夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

酒飲み書店員大賞の受賞作がツボにはまる。

2015年06月22日 | 映画(番外編:映画と読み物)
『このミステリーがすごい!』大賞にはよく外される私ですが、
このところハズレなしでツボにはまりまくっているのが酒飲み書店員大賞です。

賞の存在すら知らずに読んだのが、
第3回大賞最終候補作、笹生陽子の『楽園のつくりかた』と、
第8回大賞受賞作、原田マハの『キネマの神様』でした。
あとからそんな楽しげな名前の賞があることを知り、
ならば全部読破したいと思ったけれど、HPがないんだもの。
調べにくいったらありゃしない。

こまめに調べたのち、最初に読んだのが第4回大賞受賞作の立川談四楼の『ファイティング寿限無』
イマイチ体調がよくないときに読んだこともあり、
後半ペースダウンしてしまって、読みきるのにちと苦労しました。

そのせいもあり、購入済みだったほかの回の大賞受賞作になかなか手を出せず。
そろそろ着手してみるかと積みあげた本のなかからまず選んだのが、
第1回大賞受賞作、高野秀行の『ワセダ三畳青春記』でした。
フィクションだとばかり思っていたら、ノンフィクション。
三畳一間、家賃月1万2千円、早稲田のぼろアパート“野々村荘”で著者が過ごした青春時代。
といっても学生時代のことではなく、卒業後から10年ちょっとの間の話。
誰も行かないところへ行って誰もやらないことをして、
それをおもしろおかしく綴るのがモットーの高野氏。
ちょうど私と同世代であるからか、東京のことといえども時代背景が懐かしく、
これ1冊でこの著者は私のツボだと確信。著作を「大人買い」してしまいました。

続いて第7回大賞受賞作、青山潤の『アフリカにょろり旅』を。
東京大学海洋研究所ウナギグループのメンバーである著者は、
幻のウナギ“ラビアータ”を追い求めてアフリカへ。
これもなかなかにおもしろいエッセイでした。

第9回大賞受賞作、宮木あや子の『セレモニー黒真珠』も大好き。
小さな町の葬儀屋“セレモニー黒真珠”に勤務する3人の物語を連作で。
アラサーなのに42歳ぐらいに見える、所作が美しい女性社員・笹島。
幼い頃から葬儀屋に就職するのが夢だったイケメンのメガネ男子・木崎。
訳ありのハケン女子・妹尾という面々の、葬儀屋を舞台にしたラブコメで異色。
昔ブイブイ言わせていた社長も頼もしく、さくさく読めて痛快爽快。

そして、第5回大賞受賞作、三羽省吾の『太陽がイッパイいっぱい』にもろハマリ。
土方のバイトを始めた三流大学の男子学生イズミは、
次第に大学にかようことをアホらしく思うように。
バイト先である解体業者“マルショウ”にスカウトされて、大学を休学します。
マルショウのメンツのオモロイことと言ったら。
加えて、舞台が関西。芦屋に始まり、宝塚、千林大宮など、
知った地名が次々に出てくるものですから、なおさら話に引き込まれます。
「ガテン系ナニワ青春小説」という触れ込みがピッタリ。
かくして三羽省吾の著作も「大人買い」。

お酒を飲みながら読むとさらに楽しい本ばかりなのでした。
もちろんシラフでも楽しいはず。

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