国民への説明は丁寧ではなく、今の国会で成立させる必要はない――。

 朝日新聞社の最新の世論調査に表れた、幅広い国民の意見である。

 審議時間が100時間を超えたというのに、閣僚からさえ、「国民の理解が進んできたと言い切る自信がない」(石破地方創生相)という声がきのうも公然とあがる始末だ。

 先月の衆院憲法審査会で憲法学者3人が「違憲」と指摘して以来、多数の憲法学者や広範な分野の有識者らを含め、集団的自衛権の行使を認めた関連法案は「違憲だ」との批判は広がり続けている。

 審議時間を費やしても費やしても理解は広がらない。逆に審議を重ねれば重ねるほど疑問が膨らんでいく。なぜなのか。

 最大の理由は、法案に根本的な欠陥があるからだ。

 1972年の政府見解をもとに、これまでの歴代内閣は「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」、つまり違憲であるとの立場をとってきた。

 安倍政権はそれを昨年の憲法解釈の変更で「許容される」へと百八十度ひっくり返した。

 論理的な整合性を欠くだけではない。憲法が権力を縛るという立憲主義に反し、憲法をはじめとする法体系の安定性を失わせる暴挙と言わざるを得ない。

 首相がいくら「憲法学者の責任と私たちの責任は違う」と言い募っても、多数の専門家や国民の理解を得ずに法案を押し通すことが、立憲主義の観点からも許されるはずがない。

 法案審議の過程では、集団的自衛権がどんな場合に行使できるのか、極めてあいまいなことも明らかになった。

 首相は具体的な事例について「総合的に判断する」「例示がすべてではない」などと繰り返し、詳細に語ることは「敵国に手の内をさらすことになる」などと拒み続けている。

 これでは憲法で厳しく制限されてきた武力行使に絡む政府の裁量の余地、拡大解釈の余地が広がるばかりである。

 日本周辺の領域警備に関する民主党と維新の党の対案の審議も、まったく不十分だ。

 異論に耳を傾けようとせず、疑問に答えようとしないまま、審議時間が積み上がったからと採決に突き進む。

 そんな採決に反対する。 


  社説:安保転換を問う きょう採決 歴史に責任負えるのか 
毎日新聞 2015年07月15日 

 安全保障関連法案をめぐり国会が重大な局面を迎えている。衆院平和安全法制特別委員会の浜田靖一委員長は15日に採決に踏み切ることを職権で決めた。反発する野党側と与党の対立が強まっている。
 審議すればするほど法案への疑問が深まる中での採決方針だが、有力閣僚からさえ国民の理解を危ぶむ声がこの段階で出ている。安倍晋三首相はこの事態をどう受け止めるのか。とても採決の機が熟した状況とは言えまい。

 重い指摘である。石破茂地方創生担当相は14日の記者会見で各種世論調査を引き合いに「国民理解が進んできたと言い切れる自信がない」と語った。

 毎日新聞の世論調査では81%が法案の「説明が不十分」だと答えている。法案の採決が迫る中で、石破氏はあえて、そんな状況を率直に認めたといえる。

 自民党前幹事長で安保政策通で知られる石破氏から国民理解への懸念が示された。にもかかわらず、政府・与党からは採決の機は熟したとの発言が相次ぐ。首相は「私も丁寧に説明し、理解は進んできた」と語り、菅義偉官房長官は「いつまでもだらだらやるべきではない」と言う。

 谷垣禎一幹事長は「賛成と反対の視点が固まっていれば、(審議は)同じことの繰り返しになる」と語った。もはや説明は無意味だと言わんばかりである。だが、本当は石破氏の発言通り、政権全体が「自信がない」まま、成立ありきで進もうとしているのではないか。

 衆院での審議時間の目安を80時間とし、110時間を超えたことで採決を正当化するような与党内の理屈も根拠に乏しい。「80時間説」は国連平和維持活動(PKO)協力法の87時間を念頭に置いたものだが、今回は40年以上続いた憲法解釈を変更し、憲法学者の大半が違憲と指摘する法案だ。しかも2法案のうち一つは10法の改正案をたばねたものだ。他の法案と同列には論じられない。

 与党は野党で対案を提出した維新の党と2度目の修正協議を行ったが物別れに終わった。野党と一致点を真剣に探るのであれば、野党案も衆院で徹底審議すべきだった。

 与党が採決を急ぐ一方で、法案成立に反対する声も広がっている。14日夕に東京・日比谷で行われた反対集会は大勢の人たちで埋め尽くされた。地方議会も14日現在で405通の法案に関する意見書を採択したが、大半は法案に反対したり、慎重審議を求めたりする内容である。

