めいすいの写真日記

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薪窯で焼き上げる正統派ナポリ・ピッツァ・・・ ラグーナ ロトンダ朝霞店

2021-04-29 | 外での食べ物

 ボルチーニ茸と半熟卵のピッツァ世界選手権6位入賞 ピッツァイオーロ 渡辺文雄氏
 イタリア産茸の匂いがプンプンと、食感も柔らかい肉のよう。チーズがぴっくりするほど良く伸びます。これまでに味わったことのないピッツァはとても美味でした。皿に盛られたピッツァは一人前ですが、二人でシェアしました。

 イタリア料理店「ラグーナ ロトンダ」(朝霞市上内間木790-2 電話048-456-3500)ですが、車でないいと行きにくいところにあります。隣は文明堂の直売所。私の家からは車で15分ほどです。

 人気の店らしくお昼時はかなり来店者が多いようです。美味しさが口コミで広がっているのでしょうか?店内は天井が高く広い。雰囲気もイタリア風で落ち着いています。

 正統派ナポリピッツァは薪窯で焼き上げます。
 待合室の後ろ側に薪が沢山積んでありました。写真は入り口正面にあるピザを焼くための窯。


 
前菜は、手前は鯛のカルパッチョ。サラミ、生ハム、スライスしたハム。冷製たまねぎスープ。

 新鮮な地元の野菜のサラダ
  「さいたまヨーロッパ野菜研究会」のメンバーが作る野菜を使用しているとのこと。

桜エビと春キャベツのスパゲッテイ。一人前を二人でシェア。

デザートはいちごのパンナコッタの上にベリーソース(上)
アーモンドとクルミのジェラード(左)、パイナップルソースのかかったフルーツケーキ(右)

 そしてコーヒー。他にピザとパスタには、アイスティー(デカンタ瓶入り)が付きます。

 食材がしっかり選ばれており、良質なイタリア料理店であることは間違いありません。


加山雄三主演 映画「アルプスの若大将」・・・ 田中邦衛さん追悼

2021-04-27 | 映画

                       NHK BS プレミアム・シアター 2021/4/25

 若大将シリーズは「東宝が1961年から1971年まで製作した全17作から構成される加山雄三主演の青春映画のシリーズ名」です。
 今回の放送は田中邦衛(青大将)さんが2021年3月24日に亡くなられたので、その追悼番組です。加山雄三(若大将)の2枚目俳優ぶりを支え、青大将の3枚目俳優として多くの人気を得ていました。
 田中邦衛さんは他の作品にも多く出演していますが演技派でそのキャラクターが好まれていました。冥福を祈ります。                              
  一方シリーズのマドンナは大学生編(11編)は星由里子、それぞれ苗字が異なるけれど名前は澄子です。
 なお、本作「アルプスの若大将」は  若大将シリーズの中で最大の動員数となりました。

【監督】古沢憲吾
【撮影】飯村正
【音楽】広瀬健次郎
【出演者】加山雄三 ・・・ 若大将 田沼雄一 京南大学建築学部、スキー部
           田中邦衛 ・・・ 青大将 石山新次郎 
     星由里子 ・・・    岸澄子   パン・アメリカン航空勤務
【主題歌】『君といつまでも』『蒼い星くず』「夕陽は赤く」
【配給】  東宝
【公開】 日本の旗 1966年5月28日
【上映時間】 94分

ツェルマットで出会った若大将と澄子。写真は馬車の上。当時は街の中心部も車両通行禁止だったようです。

 ツェルマットのゲレンデも豪華なロッジやホテルは当時なかったようです。

マッターホルンをバックに滑る若大将

澄子にローマのスペイン広場を案内される若大将。階段奥左

トレビの泉にコインを投げ、大学スキー選手権大会の優勝に「願かけ」する右若大将と澄子

 珍しく、部屋の中で「君といつまでも」を歌う若大将。このシーンの前後で若い女性の姿が澄子と入れ替わったりします。「幸せだなー ・・・ 」のくだりでは青大将が入ってきて「誰と話をしているの?」と聞きます。

