夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『しゃべれども しゃべれども』

2007年11月22日 | 映画(さ行)
『しゃべれども しゃべれども』
監督:平山秀幸
出演:国分太一,香里奈,森永悠希,松重豊,八千草薫,伊東四朗他

高校のとき、上方落語研究部に所属していました。
落語に興味があったわけではなく、
最もヒマそうなクラブに入ろうとして、たまたま和室へ見学に。
和室で活動するのは茶道部か落研。
茶道部というガラではないので、必然的に落研に。
そうしたら、見事にハマってしまいました。

大阪では天満天神繁昌亭が連日大盛況。
NHKの朝の連ドラでは落語ネタの『ちりとてちん』。
去年、『寝ずの番』(2006)を観たころには
落語ブームが訪れようとは想像もしていませんでしたけれど。

東京の下町。
流行りの創作落語には目もくれず、古典落語ひと筋の今昔亭三つ葉は、
いつまで経っても真打になれない。
師匠の今昔亭小三文曰く、
「俺の真似だけしているようじゃ駄目だ」。

ある日、三つ葉の母親が開いている茶道教室の生徒で、
三つ葉が密かに想いを寄せる郁子が、相談事があると言う。
郁子の姉一家が関西から引っ越してきたのだが、
甥っ子の優が関西弁を学校でからかわれているらしい。
優に落語のひとつでも教えてやってくれたら、
学校にも馴染めるのではないかというのが郁子の案。

三つ葉は師匠が講師を務めるカルチャースクールで、
超美人だがぶっきらぼうな女性、五月に出会う。
失礼このうえない五月に説教をしようと思っていると、
どうすれば話が上手くなるのか教えてくれと言われる。

行きがかり上、2人の頼みを断れなくなった三つ葉。
さらには、この「話し方教室」の噂を聞き、
やってきたのが元プロ野球選手の湯河原。
変装まがいの格好でやってきたが、野球好きな優にすぐに見破られてしまう。
どうやら彼はおもしろくない解説者として有名で、
聴視者の評判がよくないことを気にしているようだ。

こうして変な取り合わせの生徒たち3人に、
三つ葉は落語の指導を始めるのだが……。

とても懐かしい気持ちになりました。
落研のときはもっぱら浴衣で、羽織なんて着ませんが、
枕(本題に入る前の小話)から本題に移るときの合図として
羽織を脱ぐ仕草はやはり粋。

関西弁にこだわる優に、三つ葉が見せるビデオテープ、
桂枝雀版『饅頭こわい』には思わずニンマリ。
優の同級生で、スポーツ万能、勉強もできる宮田君が
優の落語で吹き出す瞬間、これ、最高。

出囃子の音に誘われて、また寄席に通いたくなりました。

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