 首相は歴史に責任を負えるのか。国会に汚点を残してはならない。


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生煮えの安保法制―衆院採決は容認できない/「安保」公聴会 違憲の指摘なぜ顧みぬ

2015-07-14 19:15:14 | ほん/新聞/ニュース
早生ミョウガが、たくさんとれはじめました。

プックリしているのはつぼみの部分、花ミョウガとも呼ばれます。

形の良いものは、甘酢漬けにしましょう。

長く伸びたし具の部分と、大きすぎるもの、
ふくらんでいなくて堅そうなのは、
薄切りにして、炒め煮に。

最後に花かつおを入れて、火を止めれば、
香りのよい常備菜となります。
生のミョウガは辛くて苦手なのですが、
煮物にしたり、甘酢につけたものは食べられます。

甘酢漬けは、一日たてば、おいしくいただけます。

野菜の種と苗を見に出かけたついでに、
フランボワーズに立ち寄りました。

お目当ては、ソフトクリームとシェフのおまかせ3種盛り 500円。
この前、朝に行ったとき、シェフのおまかせは11時からと言われたので、
お腹を空かせてお昼に行きました。

ちょっと足りなかったので、買い物に行ったマーサの
丸亀製麺で、かけうどん(温と冷)を食べました。

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安保法案が大詰め。
内閣支持率の時事と不支持が逆転したので、
あせる安倍政権は、衆院特別委員会で強行採決するつもりのようです。

暴挙!!と言わざるを得ません。

反対の包囲網はかくじつに狭まっていて、
きょうの新聞各社は、明確に反対の社説を掲げています。

  社説:生煮えの安保法制―衆院採決は容認できない
2015年7月14日 朝日新聞

 安全保障関連法案を審議する衆院特別委員会は中央公聴会を終え、いつ採決するか、与野党の攻防が激しくなっている。

 しかし、法案への国民の理解はいっこうに広がっていない。

 朝日新聞社の最新の世論調査によると、今国会で法案を成立させる「必要がある」という人は19%で、「必要はない」は66%。安倍首相による法案の説明が「丁寧ではない」という人は67%で、「丁寧」の15%を大きく上回った。

 「決めるべき時は決める」と首相はいう。だが、多くの憲法学者や内閣法制局長官OB、幅広い分野の有識者や市民団体が「憲法違反」の法案に対し、反対の声をあげ続けている。

 国民の理解が深まらない中での採決に同意することはできない。憲法論だけでなく、日本の安全をどう守っていくかの観点からも、国会での議論は多くの根本的な論点を積み残していると考えるからだ。

■憲法を外交に生かす
 一連の法案の、安全保障上の最大の目的は何か。

 米国のパワーが相対的に低下しつつある分を、自衛隊の支援によって補う。それにより、台頭する中国との軍事バランスを保つという考え方だろう。

 日中関係は確かに一筋縄ではいかない。

 だが冷戦期のソ連と異なり、中国は明確な「敵」ではない。米中は、そして日本も、経済を中心に相互依存関係にある。

 これからの日本は、中国といかに向き合うのか。この根源的な問いに答える議論が、十分になされたとは言い難い。

 何より懸念されるのは、日中の偶発的な軍事衝突がエスカレートし、拡大する事態だ。

 日米を軸とした防衛協力の信頼性を高めること。外交的に無用の摩擦を避けること。軍事的に具体的な危機管理策を整えること。それぞれに重要だ。

 そのうえで、さらに大事なことは、日中の両国民が一定の信頼感を保つことである。首脳同士がなかなか会えない現状を改めることこそ、互いの国民が安心感をもつ第一歩だ。

 戦後70年の節目の年である。韓国との関係も含め、日本の政治指導者の歴史認識をめぐる疑念が、周辺国との安全保障に影響を及ぼす負のサイクルは終わらせる必要がある。

 だからこそ、日本国憲法を日本の外交戦略の重要なツールとしたい。侵略と植民地支配の反省を踏まえ、専守防衛に徹する国際約束の意味を持つからだ。

■国力に応じた道筋を
安全保障上、日本ができることには限りがある。

 米国が期待する南シナ海での自衛隊の活動拡大に踏み込むとなれば、日本は財政的、人的負担に耐えられるのか。肝心の日本自身の安全は守れるのか。

 人口減少、少子高齢化、巨額の財政赤字という日本の国力の現状とどう折り合えるか、ここでも国会の議論は足りない。

 南シナ海を「対立の海」にしてはならない。シーレーン防衛は本来、国際社会として取り組む課題だ。長期的には、日米豪、東南アジア諸国連合(ASEAN)、さらに中国も加える形で協力しなければ安定した地域秩序は築けない。

