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『アット・ザ・ベンチ』

2025年01月17日 | 映画(あ行)
『アット・ザ・ベンチ』
監督:奥山由之
出演:広瀬すず,仲野太賀,岸井ゆきの,岡山天音,荒川良々,今田美桜,森七菜,草彅剛,吉岡里帆,神木隆之介

テアトル梅田にて、前述の『型破りな教室』の次に。

奥山由之監督のことを存じ上げずすみません。映像監督であり写真家でいらっしゃるそうな。
本作は奥山監督による自主制作映画とのこと。
同監督は新海誠監督の『秒速5センチメートル』(2007)を松村北斗主演で実写化、今年公開されるそうです。
新海作品の中でいちばん好きな作品なので、とても楽しみです。その前哨戦として観ました、というと失礼か。

もともと公園があった河川敷から遊具などが撤去され、残ったのはたったひとつのベンチのみ。
そのベンチに腰かける人をとらえた5編のオムニバス作品です。

第1編、このベンチに最初に座る女性は広瀬すず
公園がなくなったことに衝撃を受け、仲野太賀演じる幼なじみの男性を電話で呼び出します。

第2編、次にこのベンチにやってきたのは同棲中らしいカップルで、演じるのは岸井ゆきの岡山天音
買い物帰りにここで昼食をとることになりますが、ちょっとした口喧嘩が始まります。
それをベンチの後ろから密かに聴いている中年男性に荒川良々

第3編、ベンチに座るでもなく罵り合う姉妹に今田美桜森七菜
どうやら姉は好きな男を追いかけて上京したけれど、男に相手にされずにホームレスに。
そんな姉を連れ戻しに来た妹と喧嘩になっています。

第4編、ベンチの撤去について討議するためにやってきた役所の職員たち。
草彅剛吉岡里帆神木隆之介が演じています。

第5編、第1編から何ヶ月か経ってまだベンチが撤去されていない模様。
またしても広瀬すず演じる女性が仲野太賀演じる男性を呼び出して再会中。

会話のみで成立する温かい作品ではあるけれど、話によってはとても眠い。
第4編は途中から聞き取れないような声になり、字幕が出るも小さくて読めませんでした。

第1編と第5編の脚本を担当しているのは生方美久、第2編は蓮見翔、第3編は根本宗子、第4編は奥山監督ご自身。
どれが好きだったかと聞かれたら第1編ですかね。仲野太賀の腰かけ方が絶妙(笑)。
 
面白かったのは第2編のやりとり。岸井ゆきの演じる彼女が岡山天音演じる彼氏に挙げる不満がすごく可笑しい。
彼氏が「そんなのそのときに言ってくれないと」と言うと、彼女が「単体では別に嫌じゃない」と言います。
それですよそれ。ひとつひとつは些細なことで、不満として口にするほど嫌なことではないけれど、
積もり積もって不満になるのですよね。寿司桶からあふれ出るように。
女はそれを見過ごせない。『サイドウォーク・オブ・ニューヨーク』(2001)を思い出しました。

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