夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『恋するふたりの文学講座』

2015年06月07日 | 映画(か行)
『恋するふたりの文学講座』(原題:Liberal Arts)
監督:ジョシュ・ラドナー
出演:ジョシュ・ラドナー,エリザベス・オルセン,リチャード・ジェンキンス,アリソン・ジャネイ,
   ジョン・マガロ,エリザベス・リーサー,ケイト・バートン,ザック・エフロン他

GW中にレンタル開始となった2012年のアメリカ作品。
日本では劇場未公開、DVDスルー。
ベタな邦題が付いているけれど、そのベタさにちと惹かれ、
期待せずに観たら、個人的にはかなりタイプの作品でした。

監督・脚本・主演を務めるのはジョシュ・ラドナー。
前作の『ハッピーサンキューモアプリーズ ニューヨークの恋人たち』(2010)が
サンダンス映画祭で観客賞を授賞。
いわゆるイケメンではないのですが、なんだかイイ感じの風貌です。

ニューヨークに暮らす35歳の独身男ジェシー(ジョシュ・ラドナー)。
文学をこよなく愛する彼は、このところ仕事も恋愛もどん詰まり
そんなとき、大学時代の恩師ピーター(リチャード・ジェンキンス)から連絡があり、
彼の退官記念のパーティーでスピーチをしてほしいと頼まれて即了承。
毎日かよったオハイオのキャンパスへと車で向かうジェシー。
目に入るものすべてが懐かしく、自分が学生だった頃に想いを馳せる。

ピーターから友人家族を紹介されたジェシーは、その娘ジビー(エリザベス・オルセン)と意気投合。
ジビーはジェシーの母校にかよう19歳の学生だが、
彼女との話は尽きず、趣味がちがいすぎる本や音楽の話もただただ楽しい。
ニューヨークに戻ることになったジェシーに、ジビーは手紙を書いてきてほしいと言う。
その手紙のやりとりが楽しく、直接話もしたくなって、
ジェシーは頻繁にオハイオへ行くようになるのだが……。

ジビーの好意をひしひしと感じても、あまりに年齢差がありすぎるからと牽制するジェシー。
いよいよ本気であることをジビーから打ち明けられます。
こうなると、想像するのはありがちなオッサンの妄想系。
ジェシーは35歳だから、ジジイの妄想ほどキツくなくても、
私にはまったく良さがわからなかった『やさしい人』のような展開を考えました。

しかし、ジェシーはそうはならない。
ジビーの好意を感じはじめたころ、ノートを広げては「19歳 35歳」とまず書いて、
彼女がいくつになったら自分はいくつになるかと書き付け、
70歳と86歳辺りでようやく「ま、これならありか」と納得したような表情が可笑しい。

若い彼女に言い寄られて少しは揺らぐも、やはりこれは恋ではないと悟り、
据え膳食わぬは男の恥でも、恥をかくほうを選びます。

学生時代にジェシーが尊敬していた女性教授役にアリソン・ジャネイ。
彼女は『プールサイド・デイズ』にも隣家のおばさん役で登場。
いつもいい味の名女優です。
キャンパスでジェシーに声をかける謎の帽子男にザック・エフロン
これもかなり楽しいゲスト出演。

本作の鑑賞後に、TSUTAYA DISCASの予約リストに載せたままだった
『ハッピーサンキューモアプリーズ ニューヨークの恋人たち』も観ました。
これもジョシュ・ラドナーが監督・主演。
「ありがとう、また今度」という言葉が毎日を幸せにするのだという台詞が印象的。
オフビートな感じがとても心地よく、私のお気に入りの監督になりそうです。

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