 そのために日本がどんな役割を果たすべきなのか。聞きたいのはそんな本質的な議論だ。

 11本もの法案を一度に通そうとする手法が、大事な論点を見えにくくしている面もある。

 中東ホルムズ海峡の機雷掃海が焦点になる一方で、尖閣を想定したグレーゾーン事態の議論は、民主党と維新の党の対案提出で緒に就いたばかり。

 海上保安庁では対応できない場合、どうするのか。自衛隊の行動を広げることが、中国との軍事的衝突へと発展する危険はないのか。日本を守るという意味で重要な論点なのに、議論はまったく生煮えのままだ。

■平和国家日本として
 国際貢献のあり方も議論が乏しい。国連平和維持活動(PKO)については、武器使用基準を実情に応じて見直すなど検討していい点もあろう。

 一方で、近年はPKOの活動が危険度を増しているうえに、法案は他国軍や民間人を助ける「駆けつけ警護」や巡回、検問など危険な任務を可能とする内容だ。現場の実情を踏まえた議論がここでも欠けている。

 戦後70年の歩みの延長線に、「平和国家日本」のブランドをどのように発展させるか。それが、日本がいま大事にすべき大きなテーマである。

 難民支援や感染症対策、きめ細かな貧困対策、紛争調停などに注力してこそ、国際社会での日本の信頼につながる。

 中東で武力行使をしないできた日本に対し、「平和国家」として一定の評価があることは、米国とは違う貢献をなしうる可能性を示している。

 違憲の疑いが濃いだけではない。安全保障の観点からも、数々の重要な論点を置き去りにした採決は決して容認できない。 


  社説:「安保」公聴会 違憲の指摘なぜ顧みぬ
2015年7月14日 中日新聞

 衆院特別委員会の中央公聴会では、政府提出の安全保障法制関連法案は憲法違反、との指摘が公述人から相次いだ。政府・与党はなぜ合憲性に対する疑義を顧みず、採決に踏み切ろうとするのか。

 安倍政権にとっては単なる通過儀礼にすぎないのだろうか。

 安保法案を審議する衆院平和安全法制特別委員会がきのう開いた中央公聴会では、五人の公述人が法案について意見を述べた。

 法案採決の前提とされる中央公聴会を終えたことで、与党側は早ければ十五日に特別委で、十六日に衆院本会議で法案を可決し、参院に送付したい考えなのだろう。

 安保法案は、歴代内閣が違憲としてきた集団的自衛権の行使に一転、道を開き、海外で戦闘に巻き込まれる危険性も高めるなど、戦後日本の専守防衛政策を根本から変質させる内容である。

 公聴会では与党推薦の二人が国際情勢の変化を理由に法案に賛成の旨を述べたが、野党推薦の三人は「歯止めのない集団的自衛権行使につながりかねない」(小沢隆一東京慈恵医大教授)「集団的自衛権行使が必要なら改憲手続きを踏むべきだ」(木村草太首都大学東京准教授)「専守防衛を逸脱する」(山口二郎法政大教授)とそろって法案の違憲性を指摘した。

 法律が憲法に適合するか否か最終判断するのは最高裁だが、憲法学者ら専門家の多くが違憲と指摘している事実は軽視し得まい。国権の最高機関の場で公述人が述べた意見を真摯(しんし)に受け止めようとしないのなら公聴会無視に等しい。

 専門家に限らず、法案に対する国民の目は厳しい。法案は違憲であり、政府側の説明も不十分で、今国会で成立させるべきでない、というのが、報道各社の世論調査に表れた国民多数の意見である。

 安保法案の審議時間は百時間を超え、菅義偉官房長官は記者会見で「維新の党の対案も出され、論点がだいぶ整理されてきている」と週内の採決に期待感を示した。

 しかし、これだけ審議時間を重ねても違憲の疑いを払拭(ふっしょく)するには至っていないのが現実だ。

 法案の必要性や妥当性についても、国民が納得できる説明をできないのは、この法案自体に欠陥があるからではないのか。

 「違憲」「欠陥」法案の採決を中央公聴会が済んだからといって強行すれば、政治に対する国民の信頼を著しく損なう。政府・与党が今、決断すべきは採決強行でなく、法案の撤回、廃案である。


