夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ゾンビランド』

2011年02月08日 | 映画(さ行)
『ゾンビランド』(原題:Zombieland)
監督:ルーベン・フライシャー
出演:ウディ・ハレルソン,ジェシー・アイゼンバーグ,
   アビゲイル・ブレスリン,エマ・ストーン,ビル・マーレイ他

劇場で観そびれて、DVD化を心待ちにしていた痛快ゾンビ・コメディ。

アメリカ合衆国は今やゾンビ合衆国。
新型ウィルスに感染した人間が次々とゾンビ化し、
ゾンビでない人間を探すほうが困難になっている。

ひきこもりの男子大学生は、そんな状況をつゆ知らず。
同じアパートに住む美女から「見知らぬ男に噛まれた」と助けを求められ、
喜んで招き入れたところ、彼女も朝にはゾンビ化。命からがら逃げる。
以後は自らにゾンビと対決するための32のルールを課し、
なんとか今日まで人間のままで生きながらえている。

さて、そんな彼が、ゾンビ退治に執念を燃やす中年男と出会う。
性格的に合うとも思えないふたりだったが、車に同乗することに。
中年男の大好物のスナック菓子“トゥインキー”を求めて
ゾンビの巣窟と化したスーパーへ入ると、そこには美人姉妹が。
実はこの姉妹は詐欺師で、見事に騙されて車も武器も奪われるふたり。

ところが、4人は期せずして再会。一緒に旅を続けるようになる。
そして、ゾンビとは無縁の楽園だという噂の遊園地へと向かうのだが……。

『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004)と甲乙付け難し。
遊園地のアトラクションの特色を生かした対決は抱腹絶倒。
お化け屋敷に飛び込んで、ゾンビではなく人形に驚かされたり、
垂直急降下型の乗り物では上か下かで天国と地獄だったり。
射的場のつくりを利用したドンパチもあっぱれ。

ただ、他の映画や俳優の名前が飛び交うので、ちょっとオタクが入ってます。
本作によれば、ビル・マーレイを知らないことは、
ガンジーを知らないことと同レベルだそうです。(^^;
ビル・マーレイって誰?という人にはツライかもしれません。

『ソーシャル・ネットワーク』(2010)の主役を演じた彼が、
本作でも主演のひとりである大学生を演じていて、
基本的に『ソーシャル・ネットワーク』と同じ演技に見えるのに、
こんなアホな作品にもハマっているという可笑しさ。
フェイスブックをネタにしたギャグがきっちり出てきますからご注目。

映画を観て知り、食べてみたくなったお菓子といえば
サラ・リーのチーズケーキですが、
トゥインキーも俄然食べてみたくなりました。

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〈非映画ネタ〉オービス、光らせました。(その2)

2011年02月04日 | ほぼ非映画(オービス)
豊中警察署のオービス課に滞在した時間は、おそらく3分ほど。
拇印を押すように言われて、人差し指をくるんと回したら、
「回さなくていいですから」と笑われました。ぶー。

それからほぼ20日後のつい先日。
今度は淀川区三国本町にある大阪簡易裁判所内の交通警察官室へ。
簡易裁判所のこれまた奥のほうにそれはあり、
9:00~10:30までに来るようにとのお達しで、私は9:10頃に到着。
1階で受付を済ませると、「出頭される皆様へ」と
ビミョーに丁寧な口調で本日の流れが書かれた紙を手渡されます。

さて、指示されたとおりに2階へ上がると、すでに30人ぐらいの人が。
これって、みんな免停の人でしょ。いったいなんぼほど捕獲されとるねん。

まるで総合病院の待合室。いくつもドアがあり、次々と名前を呼ばれます。
5分ほど待つと、「○○さん、○番扉からお入りください」。
向かって左側の列の部屋は交通警察官室らしく、ここで「事情聴取」。
優しいおじさんから違反に間違いがないことを確認されるだけで、
署名をしたら即退室。

