めいすいの写真日記

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「アドリアーナ・ルクヴルール」

2020-02-11 | オペラ・バレエ

   チレア作曲オベラ「アドリアーナ・ルクヴルール」は、18世紀フランスに実在し、美貌と演技力で一世を風靡した大人気女優の劇的で華麗な人生を描いている。
 伯爵マウリツィオをめぐるアドリアーナとブイヨン公妃の恋のさや当て、嫉妬を描いていて激しくも美しい。作曲者チレアはイタリア人。この作品はミラノで1902年に初演され、大成功となった。「恋敵から送られた毒入りスミレで死ぬ悲劇の美女」として語られることが多い。メトロポリタンオペラ(MET)2018-2019年シーズン新演出。ただ、日本で上演される機会は少ないようだ。

 オベラの女王A・ネトレプコがタイトル・ロールを絶唱する。もともと、実在の人気女優を描いたオペラということで、過去にも多くのスターソプラノ、テバルディ、スコット、フレーニ等が、この役を自分を映し出すように挑戦してきた。ネトレプコも幕間のインタビューを拒むほどの集中力の入れようであった。まさにプリ・マドンナ・オペラの神髄ということができよう。
 ほかに、好調のスター・テノール P・ベチャワ、情熱と迫真のA・ラチヴェリシュヴィリと共演陣も大物ぞろい。甘く激しく奔流するチレアの音楽と、バロックの劇場を再現するD・マクヴィカーの伝統美あふれる演出が効果的であった。

指揮:ジャナンドレア・ノセダ
演出:デイヴィッド・マクヴィカー
出演:
   アドリアーナ・・・アンナ・ネトレプコ
   マウリツィオ・・・ピョートル・ベチャワ
   ブイヨン公妃・・・アニータ・ラチヴェリシュヴィリ
   ミショネ・・・アンブロージョ・マエストリ
   ブイヨン公爵・・・ マウリツィオ・ムラーロ

MET上演日:2019年1月12日 WOWOW 2020年2月8日放送

《アドリアーナ・ルクヴルール》のあらすじ
 18世紀前半のパリ。有名な劇場コメディ・フランセーズ(現在も続く実在の劇場)の大人気女優アドリアーナ・ルクヴルール(実在の人物)は、ザクセン伯爵の旗手マウリツィオ(実在の人物)と愛し合っている。マウリツィオは実は伯爵本人で、職務で大貴族のブイヨン公妃と会わなければならなかったが、ブイヨン公妃もまた、マウリツィオに恋心を抱いていた。

あらすじ
 第1幕、公演直前の舞台裏、アドリアーナは台詞の練習に余念が無い、一同が賞賛の声を上げると、「私は芸術上の卑しい僕です」を歌う。

 マウリツィオが登場し、アドリアーナに「あなたの中に母の優しさが~」を歌う。アドリアーナはスミレのブーケをマウリツィオに渡す。
 第2幕、ブイヨン公爵の別荘、マウリツィオは仕事上でブイヨン公妃と会う。公妃にスミレの飾りを見つけられたマウリツィオは公妃に捧げる。そこにブイヨン公爵が戻って来るので、マウリツィオは公妃を隠す。ついてきたアドリアーナにマウリツィオは、隠した公妃を逃亡させるように頼む。その後、暗闇の中でアドリアーナと公妃は相手が誰か分からず、恋敵であることに火花を散らす。

第三幕、ブイヨン公爵の夜会。劇中劇のバレーシーン。ギリシャ神話の「パリスの審判」が行われる。
 お互いがいは恋敵の正体を知ることになるが、その後の舞台で、公妃はアドリアーナに「恋人に捨てられたアリアドネ」の台詞を朗読を所望するが、アドリアーナは代わりに「不倫を告白するフェードラ」の台詞を読み上げ、。公妃の不義をなじる。
 第四幕、激怒した公妃は、マウリツィオの名前で毒を仕込んだスミレの花束をアドリアーナに届ける。アドリアーナは毒が入っているのも知らず、花束の毒を嗅いでしまう。  駆けつけたマウリツィオの結婚の申し込みを聞き、生きる喜びを歌い上げるアドリアーナだが、毒がまわり息絶える。

 演出のデイヴィッド・マクヴィカーは、「このオペラは出演者の力量で決まるタイプの作品、スターが不在なら上演するな」と幕間に述べているが、METならではの配役である。出演者の活躍に満足しての発言だと思う。



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