 社説:安保転換を問う 衆院審議
毎日新聞 2015年07月14日

 ◇国民無視の採決するな
 安倍政権は、安全保障関連法案を週内に衆院の特別委員会で採決しようとしている。審議時間が100時間を超えて議論が尽くされたとしているが、単に時間が積み上がっただけで、内容は乏しい。審議が進むほど問題点が明らかになっており、採決の段階には至っていない。

 憲法学者による指摘がきっかけとなって、集団的自衛権の行使を認めた関連法案は憲法違反との批判が、国民の幅広い層に広がっている。

 同じ1972年の政府見解を用いながら、集団的自衛権の行使は「許されない」との結論を、安全保障環境の変化を理由に「許容される」へひっくり返した憲法解釈の変更は、論理的整合性がとれておらず、政府の裁量の範囲を超えている。

 政府によるこんな恣意(しい)的な憲法解釈の変更を認めることは、憲法は権力を縛るものだという立憲主義に反する。国の土台である憲法への国民の信頼は失われかねない。こうした国民の懸念に対し、政府は説得力を伴う説明ができていない。

 毎日新聞の今月初めの世論調査では、関連法案への反対は6割近くに達し、国民への説明が不十分との声は8割を超えた。審議が進むに従って反対が増えており、各種世論調査で同様の傾向が見られる。

 政府が「限定容認」だから憲法上許されるとしている点についても、歯止めはかからず、限定にならないことが浮き彫りになっている。

 我が国の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある「存立危機事態」に、集団的自衛権の行使が許されるという要件は、極めてあいまいだ。

 野党が追及しても、政府は最後には「情報を総合し、客観的、合理的に判断する」と繰り返す。政府による拡大解釈がいくらでも可能だ。

 政府は昨年7月、集団的自衛権の行使容認を閣議決定したが、その後、沖縄県知事選などへの影響を考えて関連法案を国会に提出しなかった。法案が提出されて審議が始まったのは、閣議決定から1年近くたった5月26日になってからだ。

 それからわずか1カ月半で採決しようというのは、あまりに乱暴だ。民主党と維新の党の対案は、先週、国会に提出されたばかりである。

 国民の理解が進まず、むしろ反対が強まっているのに、法案採決の前提とされる中央公聴会が13日開かれ、採決日程が取りざたされている。

 反対論がこれ以上、高まらないうちに採決しようというのが、政府・与党の本音ではないのか。国民を置き去りにしたまま採決することは、到底、認められない。<
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蚊の発生防ぐ環境を デング熱/虫よけ剤ディート-子どもへの使用は要注意/谷汲ユリ園に行きました

2015-07-13 16:29:31 | ほん/新聞/ニュース
毎年7月に行っている谷汲ユリ園。
7月になると、透かしユリなどの早生から最盛期のユリは
ほとんど終わっていて、遅咲きのオリエンタル系のユリが残っているだけ。
新聞などにも紹介されるのですが、数年前から葉に病気が目立ちます。

毎年この時期に谷汲に行くのは、プレゼント用のカサブランカを仕入れるため。
このユリ園のユリではありません(笑)。

いま目立つのは、赤いオリエンタル百合。


園内には、たくさんの種類のユリが植えてあるようですが、
 
いま咲いているのは、数種類です。


  

  

百合の仲間ではいちばん遅咲きの
カサブランカはまだつぼみ固し


やりは大きな杉の樹林の下に植えてあり、
百合の周りには、ガクアジサイの群生。
 
ガクアジサイも盛りを過ぎていました。

 ゆり散策ロード


そうそう、昨日漬けた青トマト。

ちょっと早いのですが、酸味があって爽やかなトマトの香りも残っていて、
シャキシャキとした食感です。

つれあいは、ピクルス風に入れた千鳥酢の酸味が気になるようなので、
ちょっと蜂蜜を入れたら、おいしくなりました。

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谷汲ユリ園には、手製のハーブの虫よけを塗っていかなかったので、
ブトや蚊がよってきて、うっとおしかった。

紫外線防御のために、長袖、長ズボン、
顔をすっぽり覆うマスクと深い帽子、といういでたちだったので刺されなかったけれど、
今年の夏も、デング熱を感染させるヤブ蚊のことが話題になりはじめている。

ここ数日で、朝日新聞と中日新聞などが、
蚊よけ対策の虫よけ剤のことをのせていた。

どの新聞も「ディートを含む虫よけ剤」を、
蚊に刺されないすばらしい製品、のよう推奨して書いてあったけれど、
「ディート」が、蚊に刺されやすい小さな子には、危険な薬物であることは
ちゃんと説明されていない。