今度は待つこと数分。
向かって右側の列は区検察庁の部屋だそうで、ここでも「事情聴取」。
しかし、取り調べられるわけでもなく、「略式命令請求」。
罰金がたぶんこれぐらいだよんと教えてもらえます。

再び1階に下りると、簡易裁判所による「略式命令」と「罰金仮納付命令」待ち。
20分ぐらい待ったでしょうか。
それまでの行程があまりに速やかに済んだので、やたら長く感じますが、
そりゃ何十人という人が罰金納付するんですから、
これぐらい時間がかかるのは当然か。
病院で薬を受け取るときの懐かしの光景にうりふたつ。

あとは隣の窓口にて区検察庁に「罰金納付」、これにて終了。
罰金額7万円也。

窓口では本人確認のために名前と生年月日を言うのですが、
昭和2年生まれの今にも倒れそうなおじいちゃんががいるかと思えば、
平成2年生まれの子ども連れのギャル(死語?)もいて、
でもみんな免停なんやと思うと、なんだか嬉しくなったりして。

ひとつだけ、ちょっぴり映画ネタを。
2階に貼られていたポスターは、『ロビン・フッド』(2010)の一場面。
馬を馳せるラッセル・クロウが「ひき逃げは許さない」。
ウケちゃってすみません。

けれど、昔々の覚醒剤撲滅キャンペーンのポスターには敵いません。
バットを持った清原が「覚醒剤打たずにホームラン打とう」。
見たときは悶絶しました。

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『ソーシャル・ネットワーク』

2011年02月01日 | 映画(さ行)
『ソーシャル・ネットワーク』(原題:The Social Network)
監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:ジェシー・アイゼンバーグ,アンドリュー・ガーフィールド,
   ジャスティン・ティンバーレイク,アーミー・ハマー他

オービス続編の前に。
ご存じの方も多いと思いますが、一応あらすじを。

2003年の秋。
ハーバード大学の学生で、天才プログラマーのマークは、
恋人のエリカに心ない言葉を吐いて振られてしまう。

帰寮したマークは、自分のブログにエリカへの罵詈雑言をアップ。
と同時に、むしゃくしゃした気分を解消しようと、
学内のデータベースをハッキング。
女子学生の顔写真を集めて人気投票サイトを即座に完成させる。
たちまちアクセスが集中して午前4時にシステムダウン。
マークは一躍有名人になると共に女子学生の反感を買う。

そんな彼の技術に目を付けたのが、エリート上級生3人。
彼らは学内交流を図ることを目的としたサイトへの協力をマークに持ちかける。

承諾したかに見えたマークだったが、以降、3人を避けている様子。
その頃、マークは親友のエドゥアルドを誘い、ソーシャル・ネットワークのサイト、
“ザ・フェイスブック”を立ち上げる準備を着々と進めていて……。

デヴィッド・フィンチャー監督といえば、
オープニングの凝ったタイトル・シークエンスが有名。
本作はその点では普通かなと思ったのですが、
学舎を映すアングルが上から下へと次第に移って行くだけでワクワク。

そして、冒頭のマークとエリカの会話。
マークの変人ぶり、かなりのオタク、だけどめちゃ賢いということも
この短時間の会話の応酬で示されて、これ以上にない掴み。

実話を基にはしていますが、創作ドラマとの注意書きがありました。
モデルとなった人物その他への取材は断られたそうです。
『ゾディアック』(2006)は実在の未解決事件を基にした作品でしたが、
実話を基に淡々と話を進めるこの監督の技、脱帽です。

完全なフィクションの『セブン』(1995)などにしても、
上品さと下品さの紙一重のところでとどまっていたり、
冷たいんだけど熱いみたいなこの監督の感覚が大好きです。
もし「主人公には本当は虚無感がある」と言いたげな説教臭さが出ると、
とってもゲンナリしたと思うのですが、その点でも本作は実にクール。
なのにちょっぴり感傷的なエンディング。バランスが絶妙で憎い。

簡易裁判所交通分室での罰金支払いに時間がかかって、
ほかに観たかったものをあきらめての鑑賞でしたが、大満足。

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