『告白』
監督:中島哲也
出演:松たか子,岡田将生,木村佳乃,西井幸人,藤原薫,橋本愛他
封切り日の朝イチで。
湊かなえの同名原作は、数カ月前に偶然手に取りました。
読みかけだった別の本を置き忘れて出かけ、
出先で読む本がほしくなったので、手頃な厚さに惹かれてこれを購入。
そうしたら、厚さに比例しない内容の重さに撃沈。
けれど、非常に面白かったのと、興味を持たざるを得ない監督―
『下妻物語』(2004)、『嫌われ松子の一生』(2006)の監督、
『ララピポ』(2008)の脚本担当―による映画化ということで、
観に行かずにはいられませんでした。
原作にかなり忠実な構成となっています。
某中学校の終業式の日。
騒々しい1年B組の教室で、担任の女教師、森口は淡々と話し出す。
口調とは裏腹に衝撃的な内容に、生徒たちは息を呑み、
ざわついていた教室は異様な雰囲気に包まれる。
その話の内容とは。
数カ月前、シングルマザーである森口の幼い娘が校内のプールで溺死する。
事故として片付けられるが、森口は、あれは事故ではなく、
このクラスの生徒2人によって殺されたのだと言う。
警察に通報したところで、犯人は少年法に守られて、
ぬくぬくと生きていくだけ。
そこで、自らの手で復讐することにしたと。
誰が犯人なのか、また復讐がどんな方法で始まるのかは、
映画の序盤で明らかにされます。原作も然り。
で、ネタバレにはならないだろうと書いてしまいますが、
森口のパートナーはHIV感染者。
そのパートナーの血液を犯人の飲む牛乳に混ぜたと森口は「告白」します。
こうして、森口から生徒への告白で始まり、
以降は、学級委員、犯人の生徒2人、そのうちの1人の母親ら、
それぞれの手紙、日記、ホームページ等への独白の形式で進められてゆきます。
終始、状況に合っているとは思えない音楽が流れ、
そのせいで余計に不安に駆られます。
ポップで美しい映像も、恐怖を煽る効果抜群。
これを良い映画だと人に薦めるのもどうだか。
ただ、面白かったことはまちがいなく、
あの原作をこんなふうに映画化した監督はやはりスゴイと思います。
松たか子は新境地を開拓したのでは。
映画終了後、「松たか子、見直したわ」という感嘆の声も聞きました。
この後味は、なんとなく『ドッグヴィル』(2003)に似ています。
……なんて言うと、自分がすごい極悪人みたい。(--;
監督:中島哲也
出演:松たか子,岡田将生,木村佳乃,西井幸人,藤原薫,橋本愛他
封切り日の朝イチで。
湊かなえの同名原作は、数カ月前に偶然手に取りました。
読みかけだった別の本を置き忘れて出かけ、
出先で読む本がほしくなったので、手頃な厚さに惹かれてこれを購入。
そうしたら、厚さに比例しない内容の重さに撃沈。
けれど、非常に面白かったのと、興味を持たざるを得ない監督―
『下妻物語』(2004)、『嫌われ松子の一生』(2006)の監督、
『ララピポ』(2008)の脚本担当―による映画化ということで、
観に行かずにはいられませんでした。
原作にかなり忠実な構成となっています。
某中学校の終業式の日。
騒々しい1年B組の教室で、担任の女教師、森口は淡々と話し出す。
口調とは裏腹に衝撃的な内容に、生徒たちは息を呑み、
ざわついていた教室は異様な雰囲気に包まれる。
その話の内容とは。
数カ月前、シングルマザーである森口の幼い娘が校内のプールで溺死する。
事故として片付けられるが、森口は、あれは事故ではなく、
このクラスの生徒2人によって殺されたのだと言う。
警察に通報したところで、犯人は少年法に守られて、
ぬくぬくと生きていくだけ。
そこで、自らの手で復讐することにしたと。
誰が犯人なのか、また復讐がどんな方法で始まるのかは、
映画の序盤で明らかにされます。原作も然り。
で、ネタバレにはならないだろうと書いてしまいますが、
森口のパートナーはHIV感染者。
そのパートナーの血液を犯人の飲む牛乳に混ぜたと森口は「告白」します。
こうして、森口から生徒への告白で始まり、
以降は、学級委員、犯人の生徒2人、そのうちの1人の母親ら、
それぞれの手紙、日記、ホームページ等への独白の形式で進められてゆきます。
終始、状況に合っているとは思えない音楽が流れ、
そのせいで余計に不安に駆られます。
ポップで美しい映像も、恐怖を煽る効果抜群。
これを良い映画だと人に薦めるのもどうだか。
ただ、面白かったことはまちがいなく、
あの原作をこんなふうに映画化した監督はやはりスゴイと思います。
松たか子は新境地を開拓したのでは。
映画終了後、「松たか子、見直したわ」という感嘆の声も聞きました。
この後味は、なんとなく『ドッグヴィル』(2003)に似ています。
……なんて言うと、自分がすごい極悪人みたい。(--;