中日新聞には、小さな子に使える場合の回数がさらりと書いてあるけれど・・・。

  蚊の発生防ぐ環境を デング熱  
2015年7月10日 中日新聞

 昨年、約七十年ぶりに国内感染が確認された蚊の媒介による「デング熱」。今年も流行が懸念され、子どもを外で遊ばせる際には虫よけ対策が欠かせない。蚊を発生させない環境づくりのため、水がたまりやすい容器を公園や庭に放置しないよう、自治体が呼び掛けている。

◆虫よけ対策しっかりと
 デング熱は昨年八月末に国内感染が約七十年ぶりに確認された。国立感染症研究所によると、感染者は昨年十月末までに百六十人。東京が百五人と最多で、静岡や大阪でも感染が確認された。今夏も海外からウイルスが持ち込まれ、感染が広がる恐れがある。

 東京慈恵医大(東京都港区)熱帯医学講座の嘉糠洋陸(かぬかひろたか)教授によると、デング熱ウイルスは「ヒトスジシマカ」などの蚊が媒介して広がる。感染すると三~七日間の潜伏期間の後に三八~四〇度の熱が出て、頭痛や関節痛、発疹なども伴う。通常は一週間前後で回復するが、まれに出血などを伴って重症化する。

 人を刺すのは産卵期のメスで、卵の栄養源として人の血液を吸う。蚊は人の吐く息から出る二酸化炭素や、体温、汗などに反応して人を感知する。

 虫よけ成分のうち、西アフリカなどで蚊の採取経験を持つ嘉糠教授のおすすめは「ディート」だ。嘉糠教授は、「数百匹の蚊がいる箱の中に、ディートを塗った手を入れても刺されにくい」と話す。

 ディートを含む虫よけ剤は、医薬品(濃度12%)と医薬部外品(同10%以下)が薬局で販売されている。ただし六カ月未満の乳児には使用できず、六カ月以上二歳未満は一日一回、二歳以上十二歳未満は一日一~三回の使用容量を守る。

 杉並堀ノ内クリニック(東京都)小児科の粂川(くめかわ)好男院長は、子どもを公園などで遊ばせる際は、長袖長ズボンの着用をすすめる。虫よけ剤は「首の横」「二の腕の外側」「ひざの裏」「くるぶし」は塗り残しやすいので注意。目の周囲は避ける。
 刺された痕をかきむしると傷口から細菌に感染し、とびひになることも。粂川院長は「刺された痕が腫れたり熱を持ったりしている場合は、皮膚科か小児科を受診した方がいい」と話す。

◆雨水がたまる容器放置しない
 蚊は水たまりに卵を産み付ける。発生を防ぐため、雨水がたまる容器などを庭や公園に放置しないことが重要だ。

 蚊の生態に詳しい東京都豊島区池袋保健所生活衛生課の矢口昇さん(64)によると、蚊は水面に一回数十~二百個の卵を産む。幼虫のボウフラ、さなぎは一~二週間水の中で生息。成虫は草むらなど日の当たらない場所を好む。寿命は一カ月ほど。遊具やバケツ、ビニールシートのたるみ、墓地の手おけなどには水がたまりやすい。容器は雨水がたまらないように逆さにし、遊具用のタイヤには水を逃す切れ目を入れるといい。

 名古屋市はデング熱対策として六~七月を蚊の防除運動期間に設定。ボウフラを発生させないために、空き缶や空き瓶などを放置しないよう呼び掛けている。
(細川暁子) 


  お出かけ時の蚊対策 耳、二の腕裏…塗り残し注意 
2015年7月12日 朝日新聞

 いよいよ夏本番。キャンプに花火大会、お出かけの機会が増え、蚊に刺されることが多くなります。昨夏にはデング熱の国内感染もありました。外出時、どうやって蚊から身を守ればよいのでしょうか?

