『20歳よ、もう一度』(原題:重返20歳)
監督:レスト・チェン
出演:ヤン・ズーシャン,グア・アーレイ,チェン・ボーリン,ルハン,ワン・ダーシュン他
コンスタントに有休を消化してきたのに、
5月と6月はこの20年でいちばん忙しいかもというぐらい忙しく、
寝ても覚めても仕事のことが頭から離れず。
ビョーキじゃないかと思ったのは、前を走る車のナンバーが「1872」だったりすると、
即座に頭の中で「明治5年」と元号に変換してしまったとき。笑えました。
やっとその仕事が片づいて、有休を取るぞ!と今週月曜日に休むことに。
友人ふたりと塚口でランチの前に、TOHOシネマズ西宮で本作を鑑賞。
ポスターを見たとき、韓国作品の『怪しい彼女』(2014)とえらく似ているなぁと思ったら、そのまんま。
リメイクではなく、同じ台本から生まれた中国版だそうで。
中国人観光客で溢れかえる大阪。
大学時代にもっと真面目に勉強しておけばよかったと思います。
だって私は中国文学専攻、第一外国語が中国語だったにもかかわらず、まったく喋れない。
当時、共通一次を散々な成績で終わり、涙に暮れる(?)私を見た同級生男子から
「せやからおまえは私学文系やって言うたのに」と言われてさらに涙。
この成績では浪人確実、来年ワセダに行ってやるぅと誓い(誓うだけなら誰でもできる)、
だけどふたつみっつは私学を受験しておこうかと思い、どうせ受験するならば、
ちょっとは合格の可能性のありそうな(要するに倍率が低い)ところをということで選んだ中国文学専攻。
そんな動機だとは言え、私には哲学よりは中国文学だと思ったのですけれど、
どこにいてもけたたましい中国人のイメージはさしてよくならないまま。
でも、本作を観れば、あのけたたましさも愛嬌があるように思えてきます。
『101回目のプロポーズ SAY YES』(2012)と同監督、泣きのツボを刺激するのがお上手です。
モンジュンは口の達者な70歳のばあさん。
老人問題を専門とする大学教授の息子家族と同居しているが、
嫁のやることなすことに文句ばかりつけている。
ひたすら耐えていた嫁は、多大なストレスで倒れてしまう。
自分の言動のせいだとはつゆほども思っていなかったモンジュンは、
嫁が快復するまで家を離れてほしいと言われて呆然。
とぼとぼと歩いていた折り、写真館を見つける。
いつも通っていた道なのに、こんなところに写真館があったなんて。
「遺影にするんだから、綺麗に撮ってね」。
店主の構えたカメラのストロボが光り、撮影終了。
店から出てバスに乗ると、若い兄ちゃんが声をかけてくる。
年寄りをからかうのもいい加減にしろと怒鳴りつけ、
ふと車窓に映った自分の顔を見てびっくり。
そこには20歳の頃の自分の顔が映っていたのだ。
若返った自分の容姿に最初は困惑していたものの、
家には無事だから心配するなと手紙で知らせ、
テレサと名乗って青春時代をやり直すことにしたモンジュン。
テレサの歌を聴いた孫のチェンチンは、まさか自分の祖母だとは思わずに
自らが率いるバンドのボーカルになってくれと依頼。
また、音楽プロデューサーのズーミンからも見初められて……。
テレサを演じるヤン・ズーシャンがめちゃめちゃ可愛い。
『怪しい彼女』で同じ役に当たるオ・ドゥリを演じたシム・ウンギョンと甲乙つけがたし。
しかし、ババアくさい喋り方や歩き方で笑わせてくれるという点では、
シム・ウンギョンのほうが上だったと思われます。
“テレサ”という名前はさすが中国、『ラヴソング』(1996)を思い出してジワ~ン。
台本がよければ、国はちがえどもいい作品に。
泣けてくるのが同じシーンなのは、同じアジア人だからなのか。
だけど、これは万国共通で泣けるような気がします。
毒舌でも、意地悪ばあさんでも、長い人生でいろいろなものを見てきたはず。
戦時中を乗り越えて、苦労も努力もいっぱいあった。
年長であるということは、それだけでじゅうぶんに敬意をはらう理由になる。
そんなことを思ったりして。
中国の映画を敬遠している人にお薦めしたい作品です。
