夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『その日のまえに』

2009年08月25日 | 映画(さ行)
『その日のまえに』
監督:大林宣彦
出演:南原清隆,永作博美,筧利夫,今井雅之,勝野雅奈恵,
   原田夏希,柴田理恵,風間杜夫,宝生舞,寺島咲他

そろそろレンタル新作落ちする頃。

正直に言って、私は大林監督の作品が苦手です。
本作もどうも乗り気になれず、避けていました。
だけど、もしかしたら克服できるかもしれないと思い、
意を決して借りました。やっぱり苦手でした。(T_T)

そして、あまりに苦手すぎて、書かずにいられなくなりました。
もしかしたら、今年が終わる頃、
いちばん印象に残っている作品になるかもしれません。

原作は、ベストセラー作家、重松清の同名連作短編小説。
同じく重松清の小説が原作の『疾走』(2005)は好きだったのですが、
これは大好きなSABU監督の作品ですから、当然と言うべきか。
前置きが長くてすみません。

人気イラストレーターの日野原健大。
売れない頃から彼を支えてきた妻のとし子と2人の息子に囲まれ、
幸せな日々を送っている。

しかし、ある日、とし子が余命わずかとの宣告を受ける。
とし子のたっての希望で、新婚当時に暮らしていた海辺の町を訪れることに。
駅前はすっかり様変わりしていたが、商店街を通り抜け、
かつて住んでいたアパートへ向かううち、懐かしさがこみ上げてくる。

物語は、この海辺の町の昔と今を織り交ぜて描かれます。
健大ととし子がすれちがう町の人びと。
面識のなかった彼らがいま出会い、繋がってゆく群像劇です。

群像劇、大好きなのに。
どうしてこんなにも苦手なのか、誰かに教えてほしいぐらい。
何だか作り物感が強くて、入り込めない?
でも、映画なんて、どれも作り物なわけで。
三谷幸喜は好きで、大林宣彦は苦手だなんて、
ホントに大林監督ファンに怒られそう。ごめんなさい。
観始めてから辛くて辛くて、なんとか意地で最後まで。
とし子が死を迎えるシーンだけは、控えめで好感が持てました。

私の周りになぜか多い、大林監督の男性ファン。
でも、その気持ちはわからなくもないんです。
青空、夕焼け、海の匂い、駅のホーム、商店街。まさに郷愁。
誰もが素直で温かい。これを好きなほうが健全な気が。

こんなに苦手だった本作ですが、原作にとても興味を惹かれました。
重松清を一気に4冊買ってしまったので、これから読みます。
それと、宮沢賢治の詩から成るクラムボンの歌。
「あめゆじゅ とてちて けんじゃ」が頭から離れないんです。
助けて~。

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