夜な夜なシネマ

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『25年目の弦楽四重奏』

2013年07月23日 | 映画(な行)
『25年目の弦楽四重奏』(原題:A Late Quartet)
監督:ヤーロン・ジルバーマン
出演:フィリップ・シーモア・ホフマン,キャサリン・キーナー,クリストファー・ウォーケン,
   マーク・イヴァニール,イモージェン・プーツ,リラズ・シャルヒ他

梅田ガーデンシネマで3本ハシゴの3本目。
ちなみに、9:30の開場時に3本ともチケットを購入したので、すべて整理番号1番。
1本目2本目の間は30分ほどあったのですが、2本目と3本目の間は5分。
2本目のエンドロールが回っている途中に3本目の入場開始で、
3本目はこの日のどの作品よりも客入りが良さそうだったため、
映画が完全に終わるまでは絶対に席を立たない私もさすがに途中で退場。
入場が開始されていた向かいの劇場に1番の整理券を持って飛び込みました。

国際的な人気を誇る弦楽四重奏団“フーガ”は結成25周年を迎える。
記念の年の演奏会に彼らが選んだ曲は“ベートーヴェン弦楽四重奏曲第14番”。
この曲は定型の4楽章ではなく、7楽章で構成される。
しかも全楽章を“アタッカ”と呼ばれる奏法で途切れぬ演奏を求められる、演奏家泣かせの難曲。

ヴァイオリンのロバートとダニエル、ロバートの妻でヴィオラのジュリエット、
そしてチェロのピーターという4人は、リハーサルを開始。
ところが、その直後、ピーターがパーキンソン病に冒されていることが判明。
リーダー格のピーターは今季限りで引退すると宣言し、残る3人は激しく動揺する。

……こんな感じで、演奏会当日までの様子が描かれます。

第2ヴァイオリンのロバートは、これを機に第1ヴァイオリンを弾きたいと言いだし、
ジュリエットからはアナタにそんな資質はないと否定されます。
第2ヴァイオリンがいるからこその第1ヴァイオリンだと言うダニエルも、
情熱を解き放って暗譜で演奏しようというロバートの意見を却下。
それゆえなのか魔が差したのか、ロバートはフラメンコダンサーと浮気。
浮気相手はすっかりその気に、しかもその浮気が即バレてジュリエットは激怒。

ダニエルはダニエルで、ロバートとジュリエットの娘である大学生アレクサンドラの指導を始めるも、
アレクサンドラに言い寄られてコロリ、逆にぞっこんになってしまいます。
その状況もジュリエットにバレ、ロバートまでも知る場面はちょっとお笑い。

演奏をもっと聴きたかったような気もしますが、
病に冒されていちばん辛い思いをしているはずのピーターが、
3人のドタバタに巻き込まれてゲンナリしている様子が可笑しく、
演じるクリストファー・ウォーケンにお疲れさま。

“ベートーヴェン弦楽四重奏曲第14番”の実際の演奏を担当したのはブレンターノ弦楽四重奏団。
ピーターの後任役として実名で登場するのが現役の同団員ニナ・リー。
チェロを演奏する彼女の顔は役者とはちがって見え、まさしく本物でした。

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