 小児科医の粂川(くめかわ)好男医師は「蚊に刺されると、デング熱などの感染症にかからなくても、子どもによっては大きく腫れることも。小さな子は特に虫刺され予防が大事です」。

 どうすれば蚊に刺されなくてすむのか。薬店には様々な蚊よけ製品が並び、どれを買うか迷う。「長袖長ズボンなら刺されにくいが、夏は暑い。薄着の場合、肌が露出した部分に蚊よけ剤を塗ることが一番効果的」

 塗るタイプの製品には、国が医薬品として承認した虫よけ成分「ディート」が使われていることが多い。蚊の感覚器を狂わせ、人から出る二酸化炭素を感知できなくする。蚊にとってディートを塗った人は「透明人間」になる。だが、塗りムラがあると、蚊はそこを狙ってくる。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 虫よけ新時代…着る!貼る!塗る!(2015年7月7日 読売新聞)

ディートの危険性や副作用は、有機農業や環境問題にかかわっている人や、
ちょっと薬品や農薬のことなどに詳しい人なら、周知のこと。

厚労省や国民生活センターも、わざわざ注意書きを出している。

わたしは、市販の虫よけ剤のほとんどに「ディート」が入っているので、
外仕事の多いつれあいや、遊びに来る小さな子どもたちのために、
蚊や虫が嫌うハーブを数滴ずつブレンドして、水で薄めて
安全な手作り虫よけスプレーをせっせと作っている。

 手づくり虫よけスプレー~虫除け効果のあるレモンングラスやユーカリ+無添加「手づくり化粧水」

これは、副作用もなく効果抜群、
何より、人間には心地よいさわやかな香りで、
子どもたちも喜んで使っている。

「デング熱」も怖いけれど、ディートもかなり怖い。

こん重篤な副作用もある、ということも、ちゃんと調べて書いてほしいですね。

ディート(ジエチルトルアミド) 昆虫忌避剤
ディート(ジエチルトルアミド)は安全であると一般に信じられているが、重度の神経障害や皮膚炎などを起こすことが知られている。
直接皮膚に使用する薬物であるので、製品の注意書きを守ることや、着衣の下に使用しないなどの注意が必要である。
湾岸戦争症候群の原因物質の一つとしてディートは疑われており、ディートは他の農薬などと同時に使用すると、単独の化学物質が起こすより、重度の神経障害を招くことが知られている。ディートを使用する場合、他の薬物に被ばくしない注意が必要である。
カナダでは厳しく規制することになった。


  虫よけ剤-子供への使用について-   
国民生活センター

目的
 虫刺され防止のため、直接肌に付ける「虫よけ剤」には忌避成分としてディートが配合されている。ディートは一般的には毒性が低いとされているが、まれに体への影響があると報告されている。しかし、日本で販売されている商品には、具体的な使用方法や使用量、使用上限量の表示がほとんどみられないので、商品中の忌避成分の量や使用時の肌への付着量、付着の様子などを調べた。また消費者アンケートとメーカー等への調査を行った。

結果
•消費者アンケートでは、約9割が「虫よけ剤」を使用した経験がある。また、子供については約6割が2歳未満から使用していたほか、屋外で遊ぶ際は9割以上が使用していた
•医薬部外品のディート濃度は、銘柄間で差が大きく医薬品に近いものもあった。しかし、医薬部外品のほとんどにディート濃度を示す表示がなかった
•商品タイプで付着の様子に特徴があり、エアゾールタイプは付着効率が悪く、粒子も小さいため、吸入することが考えられた
•モニターテストの結果、使用量は人によって差があったため、付着ディート量がメーカーの想定値を下回る場合と、高い頻度で使い続けるときに注意が必要である場合も見られた
•パッケージに乳幼児、子供のイラストや、「赤ちゃん、乳幼児、小児にも安心」の表示があったが、メーカー等への調査では、乳幼児は「使用を控えた方がよい」との回答もみられた

消費者へのアドバイス
•特に乳幼児等は「虫よけ剤」を習慣的に使用するのではなく、必要な場合に限り使用する
•エアゾールタイプは付着効率が悪く粒子の吸入が考えられるので、子供への使用は一旦手にとるなどの工夫をしたほうがよい。また、テスト結果を参考にし、より安全に使用できるようタイプの特徴を考慮して選ぶとよい
•乳幼児にはより安全に使用するため、手や顔への使用を控えるとともに、長袖、長ズボンの着用などで露出部を少なくするなどの工夫も考える
•医薬部外品のディートの濃度は銘柄による差があり、中には医薬品に近いものもみられたので、医薬部外品であっても医薬品と同様に使用量などの取扱いに注意しよう
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中2男子の自殺 SOSを阻んだものは/優しい子、奪われた笑顔…父いじめ解明誓う

2015-07-12 20:22:42 | ほん/新聞/ニュース
梅雨の中休み。
カッと照りつける太陽で、気温はぐんぐん上がります。
その成果、畑のトマトの木が一本枯れてしまったので、
ともちゃんが引き抜いたトマトについていた、
未熟な青トマトを全部持ってきました。

熟すと黄色いトマトです。
全部で4キロありました。

うーん、この青トマトをどうして食べようか・・・
と思案して、くしぎりにして、青トマトの浅漬けを作ることにしました。

青トマトは、ピクルスでもおいしいので、
白キムチの素と千鳥酢を少々。

混ぜ合わせてから、重しをして漬け込みました。

ひとばん待てば、食べられるとのこと。
楽しみーです。

少し傷んだピーマンがあったので、
イベリコ豚ソーセージとピーマンの玄米ドリアをつくりました。

ふふ、おいしい!

