12月31日の今日、NHK BSプレミアム「 華麗なるオペラの世界 ミラノ・スカラ座 」で放映されたモーツァルト作曲「魔笛」。
モーツァルトの「魔笛」というと鳥刺しパパゲーの鳥の羽をいっぱい付けた衣装を初めとし、大蛇や野獣なども登場するため、
大道具・小道具・衣装・照明など色彩鮮やかな舞台演出で幻想的な世界を楽しめるというのが一般的です。
今回、ウィリアム・ケントリッジの演出は服装は現代風で、舞台演出は映像を多用し、大がかりなセットを使用しないものでした。
最近のオペラは映像を用いることが流行っているとのことですが、まさにそうした演出の代表例ともいえるでしょう。
第1幕 「夜の女王」は「夜の女王のアリア」を歌う
やはり「魔笛」の演出といえば、メトロポリタン・オペラで絶賛をはくした、ジュリー・テイモアの「魔笛」を超えるものは、
なかなか現れないと思われます。
一方、以前見た新国立歌劇場のミヒャエル・ハンペの「魔笛」はオーソドックスで良くできた演出でした。
今回は、初めの印象の現代風の演出からは魔笛の雰囲気を出すのは難しいのではないかと思いました。
しかし、映像を多用し、白黒のベースの描画は思いの外、効果的で幻想的な雰囲気を良く出していました。
私は、オペラに現代風の演出を持ち込むのは好みではありません。やはり、作曲された当時や物語の時代を良く反映
した演出をして貰いたいと思っています。そうした思いもありましたが、この演出の斬新さは見事なもので合格点以上といえるものでした。
第1幕 タミーナが「魔笛」を吹くと、獣が踊り出す
第2幕 ムーア人モノスタトスはタミーナを我がものにしようとする
第2幕 タミーノとタミーナは炎の渦巻く試練の場を「魔笛」を吹きながら進んでいく
第2幕 パパゲーのとパパゲーナは晴れて結ばれることになる
第2幕 フィナーレ タミーノとタミーナは神殿に進み、多くの人から祝福される
音楽については、実力派モーツァルト歌手が勢ぞろいとはNHKの番組紹介ですが、演奏は聴きやすいものでした。