 パーティーの席での青大将と澄子。

苗場スキー場の奥の休憩所で澄子を暴漢から助けようとしてかえって殴られて怪我をする青大将。たまたま、通りかかった若大将に助けられる。左、若大将、一人置いて青大将、澄子。

苗場スキー場の指導員達の滑り。

大学スキー選手権大会のセレモニー。

【ストーリー】 若大将シリーズのストーリーはほぼワンパターンです。

若大将が澄子と知合い、恋仲となる。
ふたりの間に青大将が割ってくる。若大将が他の女性と親しくなる。
澄子が焼きもちを焼き、当てつけに青大将の誘いに乗る。
二人きりになったところで、青大将が澄子に迫る。
もともと澄子は青大将など目にとめていないので、当然ながら抵抗する。
青大将が抵抗にも怯まず、さらに澄子に迫る。
若大将が現れ、青大将をこてんぱんにやっつける。
しかし、若大将にはスポーツの大会に出場しなければならない。
会場に間に合うか?
こうしたワンパターンのあらすじがかえって人気を呼んだようです。

若大将(加山雄三)は,シリーズにより様々なスポーツを行いますが、
実際にスポーツ万能でこれらををやってのけます。
特に『アルプスの若大将』はスキーですが、国体に2度出場しています。
実際実力通りで急斜面の滑りもスタントマンなしということです。

若大将と澄子のラブシーン。若大将が劇中歌を歌う。
その中でも、「君といつまでも」がメイン。「ふたりを夕闇が包む、この窓辺に~」
他に『アルプスの若大将』の劇中歌は「 蒼い星くず」「 夕陽は赤く」など

【感想】
 とにかく55年も前の青春映画。海外旅行などは一般の人達には「夢の又夢」でした。
 スポーツカーを乗り回したりするのも時代の最先端でした。
 スキーが爆発的に人気スポーツになるのは,団塊の世代からで、この時代以降です。
   スキーの大学選手権大会が、回転、ジャンプ、滑降と3種目を一人の人間がこなしています。特にジャンプでは腕をくるくる回しています。違和感を感じるのは仕方がないところです。
  今年2021年3月に(青大将)田中邦衛さんが亡くなりましたが、2018年5月に(澄子)星由里子さんも亡くなっています。 私は若い頃に若大将シリーズを一回だけ見ていますがとても明るく楽しい映画だったという記憶があります。追悼の番組というのは少し悲しい気持ちになります。


ナニワイパラ(浪花茨)の花

2021-04-25 | 

 ご近所の家に白い花を咲かせていた「ナニワイバラ(浪花茨)」。すごく目立ちます。
 バラ科バラ属の植物。つる性低木で花は白く大きい。大阪など近畿地方から始まったようです。原産は中国。開花時期は5月~6月。

 見た目には,バラとは思えず,家の方に「これはなんという花ですか?」と聞きました。
「よく聞かれるのですよ」と名前を教えてくれました。「木に勢いがあり、どんどん伸びるので剪定がたいへんです。今年はとりわけたくさん咲きました」とのこと。茎、実共にたくさんトゲがあります。

 バラは一般には、盆栽になりにくいのですが、耐久性があり、盆栽として売っている店もあるようです。


花水木の花 ・・・ 2021

2021-04-24 | 

 富士見市山崎公園に咲いていた花水木の花。よく見かける花ですが、今年はここで撮すことになりました。
 よく団地や街路樹などに植えられていて、桜が終わった後に華やかに咲いて目を楽しませてくれます。
 ミズキ科ミズキ属で、水木にくらべて花が目立つので花水木となったようです。
 東京市長の尾崎行雄氏がアメリカのワシントン市へ桜を寄贈した御礼として1915(大正4)年に
 アメリカからハナミズキが贈られたというのが有名な話で、その後全国に広がりました。

 

花が上に向かって咲くので団地の高層階の人には人気があるとか。
花期は4月10日~5月10日ころですが、今年は咲くのが早く、もう散ってしまったところが多いかも知れません。

