『コン・ティキ』(原題:Kon-Tiki)
監督:ヨアヒム・ローニング
出演:ポール・スヴェーレ・ヴァルハイム・ハーゲン,アンドレス・バースモ・クリスティアンセン,ヤーコプ・オフテブロ,
トビアス・ザンテルマン,オッド=マグヌス・ウィリアムソン,グスタフ・スカルスガルド他
『ザ・ディープ』が第85回アカデミー賞外国語映画賞のアイスランド代表なら、
こちらはノルウェー代表で、ノミネートも果たした作品です。
先週、たまたま時間が合ったというだけで前知識なくTOHOシネマズ伊丹へ。
そうしたら、こんな実話があったのかとシビレてしまいました。
TOHOシネマズでは先週いっぱいで上映終了、梅田ブルク7では明日まで。
1914年、ノルウェーに生まれたトール・ヘイエルダール。
幼い頃から好奇心旺盛で怖いもの知らず。
オスロ大学で動物学と地理学を専攻した後、ポリネシアのファツヒバ島へ。
現地人の生活を1年間送るうち、ある仮説を打ち立てる。
当時、ポリネシア人の祖先はアジアから来たというのが通説。
海流などあらゆる面から考えて、それは至極自然なこと。
ところが、ファツヒバ島の植物を見たトールは、
ポリネシア人の祖先は南米から来たにちがいないと考える。
研究に研究を重ねて10年、トールは論文を書き上げてあちこちへ持ち込むが、
常識をくつがえす学説は嫌われ、学者もマスコミも取り合ってくれない。
ならばペルーからポリネシアへ自力で渡って証明しようじゃないか。
そう決意したトールは、1500年前の材料と技術を用いて筏をつくることに。
そのための仲間を酒場で口説くも、必ず失敗すると一笑に付される。
たまたま酒場に居合わせたのが冷蔵庫販売の営業担当者ヘルマン。
トールが描いた筏の絵に興味を示し、自分も話に乗りたいと言う。
ペルー入りしたトールは、少年時代に氷海に落ちたトールを救出したエリックや、
戦争で心を傷めたままのクヌート、無線技士のトルステインらと合流。
現地の新聞でトールのことを知ったスウェーデン人民族誌学者のベングトも飛び入り、
カメラの技術が確かな彼は、記録映画の撮影は自分にまかせろと言う。
資金調達の目処が立たずに困ると、トールは大胆にもペルー大統領に面会。
ペルーこそがポリネシアの祖先という話を大統領は大いに気に入り、
航海に必要な物品を軍で調達してくれることになる。
こうして8000kmにおよぶ航海に繰り出した5人。
しかし、大嵐、サメの襲撃など、幾多の困難が彼らを待ち受け……。
非常に見応えがありました。
順調に進まなければ、次第に心が荒み、恐怖の心も生まれます。
特にこれまで命を張った経験のないヘルマンは、丸太が腐るのではないか、ロープが切れるのではないか、
そんな不安に駆られ、いつ気が変になっても不思議ではない状態。
そのせいで全員が危機にさらされますが、命を落とす直前だったところをクヌートに救われます。
これによってふっきれ、人間関係も好転してゆきます。
目の前に広がるのはただただ海。
サメに襲われるシーンなどは下手なホラーよりも恐ろしいぐらいですが、
『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』で見たような美しい光景や、
鳥が飛ぶ姿に大喜びする彼らの姿にこちらも勇気づけられます。
昔の人は、海を障壁ではなく、道だと考えていた。
人につながる道。
監督:ヨアヒム・ローニング
出演:ポール・スヴェーレ・ヴァルハイム・ハーゲン,アンドレス・バースモ・クリスティアンセン,ヤーコプ・オフテブロ,
トビアス・ザンテルマン,オッド=マグヌス・ウィリアムソン,グスタフ・スカルスガルド他
『ザ・ディープ』が第85回アカデミー賞外国語映画賞のアイスランド代表なら、
こちらはノルウェー代表で、ノミネートも果たした作品です。
先週、たまたま時間が合ったというだけで前知識なくTOHOシネマズ伊丹へ。
そうしたら、こんな実話があったのかとシビレてしまいました。
TOHOシネマズでは先週いっぱいで上映終了、梅田ブルク7では明日まで。
1914年、ノルウェーに生まれたトール・ヘイエルダール。
幼い頃から好奇心旺盛で怖いもの知らず。
オスロ大学で動物学と地理学を専攻した後、ポリネシアのファツヒバ島へ。
現地人の生活を1年間送るうち、ある仮説を打ち立てる。
当時、ポリネシア人の祖先はアジアから来たというのが通説。
海流などあらゆる面から考えて、それは至極自然なこと。
ところが、ファツヒバ島の植物を見たトールは、
ポリネシア人の祖先は南米から来たにちがいないと考える。
研究に研究を重ねて10年、トールは論文を書き上げてあちこちへ持ち込むが、
常識をくつがえす学説は嫌われ、学者もマスコミも取り合ってくれない。
ならばペルーからポリネシアへ自力で渡って証明しようじゃないか。
そう決意したトールは、1500年前の材料と技術を用いて筏をつくることに。
そのための仲間を酒場で口説くも、必ず失敗すると一笑に付される。
たまたま酒場に居合わせたのが冷蔵庫販売の営業担当者ヘルマン。
トールが描いた筏の絵に興味を示し、自分も話に乗りたいと言う。
ペルー入りしたトールは、少年時代に氷海に落ちたトールを救出したエリックや、
戦争で心を傷めたままのクヌート、無線技士のトルステインらと合流。
現地の新聞でトールのことを知ったスウェーデン人民族誌学者のベングトも飛び入り、
カメラの技術が確かな彼は、記録映画の撮影は自分にまかせろと言う。
資金調達の目処が立たずに困ると、トールは大胆にもペルー大統領に面会。
ペルーこそがポリネシアの祖先という話を大統領は大いに気に入り、
航海に必要な物品を軍で調達してくれることになる。
こうして8000kmにおよぶ航海に繰り出した5人。
しかし、大嵐、サメの襲撃など、幾多の困難が彼らを待ち受け……。
非常に見応えがありました。
順調に進まなければ、次第に心が荒み、恐怖の心も生まれます。
特にこれまで命を張った経験のないヘルマンは、丸太が腐るのではないか、ロープが切れるのではないか、
そんな不安に駆られ、いつ気が変になっても不思議ではない状態。
そのせいで全員が危機にさらされますが、命を落とす直前だったところをクヌートに救われます。
これによってふっきれ、人間関係も好転してゆきます。
目の前に広がるのはただただ海。
サメに襲われるシーンなどは下手なホラーよりも恐ろしいぐらいですが、
『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』で見たような美しい光景や、
鳥が飛ぶ姿に大喜びする彼らの姿にこちらも勇気づけられます。
昔の人は、海を障壁ではなく、道だと考えていた。
人につながる道。