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ところで、岩手県内の中学校で、
いじめによって自殺するという、いたましい事件が起きました。

報じられている学校の対応を読むと・・・とても他人事とは思えません。

  社説:中2男子の自殺 SOSを阻んだものは 
毎日新聞 2015年07月12日

 岩手県矢巾町(やはばちょう)の鉄道で中学2年の村松亮(りょう)さんが自ら命を絶った。

 亮さんは学校でいじめられ、暴力を振るわれた。担任教師と交わす「生活記録ノート」でつらさを繰り返し訴え、死も示唆していた。

 その「SOS」は担任のところでとどまり、情報を共有できなかったと学校側は言う。学校もいじめ防止対策組織が事態把握に機能せず、調査の手抜かりも指摘されている。

 だが、問題はそこにのみあったのだろうか。「課題の抱え込み」や「言い出しにくい」風土も横たわっていないか。深く掘り下げ、徹底した検証が必要だ。

 相次いだ深刻ないじめ事件を受け、2013年に施行された「いじめ防止対策推進法」は、早期発見と連携した対応を主眼にしている。

 子供が孤立無援のまま追い詰められないよう、学校に対策組織の常設を義務づけ、情報を共有し、場合によって警察との連携も求めた。

 しかし、教師個人が抱え込んでしまう傾向がなかなか改まらない。

 例えば、東京都教育委員会の昨年の調査では、公立の小中高校で、いじめに学校の対策組織が取り組んだケースは20〜25%にすぎない。多くは担任が個別に対応していた。

 全体で情報共有しにくいいじめ問題の背景には、いじめ発生が、学校や教師のマイナス評価になるという受け止め方もあるといわれる。

 このため文部科学省は12年、いじめを早くに見いだし、隠さずに対応した学校をむしろ高く評価するよう都道府県教委に通知もしている。

 しかし、そうした考え方が徹底されているか。文科省の集計では、13年度に全国の学校で認知されたいじめは18万6000件近くに上るが、地域で発生度合いに大きな差異があり、とらえ方のばらつきを映しているようだ。今回の中学校も、いじめはないことになっていた。

 担務が多岐にわたり、教師が多忙な実情も見る必要がある。

 文科相の諮問機関、中央教育審議会は、多様化する学校の課題に対応するため、福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーなど幅広いスタッフも連携して当たる「チーム学校」構想を打ち出している。いじめはそうした対応が最も必要な課題の一つである。期待したい。

 だが、その大前提は、いうまでもなく、学校も地域社会も含め、いじめに対し「傍観者」にならないことだ。亮さんは「生活記録ノート」に<誰一人いない世界に一人ぼっちになったようなかんじ>と書いた。

 13歳の少年が抱いた孤立無援の絶望感を改めて思い、「SOS」に反応できなかった痛恨の教訓を、着実に生かしたい。


  岩手中2自殺:優しい子、奪われた笑顔…父いじめ解明誓う
毎日新聞 2015年07月12日

担任教師との連絡ノートにいじめを訴える書き込みをしていた岩手県矢巾(やはば)町立中学2年、村松亮さん(13)が列車に飛び込んで自殺したとみられる事故から、12日で1週間がたつ。町教育委員会は10日、「いじめが自殺の一因と言わざるを得ない」と謝罪した。同級生らによると、村松さんは屈託のない笑みを見せる、友だち思いの優しい少年だった。「あの笑顔をもう一度見たい……」。父親(40)は目頭をぬぐった。【二村祐士朗】

 趣味は携帯型ゲームで、小学校の卒業アルバムのプロフィルにはゲームのキャラクターを描いた。パソコンクラブのほか、清掃活動やペットボトルのふたの回収など赤十字の慈善活動をする委員会に所属。クラスの「大変身しそうな人ランキング」で2位だった。

 「仕事やアルバイト合うもの見つけろ、無いんだったら父の手伝いをしてやれ。そうすれば、父は喜ぶんじゃないか?きっと」。「20才のオレへ」と題した小学校の卒業文集の一節に、親思いの一面がにじむ。