白い花とピンクが多いようです。花言葉は「私の思いを受け止めてください」「返礼」「永続性」「公平にする」 


薬師丸ひろ子主演 映画「探偵物語」

2021-04-22 | 映画

                             NHK BS プレミアム・シアター 2021/4/18

 薬師丸ひろ子、松田優作共演の恋とサスペンスの青春映画。 大学生で資産家の令嬢・直美の前に、ボディーガードとして私立探偵の辻山が現れます。直美は1週間後に単身アメリカに渡り父と暮らす予定です。辻山は冷静で寡黙な性格でどちらかと言うと慎重派。行動的な直美のペースにつられて、勢いに流されることもしばしば。その尾行を続ける辻山にうんざりする直美ですが、ある日、辻山の元妻・幸子が殺人事件に巻き込まれてしまいます。直美と辻山は真相を突き止めようとしますが・・・。映画は、この年の邦画興行成績第2位のヒット作。

【製作】 角川春樹
【監督】 根岸吉太郎
【脚本】 鎌田敏夫。
【原作】 赤川次郎
【音楽】 加藤和彦 
【主題歌】 薬師丸ひろ子「探偵物語」(作詞:松本隆、作曲:大瀧詠一)
【製作】 1983年 角川映画
【出演】
 新井直美(薬師丸ひろ子)
 辻山秀一(松田優作)
 直木幸子(秋川リサ)
 長谷沼君江(岸田今日子)
 永井裕(北詰友樹)
 進藤正子(坂上味和)
 国崎剛造(藤田進)
 国崎三千代(中村晃子)
 国崎和也(鹿内孝)
 岡野(財津一郎)

国崎和也の経営するナイトクラブの片山と直美。バックには歌を歌う幸子

   辻山と離婚した元妻・幸子はナイトクラブの支配人で暴力団の国崎組の息子・和也と付き合っていました。

 その和也がラブ・ホテルの浴室で刺殺され、死の直前まで一緒にいた幸子に容疑が向けられました。
 幸子は無実を主張するので、直美と片山は無罪を晴らすべく活動を始めます。

 幸子は警察に指名手配され、国崎組にも追われます。

 国崎組の組員が片山のアパートにまでやってくる。幸子が匿われていたが直美の機転て逃れる

 しかし、国崎組が執拗な追跡を始め、度重なる脅迫、落とし前として”指詰め” が行われるなど、スリリングな状況となります。でも現在では反社会的な勢力の描写はドラマにあまり取り上げられない気がします。

   一方お色気シーンが頻繁に出て来ます。ナイトクラブのバニーガール、ラブホテルの回転ベッドや部屋から素通しの浴室、葬式の際の喪服での情事などなど。

   ベッドシーンでは女性の上半身が裸体で乳房が見えたりなど、当時は良いとしても、現在の映画では受け入れられないのではないかという気がします。

   直美は好奇心旺盛で、度胸があり少々のことには動じない性格。行動派で、思い立ったら即動くタイプ。とはいえ裕福な家庭育ちでお嬢様女子大生の行動力に驚きます。
  その結果、直美の大活躍で真犯人が見つかることになり事件は解決することになりますが・・・ 。

   成田空港に降り立つ直美

  映画のラスト、アメリカに旅立つ直美が辻山のアパートを前夜に訪れ、愛を告白するシーンから、アメリカに旅立つ直美が,空港で辻山とディープキスを交わすシーンまでは青春映画らしい雰囲気になっていました。

 また、主題歌の曲想は映画に良く合っていて、薬師丸ひろ子の歌もとても上手です。



 

(了)


プッチーニ作曲「ラ・ボエーム」

2021-04-18 | オペラ・バレエ

                                       wowow 2021/4/16

 「ラ・ボエーム」はプッチーニの一番の人気作で、METで最多上演の作品でもあります。パリの放浪芸術家(ボヘミアン)を描く物語で、病に冒されたお針子のミミと売れない詩人のロドルフォが恋に落ちます。舞台は19世紀半ばのカルチェ・ラタン。若者が芸術と愛に酔いしれていた場所です。第1幕は芸術家達の住む屋根裏部屋で、第2幕はクリスマス・イブのパリの夜、街は二層構造になっていて豪華絢爛。観客をバリの虜にさせるべくF・ゼフィレッリの演出はMETの舞台機構をフル回転させます。1981年の初演から人気を博す理由も一目瞭然です。脇を固めるのはムゼッタ役でコケットなSフィリップスやマルチェッロ役のM・カヴアレッティに100人以上のキャスト 彼らが今も色あせない青春の悲恋物語へと誘います。

