夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈は行〉

2009年12月21日 | 映画(は行)
《は》
『ハルフウェイ』
人気脚本家、北川悦吏子の初監督作。
高校3年生のヒロは、同級生のシュウに片想い中。
ある日、ひょんなことからヒロの想いを知ったシュウが逆に告白。
しかし、地元の大学に一緒にかようつもりでいるヒロに、
シュウは早稲田志望であることを言い出せない。
シュウの友人からそれを聞いたヒロはすねてしまう。
北海道の澄んだ景色だけは綺麗です。

《ひ》
『百万円と苦虫女』
短大を卒業してフリーターの地味な21歳、鈴子。
警察沙汰を起こして、家に居づらくなり、
“百万円貯まったら出て行きます”と宣言、決行。
見知らぬ土地へ渡った鈴子は、仕事を見つけては百万円貯め、また別の土地へ。
じんわりと心に染み入る1本。
タナダユキ監督のデビュー作『モル』(2000)は、経費節約のためか、
ご本人がモデル役で主演、かなりキツイものがありました。
蒼井優ちゃんを据えられるようになって、ほんとによかった。

《ふ》
『フォー・クリスマス』(原題:Four Christmases)
一時はギャラが史上最高だった女優を起用しているにもかかわらず、
未公開だった2008年の作品。
ブラッドとケイトは、結婚には興味のないラブラブカップル。
毎年クリスマスシーズンには、帰省を待ちわびる両実家に嘘をつき、
2人きりでリゾート地への旅行を楽しんでいる。
ところが、出発当日に空港付近で農務が発生。
全便キャンセルとなって、空港で呆然とする姿がTVに映ってしまい、
それを見た親から家に呼ばれて……。ドタバタ度はかなりのもの。

《へ》
『ヘルボーイ ゴールデン・アーミー』(原題:Hellboy II:The Golden Army)
異形のヒーロー“ヘルボーイ”が活躍するアメコミ原作のシリーズ。
地球支配を目論むエルフ族のヌアダ王子が、
大昔にエルフ族と人間が結んだ休戦協定を破って、
最強の軍団“ゴールデン・アーミー”を甦らせようとしていることを知り、
超常現象捜査局のエージェント、ヘルボーイが仲間とともに繰り出す。
終始楽しめる大好きなシリーズ。
バリー・マニロウの“Can't Smile Without You”に思わず笑顔。
そう、君がいなけりゃ笑えない。

《ほ》
『ホワイト・トレイル』(原題:Kold Sloo)
2006年の未公開作品。アイスランドという変わり種。
北部のダムで警備員が変死した事件に注目した新聞記者バルドゥルは、
補充の警備員としてダムに潜入する。
雪と氷で閉ざされた巨大ダムは観ているだけで凍えそう。
トナカイの密猟など、お国の事情がわかる話も出てきて、なかなか。
オチもがんばった感が。

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今年観た映画50音順〈な行〉

2009年12月19日 | 映画(な行)
《な》
『7つの贈り物』(原題:Seven Pounds)
ワケありの男ベンは、7人の名前が記されたリストを手に、
ある計画を実行しようとしていた。
彼らがある条件をクリアすれば、ベンは彼らに贈り物を渡すつもり。
7人は何の繋がりもない他人同士だが、
その7人でなければならない理由がベンにはあった。
「結末は決して口外しないでください」との触れ込み。
最初は、ベンが人間とちゃうんちゃうかと思ったりして。
観ているうちに「ほ~」、最後は「なるほど」なオチ。

《に》
『26世紀青年』(原題:Idiocracy)
2006年の未公開作品。
ナメた邦題ですが、原題は“Idiocracy”。
“idot”(バカ者)”と“democracy(民主主義)”をかけた造語です。
米国防総省は、人間冬眠極秘プログラムの被験者として、
平々凡々な青年ジョーと娼婦のリタを選出。
1年後に目覚めるという設定で実験をスタート。
ところが、手違いで、2人が目覚めたのは500年後。
国民の知能指数はあり得ないぐらい低く、
環境破壊のせいで地球全体がゴミ屋敷状態。
ジョーは今や天才と崇められ、国務長官に任命されるのだが……。
『WALL・E(ウォーリー)』(2008)と設定が極似。
ウォーリーより先んじていたわけで、ちと不遇。
このくだらなさがたまらん。

《ぬ》
なし。

《ね》
『寝取られ男のラブ♂バカンス』(原題:Forgetting Sarah Marshall)
人気TVドラマの音楽を手がけるピーターは、
交際中の主演女優サラから、突然別れを告げられる。
なんとかサラのことを忘れようとハワイへ旅立ったところ、
同じホテルにサラと彼女の新しい恋人が。
ますます落ち込むピーターのことを見かねて、
フロント係の美女レイチェルが声をかける。
すると今度はサラが嫉妬して、四角関係に突入し……。
みんな、根はいい人。ちょっと幸せな、男性への応援歌。