 中学では運動部に入った。ほぼ毎日ある練習を休まず、熱心に取り組んだ。英語は好きな科目の一つで、担任との連絡ノート「生活記録ノート」に「あしたが英語の日とかんがえるとワクワクしてきました」と記していた。

 同級生の女子生徒によると、自分が昨夏、落ち込んでいると「無理に言わなくていいけど、僕で良かったらいつでも話、聞くよ」と村松さんが声を掛けてきたという。別の友人も「自分が暗いとき、いつも積極的に近寄ってきて声を掛けてくれた。元気をもらった」と明かす。

 ただ、中学校に進んでからの村松さんは、家庭で「学校で悪口を言われる」「ちょっかいを出される」とこぼすようになった。父親は「優しすぎて、男としてもっと強く育ってほしいと思うあまり、厳しく接したこともあった」と言う。

 村松さんは連絡ノートで、同級生からのいじめ行為を訴え、「もう市(死)ぬ場所はきまってるんですけどね」などと自殺をほのめかす書き込みをしていた。だが、学校は父親に知らせることはなかった。

 父親は「今思うと、小さなSOSにもっと目を向けるべきだった」と悔やむ。学校は、いじめの実態を解明しようと調査を進めている。「亮の優しさを踏みにじるいじめを許さない。この死を無駄にさせない。もう同じ事が起きないよう事実解明をきっちり求めていく」

 ◇校長、教委指示伝えず いじめ対策空回り
 自殺した村松亮さんが通っていた岩手県矢巾町立中学の校長が、いじめ早期発見に関する町教育委員会の指示を教職員に伝達していなかったことが11日、分かった。大津市の男子中学生の自殺をきっかけに2013年、「いじめ防止対策推進法」が成立・施行され、同校も同法に基づき「いじめ防止基本方針」を策定、アンケートによるいじめ把握などに取り組んでいた。だが村松さんの訴えは担任教師以外には伝わっておらず、こうした校長の姿勢が一因になった可能性がある。

 町教委は4月、町内の学校長を集めた会合で、からかいや嫌がらせなど、いじめの前兆になりそうな行為を確認した場合、町教委に報告するよう指示した。しかしこの校長は、指示を教職員に伝えなかった。校長は毎日新聞の取材に、伝達しなかったことを認め「『小さな気付きがとても大切』という話を常々していたので、それで済むと思ってしまった」と釈明した。村松さんの入学後、同校のいじめ報告件数は「0」が続いていた。

 校長が町教委の指示を教職員に徹底していれば、担任は村松さんの異変を報告し、校内で共有できた可能性がある。同法に基づいて教員や福祉の専門家らで作る「いじめ防止対策組織」も校内に設置されていたが、異変を知らなかったことなどから機能することはなかった。

 教育評論家の尾木直樹さんは、担任が同僚や上司に相談していなかった点について「情報共有を求めたいじめ防止対策推進法に違反している。いじめ防止基本方針を定めたり、教頭などを入れたいじめ対策委員会を設置したりしていたが、いずれも形骸化していたのではないか」と語る。

 いじめ問題に詳しい増田修治・白梅学園大教授(臨床教育学)は「教員同士が、自分のクラスのことを話せる横のつながりがなかった可能性がある」と指摘。現在、全国の学校で人事考課制度が導入され管理が強まっており、教職員間のつながりが薄まっている学校も多いという。そのうえで、増田教授は実態解明のポイントとして、(1)いじめを疑わせる現場を生徒が目撃したとされるのに、その情報がなぜ学校側に伝わっていなかったのか(2)普段から学校全体に生徒たちの声を丁寧に聞き取る姿勢があったか(3)教員同士がいじめなどの問題を共有できる関係にあったか−−を挙げた。【近藤綾加、春増翔太、佐々木洋】

 ◇おことわり 毎日新聞は、自殺した男子生徒をこれまで匿名で報じてきました。しかし、岩手県矢巾町教育委員会が10日にいじめを自殺の一因と認め、父親も事実究明のため実名での報道を望んでいることから、実名での報道に切り替えます。

◇いじめ相談の電話窓口児童相談所
全国共通ダイヤル
189=年中無休、24時間
24時間子供SOSダイヤル
0570・0・78310(なやみ言おう)=年中無休、24時間

チャイルドライン    
0120・99・7777
=月〜土曜日の午後4〜9時(18歳まで)

子どもの人権110番  
0120・007・110
=平日午前8時半〜午後5時15分 


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