作曲:ジャコモ・ブッチーに 
演奏:メトロポリタン歌劇場管弦楽団 指揮 ステファーノ・ランザーニ
演出:フランコ・ゼフィレッリ
出演:
  クリスティーヌ・オボライス ・・・  ミミ お針子
  ヴィットーリオ・グリゴーロ ・・・  ロドルフォ 
  スザンナ・フィリップス        ・・・  ムゼッタ マルチェロの恋人
     マッシモ・カヴァレッティ  ・・・  マルチェッロ 画家
     パトリック・カルフィッツィ ・・・  ショナール    音楽家
  オレン・グラドゥス     ・・・  コルリーネ  哲学者

時間:3時間7分(休憩2回含む)
MET上演日:2008年3月29日
言語:イタリア語

【あらすじ】
  第1幕

 クリスマス・イブ夜、ミミはローソクの火をもらいにロドルフォのいる部屋を訪ねてくる。
 ロドルフォは「冷たい手」を歌う。

  ミミは「私の名はミミ」を歌う。

第2幕

 クリスマス・イブでにぎわうパリの街(カルチェラタン)に出かけたミミとロドルフォ。芸術家の仲間達も合流する。

 2層になった街、1層はカフェ・モミュス。前の通りには出店が並ぶ。

 子供達に人気のパルビニョールの屋台など賑わいを見せる。他にも足長おじさん(竹馬使用)が登場する。

 そこに、マルチェロのかっての恋人ムゼッタがパトロンと共にやって来てアリア「私が街を歩くと」を歌う。

 最後は2階から降りてくるフランス軍楽隊の行進でお祭り気分が絶頂に達する。

第3幕

 2ヶ月後、雪の降りしきるムゼッタが経営する居酒屋の前、「ミミは肺病を患い症状が悪化しているが、貧しさのために助けられない」とロドルフォはマルチェッロに話す。二人は愛を確認しながら 別れることになる。手前左マルチェッロ、左ロドルフォ。奥で話を聞くミミ。その後、マルチェッロとムゼッタの喧嘩が始まる。

第4幕
 それから数ヶ月、男四人はまた元の屋根裏部屋に過ごしている。
 ロドルフォとマルチェッロは昔の恋人が忘れられず,ふざけて気を紛らわしている。

 そこに、ムゼッタに連れられてミミが運び込まれてくる。なんとか助けようとするが間に合わず、ミミは愛するロドルフォのそばで息絶える。

【感想
 プッチーニの美しいアリアと音楽によってパリの学生街に花開く恋と友情。METで半世紀近く、同じプロダクションで演じられる舞台は、クリスマス・イブの華やかさで花開き、冬の寒さに凍り付ついて愛と悲しみが広がる。
 ミミ役の代役となったクリスティーヌ・オボライスは前日に蝶々夫人を歌い、当日にミミ役を引き受けたというが、上手くこなせるかという不安を払拭するかのように素晴らしい歌唱を見せた。ロドルフォ役のヴィットーリオ・グリコーロも出来るだけのサポートを心がけたと言うが、良いチームワークで公演をやり終えたと思う。 
 ムゼッタ役のスザンナ・フィリップスはMETでの初演はムゼッタだったと言うが魅力たっぷりな演技は第2幕の花形というのにふさわしかった。 
  やはり、フランコ・ゼフィレッリの演出は第2幕のパリのクリスマスイブの雰囲気がまさに絢爛豪華、第三幕の雪降るシーンは悲しみ・切なさを倍加させるに効果的な設定であった。
 解説者のJ.ディドナードが第4幕で涙がで出来そうなのでティシュを持ってきているとも・・・。そういうオペラなのかも知れない。

(了)