《の》
『ノースフォーク 天使がくれた奇跡』(原題:Northfork)
2003年の未公開作品。ダム問題としてタイムリー。
1955年、モンタナ州のノースフォーク。
ダムの拡張工事がおこなわれるため、1週間後に水の底に消える町。
ウォルターは、いまだに町にとどまる人びとに退去を促す執行官。
この町にはウォルターの妻が眠る墓地もある。
墓地から届いた墓の移送に関する最後通告を手に、
複雑な思いを抱きつつ、町を巡るウォルター。
教会には、重病で動けない孤児アーウィンと、彼を見守る神父がいて……。
夢の中なのか現実なのかがわからないと面喰らう、かなり難解な作品ですが、
不思議に温かい気持ちに包まれるファンタジー。

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今年観た映画50音順〈た行〉

2009年12月17日 | 映画(た行)
《た》
『ダウト あるカトリック学校で』(原題:Doubt)
1960年代半ば。
ケネディ大統領の暗殺や公民権運動の活発化で揺れ動く世の中。
NYのブロンクスにあるカトリック学校の校長は、厳格なシスター・アロイシアス。
そこへ着任したのは、校長と正反対の進歩的な持論のフリン神父。
ある日、新米教師のシスター・ジェイムズが、
学校で唯一の黒人生徒を呼び出した神父の行動を不審に思い、校長に報告する。
シスター・アロイシアスは、神父と生徒の不適切な関係を疑い、徹底的に糾弾。
地味で暗~い作品ですが、演技派の役者陣が魅せてくれます。
カマのかけっぷりがお見事。

《ち》
『チャーリー・バートレットの男子トイレ相談室』(原題:Charlie Bartlett)
タイトルに反して意外と真面目で素敵な青春ドラマ。
たまげるほどの豪邸に、母と暮らす高校生チャーリー。
成績優秀で手先も器用、偽造免許作成などもお手のものゆえ、
名門校を追い出され、落ちこぼれが集う公立高校へ。
転校初日、スカした野郎だと番長にボコボコにされて凹むが、
チャーリーは、その番長を抱き込む方法を思いつく。
それは、チャーリーが精神科医から処方された薬を生徒たちに売りさばくというもの。
いつしか薬が目当ての生徒よりも、チャーリーに悩みを相談したい生徒が増えて……。
校長先生役のロバート・ダウニー・Jr.、最高。
主演のアントン・イェルチンは、来年公開の『誰かが私にキスをした』で
堀北真希や松山ケンイチと共演しますので、ご注目。

《つ》
TSUTATA DISCASにて該当作品2本待機中ですが、
年内には届きそうになく。(;_;)

《て》
『DISCO』(原題:Disco)
フランスの作品。ノルマンディーの港町が舞台。
かつてのディスコブームが忘れられない40歳の中年男3人。
地元のクラブで20年ぶりにダンスコンテストが開催されると聞き、
優勝者への副賞、オーストラリア旅行を狙って出場を決める。
バレエ教室の先生への勘違いぶりは見ちゃいられませんが、
ビージーズにドナ・サマー、アース・ウィンド&ファイアーと、
同世代なら心躍る曲満載。ラストの『セプテンバー』はご一緒に。

《と》
『トウキョウソナタ』
リストラされたことを家族に言えずにいる父、
せっかく作ったドーナツが食卓の上で冷めるのを見て虚しくなる母。
米軍への入隊を密かに志願する長男、
両親には内緒でピアノ教室にかよう次男。
4人家族が崩壊に向かう様子をただ静かに。
最後のピアノ演奏は出来すぎだと思いつつも胸を打たれました。

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今年観た映画50音順〈さ行〉

2009年12月16日 | 映画(さ行)
《さ》
『3時10分、決断のとき』(原題:3:10 to Yuma)
1957年の映画のリメイクで、西部劇は日本ではウケないとの理由から、
公開が見送られていた2007年の作品。今年めでたく公開。
小さな牧場主ダンは、経営難から不自由な暮らしを強いられている。
ある日、有名な強盗団を率いるベンが捕らえられる場面に遭遇。
裁判所のあるユマへベンを移送するためには、
ユマ行きの列車が出る遠方の駅までベンを送り届ける必要があるが、
いつベンの部下に襲撃されるかもしれぬとあっては、
誰もベンの護送など引き受けようとしない。
そこで、ダンは保安官に多額の報酬を約束させ、ベンを護送することに。
ラストは男泣き必至。シビレました。

