『恋とスフレと娘とわたし』

『恋とスフレと娘とわたし』(原題：Because I Said So)
監督：マイケル・レーマン
出演：ダイアン・キートン，マンディ・ムーア，ガブリエル・マクト，
　　　ローレン・グレアム，パイパー・ペラーボ，トム・エヴェレット・スコット他

「邦題にもちいられる言葉のうちで頻度の高いもの」(これとこれとこれとこれ)。
本作の邦題にはそのうちの２つが入っています。
この手の邦題の場合、原題はまるでちがう確率がめちゃ高い。
本作もご多分に漏れず、原題は“Because I Said So”。
「私がそう言うたんやから(絶対まちがいない)」という意味合いです。

若い頃に夫と死別し、
女手ひとつで３人の娘を育て上げたケーキ職人のダフネ。
長女のマギーに続いて、次女のメイも結婚。
三女のミリーにもいい相手が現れることを願ってやまないが、
どうも彼女には男運がない。
毎度毎度、見た目だけの軽いヤツにひっかかり、
失恋の痛手を受けては沈むミリーは、
母ダフネを見習ってひとりで生きるとまで言い出す。

ミリーのことが心配で仕方ないダフネは、
こっそりWebサイトに「娘の結婚相手募集」の個人広告を出し、
応募してきた男性を片っ端から審査。
どうしようもない男性ばかりで絶望的な気分になるが、
最後の最後に現れたのが、洗練された印象の建築家ジェイソン。
彼こそがミリーにふさわしい相手だと考えたダフネは、
自分の差し金だとバレないようにミリーに近づく手段をジェイソンに指示。
その指示どおり、ミリーと出会ったジェイソンは、
すぐさま彼女の心をつかむことに成功する。

ところが、面接現場にたまたま居合わせ、
一部終始を見ていたミュージシャン、ジョニーが
これまた偶然を装ってミリーに近づく。
ジョニーにも惹かれたミリーは、どちらを選ぶか決めかね、
ふたりとつきあい始めるのだが……。

この頃、ウザすぎる登場人物によく遭遇しますが、
本作のダフネも度を超したお節介ママ。
名優ダイアン・キートンの痛すぎる母親ぶりに辟易とさせられます。
自分のお眼鏡にかなう娘の花婿探しに必死になり、
娘に拒絶されると「悪気はなかったの。あなたのことが心配で」。

それでも、ジョニーの男っぷりはいいし、
何よりテーブルに並ぶ数々のお菓子が美味しそう。
やんちゃな子どもがふと口にするミリー評にはグッ。

ちなみに、私は「悪気はなかったの」という言い訳が大嫌い。
悪気がないのは当たり前、
悪気があってそんなことしたらホンマの悪人やんかいさ。