監督:レスト・チェン
出演:ヤン・ズーシャン,グア・アーレイ,チェン・ボーリン,ルハン,ワン・ダーシュン他
コンスタントに有休を消化してきたのに、
5月と6月はこの20年でいちばん忙しいかもというぐらい忙しく、
寝ても覚めても仕事のことが頭から離れず。
ビョーキじゃないかと思ったのは、前を走る車のナンバーが「1872」だったりすると、
即座に頭の中で「明治5年」と元号に変換してしまったとき。笑えました。
やっとその仕事が片づいて、有休を取るぞ!と今週月曜日に休むことに。
友人ふたりと塚口でランチの前に、TOHOシネマズ西宮で本作を鑑賞。
ポスターを見たとき、韓国作品の『怪しい彼女』(2014)とえらく似ているなぁと思ったら、そのまんま。
リメイクではなく、同じ台本から生まれた中国版だそうで。
中国人観光客で溢れかえる大阪。
大学時代にもっと真面目に勉強しておけばよかったと思います。
だって私は中国文学専攻、第一外国語が中国語だったにもかかわらず、まったく喋れない。
当時、共通一次を散々な成績で終わり、涙に暮れる(?)私を見た同級生男子から
「せやからおまえは私学文系やって言うたのに」と言われてさらに涙。
この成績では浪人確実、来年ワセダに行ってやるぅと誓い(誓うだけなら誰でもできる)、
だけどふたつみっつは私学を受験しておこうかと思い、どうせ受験するならば、
ちょっとは合格の可能性のありそうな(要するに倍率が低い)ところをということで選んだ中国文学専攻。
そんな動機だとは言え、私には哲学よりは中国文学だと思ったのですけれど、
どこにいてもけたたましい中国人のイメージはさしてよくならないまま。
でも、本作を観れば、あのけたたましさも愛嬌があるように思えてきます。
『101回目のプロポーズ SAY YES』(2012)と同監督、泣きのツボを刺激するのがお上手です。
モンジュンは口の達者な70歳のばあさん。
老人問題を専門とする大学教授の息子家族と同居しているが、
嫁のやることなすことに文句ばかりつけている。
ひたすら耐えていた嫁は、多大なストレスで倒れてしまう。
自分の言動のせいだとはつゆほども思っていなかったモンジュンは、
嫁が快復するまで家を離れてほしいと言われて呆然。
とぼとぼと歩いていた折り、写真館を見つける。
いつも通っていた道なのに、こんなところに写真館があったなんて。
「遺影にするんだから、綺麗に撮ってね」。
店主の構えたカメラのストロボが光り、撮影終了。
店から出てバスに乗ると、若い兄ちゃんが声をかけてくる。
年寄りをからかうのもいい加減にしろと怒鳴りつけ、
ふと車窓に映った自分の顔を見てびっくり。
そこには20歳の頃の自分の顔が映っていたのだ。
若返った自分の容姿に最初は困惑していたものの、
家には無事だから心配するなと手紙で知らせ、
テレサと名乗って青春時代をやり直すことにしたモンジュン。
テレサの歌を聴いた孫のチェンチンは、まさか自分の祖母だとは思わずに
自らが率いるバンドのボーカルになってくれと依頼。
また、音楽プロデューサーのズーミンからも見初められて……。
テレサを演じるヤン・ズーシャンがめちゃめちゃ可愛い。
『怪しい彼女』で同じ役に当たるオ・ドゥリを演じたシム・ウンギョンと甲乙つけがたし。
しかし、ババアくさい喋り方や歩き方で笑わせてくれるという点では、
シム・ウンギョンのほうが上だったと思われます。
“テレサ”という名前はさすが中国、『ラヴソング』(1996)を思い出してジワ~ン。
台本がよければ、国はちがえどもいい作品に。
泣けてくるのが同じシーンなのは、同じアジア人だからなのか。
だけど、これは万国共通で泣けるような気がします。
毒舌でも、意地悪ばあさんでも、長い人生でいろいろなものを見てきたはず。
戦時中を乗り越えて、苦労も努力もいっぱいあった。
年長であるということは、それだけでじゅうぶんに敬意をはらう理由になる。
そんなことを思ったりして。
中国の映画を敬遠している人にお薦めしたい作品です。