《し》
『幸せになるための10のバイブル おもしろ、エロく、生きる人生!』(原題:The Ten)
タイトルからしてB級の2007年の作品。当然、未公開。
勝手に神になるな、両親を敬え、人を殺すな、などなど、
一応『モーセの十戒』に基づいた10のストーリー。かなりイタイ。

《す》
『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』
森博嗣原作の同名小説シリーズを、押井守がアニメ映画化。
人びとが平和を実感するために、戦争ショーがおこなわれている世界が舞台。
その世界で戦争請負会社に所属するパイロットたち。
彼らは、空で戦死しない限り、
永遠に若者のままでいることを定められた“キルドレ”と呼ばれる者たちだった。
感情がちっとも伝わってこない話し方に、逆にキルドレの絶望を感じます。

《せ》
『セブンティーン・アゲイン』(原題:17 Agai)
17歳の高校生マイクは、バスケのスター選手。
ところが、大事な試合の日、恋人から妊娠を告げられてバスケを断念。
それから20年後、出世もせず、家庭は破綻。
彼女との人生を選択したことを悔やむばかり。
そんなある日、突然肉体だけが17歳に戻ってしまう。
青春を取り戻すべく、自分がかよった高校に編入するのだが……。
見た目はイケてる兄ちゃん、心はオッサン。
気恥ずかしいけれど、爽快な良作。恋はやり直せる。

《そ》
『その土曜日、7時58分』(原題:Before the Devil Knows You're Dead)
巨匠シドニー・ルメットのサスペンスフルなドラマ。
金欠のハンクは、兄から強盗計画を持ちかけられる。
押し入り先はなんと彼らの両親が営む宝石店。
保険が下りるから実害なしと言う兄につられて引き受けるが、
怖じ気づいたハンクは、実行役に男を雇う。
ところが、店にいた母が発砲し、男は反撃。予想しなかった事態へ。
人は、一旦足を踏み外すと、思わぬところへ。救いなし。

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今年観た映画50音順〈か行〉

2009年12月15日 | 映画(か行)
《か》
『鴨川ホルモー』
万城目学の同名小説を映画化。
2浪の末、晴れて京大生となった明は、友人の幸一とともに、
怪しげなサークル“京大青竜会”の新歓コンパに参加する。
タダ飯を食うだけのつもりが、京子に一目惚れして入会。
青竜会とは、“オニ”と呼ばれる小さな式神の集団を
各々が操って戦わせる伝統の祭り「ホルモー」をおこなうサークルで……。
大学時代、京都にかよったので、母校の登場も懐かしく。

《き》
『奇術師フーディーニ 妖しき幻想』(原題:Death Defying Acts)
2007年のイギリス/オーストラリア作品。未公開。
大人気の奇術師フーディーニは、
他界した母の「最期の言葉」を当てた者に多額の賞金を進呈すると宣言。
美人イカサマ霊能者のメアリーとその娘は、
あの手この手で賞金を手に入れようとするが……。
フーディーニは19世紀前半に実在した、「脱出王」の異名を取る奇術師。
奇術師を題材にした作品はどれもミステリアスでオツ。

《く》
『ぐるりのこと。』
日本画家を目指して靴の修理店でバイトするカナオと、その妻、翔子。
子作りのために早く帰宅する日を指定され、
勃つものも勃たなくなるとゲンナリするカナオだったが、
その甲斐あって翔子が待望の妊娠。
カナオに法廷画家の仕事が入り、生活も徐々に安定。
ところが、生まれたばかりの子どもが亡くなり……。
前半ゆるゆる、後半ぎすぎすして来るのに、
リリー・フランキーに救われます。
「めんどうくさいけど、いとおしい。いろいろあるけど、一緒にいたい。」
このキャッチコピーも好き。

《け》
『消されたヘッドライン』(原題:State of Play)
英国のTVシリーズをハリウッド・リメイク。
ワシントンDCで発生した一見何の繋がりもなさそうな2つの事件。
片方の事件の死亡女性が国会議員スティーヴンの秘書だったことから、
議員と秘書の不倫疑惑が浮上、マスコミの餌食に。
スティーヴンと親友である地元紙の記者カルは、上司から取材をせっつかれる。
あるとき、カルは2つの事件の接点を見つけて……。
スリリングで目が離せず。
『L.A.コンフィデンシャル』(1997)で名を揚げた2人の俳優ですが、
前者はDVDスルー(《き》の主演)、後者は主演目白押しも、仕方なし。

《こ》
『コラソンdeメロン』
リストラされたOLの泉。
病弱なヒモのヒロミに失業されたと言えずにいると、
ヒロミがメロンを食べたいと言い出して……。
監督の田中誠と鳥肌実の出演に惹かれて観ましたが、
ちょっとこれはヒドイ。

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