映画「ウエストサイド物語」

2021-04-16 | 映画

                            NHK BS プレミアム・シアター 2021/4/11

 アカデミー作品賞、監督賞、助演男優賞、助演女優賞など10部門を受賞、70ミリで製作された映画史上不滅の名作ミュージカル。シェークスピアの「ロミオとジュリエット」をもとに、ニューヨークのダウンタウンの不良グループ リフ率いるジェット団とプエルトリコ人ベルナルド率いるシャーク団の抗争と、トニーとマリアの許されない純愛を、ダイナミックなダンスと数々の名曲で描く。「マリア」「トゥナイト」「アメリカ」「サムホエア」「クール」などの曲はその中でも傑出している。また、当時としては鮮烈なカラー映像が美しく、画像もシャープである。

【監督】ロバート・ワイズ
【原案・監督・振付】ジェームス・ロビンス
【原作】アーサー・ローレンツ
【脚本】アーネスト・レーマン
【撮影】ダニエル・L・ファップ
【音楽】レナード・バーンスタイン (作詞)ティーブン・ソンドハイム
【出演】
    ナタリー・ウッド          ・・・ マリア
    リチャード・ベイマー   ・・・ トニー
        ジョージ・チャキリス   ・・・ ベルナルド 
    リタ・モレノ             ・・・ アニタ
        ラス・タンブリン     ・・・  リフ          他
【製作国】アメリカ 1961
【原題】WEST SIDE STORY

ウエストサイド物語の中では優れた歌とダンスが行われるが、特に全編を通してダンスはキレキレの連続であるが、その名場面のいくつかを取り上げてみたい。

 中立地帯のダンスホールで開かれたダンスパーティでジェット団とが鉢は合わせし、ダンスの技を競う。「マンボ」の曲での踊りは見事である。また、他の場面も含めリフのアクロバティックな動きは優れた体操選手のよう。
 この曲は後にバーンスタインが監修した「シンフォニックダンス」の中でも人気があり、特にグスタヴォ・ドゥダメル指揮シモンボリバル・ユース・オーケストラの演奏がノリノリで凄い。一聴をお勧めする。
 このダンスパーティでマリーとトニーは運命的な出会いをする。

 最も有名な曲の一つ、トニーの歌う「♪マリア」。マリアに魅せられたトニーは恋心を歌う。

  こちらも人気のある曲「♪トゥナイト」。
 「♪マリア」から「♪トゥナイト」まではストーリーは流れるようで見応えがある。

シャーク団の男女の踊り「アメリカ」。難しい人種差別問題をティーブン・ソンドハイムが上手く作詞して場を盛り上げている。
 踊りは、リタ・モレノの独壇場。その上手さは特筆に値する。

 悲劇が起こり追い詰められたトニーとマリアが歌う「♪サムホエア」哀切感が漂う。

 シャーク団とジェット団のお互いの憎しみは頂点に達するが、シャーク団の頭を冷やせと歌う「♪クール」は歌も踊りもスピード感があり、素晴らしい。

【感想】
 ストーリーは二つの不良グループの抗争となっているが、実は登場する人物は真面目で街で非行を繰り返すような青年達ではない。服装も乱れたところはない。
 たまたま?殺人が起こってしまったという内容で、実は中流社会の出来事かと思えるほどである。
 このことが基本にあり、ストーリーが安定して踊りや歌の素晴らしさを際立たせいるのではと思う。
 バーンスタインがこのミュージカルを作曲したのだが、すでにブロードウェイで上演されていたために「映画で使われた新曲」の条件を満たさなかった。このため、アカデミー賞「歌曲賞」の対象にならなかった訳である。なお、「歌曲賞」選ばれるのは一曲だけという。もしかりに新曲だとしたら、何が選ばれたのだろうか?
日本で公開された当時は、「トゥナイト」をよく耳にしたような気がするが・・・。
 いずれにしても、名曲が満載のミュージカルだといえるだろう。

バーンスタイン作曲 「ウエスト・サイド・ストーリー」より「シンフォニックダンス」・・・めいすいの写真日記  2015-6-16

(了)


薬師丸ひろ子主演 映画「Wの悲劇」

2021-04-14 | 映画

                          NHK BS プレミアム・シアター 2021/4/11

  薬師丸ひろ子主演、劇団研究生の静香は、次回公演「Wの悲劇」のオーディションにのぞむが、ライバルのかおりがヒロインに抜てきされてしまう。そんななか、劇団の大女優にスキャンダルが発生。静香は、その身代わりとなるかわりにヒロインの座を手に入れるが・・・。
   
監督・脚本 澤井信一郎
 原作   夏樹静子
 音楽   久石 譲  
 出演   薬師丸ひろ子 ・・・ 三田静香
      世良公則     ・・・    森口昭夫
      三田佳子      ・・・        羽鳥翔
              三田村邦彦    ・・・   五代淳
      高木美保      ・・・       和辻摩子

 製作   角川春樹   1984

【 ストーリー1】 舞台を演じる女優の成長と元劇団員の男性との恋を描いた青春映画の観点から

 野外ステージのある公演で森口は,初めて静香に出会い一目ぼれする。

 静香の住居

森口は静香に自己紹介をしながら一緒に歩く。

ヒロイン(和辻摩子)はライバルのかおりに決まり、静香は端役となる。花束を持ち、静香の帰り待っていた森口に渡された花束を体に叩きつけるが・・・思い直して飲みに行く。


 オーディションに落ちた静香は、「私ってブス?}と問いかけるが森口は「特別な美人ではない」「そんなことは家に鏡あるから知っているわ」、「でもチャーミングだから好き」、「じゃ個性的?」「演技派という手がある」とのやりとりがある。静香は「昭夫なんとかしてくれっ」と静香は泣きじゃくる。
 さらに森口は友達が小さな劇団にいてその親友でライバルだった男がオートバイで事故ってしまい救急車で病院に運ばれた、共に小さな楽団にいたが、親友は注目をされ始めテレビや映画に出演依頼が来始めていた。親友が訪れた時、花に囲まれて元気そうで、届け物が多くバックにぎゅう詰めにされて持って帰った。次に訪れた時はもっと大きなバックを持って来るようにいわれたが、その時は鼻に管通されて痛々しく数時間後には命を落とした。病室も外に出て暫くすると片付けられてしまい、その友達は役者を辞めた。という話をする。
 静香と森口の二人のシーンはここは見せ場でもある。

そのあとの一夜を森口のアパートで明かした静香は立ち去っていく。

 森口は舞台稽古中の静香に、弁当とお茶を届けるが弁当を受け取ると中に入ってしまう、車に乗せて帰ろうとすると、五代の車に方に走って行ってしまう。森口は五代(三田村邦彦)に、お前は妻子持ちなんだろうというと、私は独身と応え。森口は殴り合いの喧嘩をしようとするが五代はその場から立去ってしまう。

  コインランドリーで浴衣姿の静香は森口と出会う。この日稽古で、五代に対しブロンプしなくてもよい場面でしてしまい叱られた。彼の役に立ちたいという気持ちがあるためだったからと森口に告げる。静香は初体験の五代が好きというので、森口は静香がダメだと知りつつも、自分よりも五代の方に気持ちがあることを知る。

 不動産屋の森口は、この空き家の洋館に静香を連れてきて「結婚し、二人で住まないか」と言う。芝居についての見極めがついてからでいいからという。「成功したらどうするの」の問いに、ヒモになる気はない。その時は楽屋に大きな花束を持っていき、さよならの代わりにすると答える。

★次のシーンからは大阪公演以降の話になるがストーリーが劇的に変わりスピードアップする。

 スキャンダラスなテレビの記者会見を見た森口は怒り、静香に言い訳をするをするように迫るが静香は受け入れない。森口はサングラスをかけた静香の顔を殴る。「顔をぶたないで。私、女優なんだから」
  森口は落ちたサングラスを拾い上げ「サングラスなんか似合わない」と言って立ち去る。
 静香は立ち去っていく森口に向かい「見に来てね私の芝居、見に来てね。」という。

  「顔をぶたないで。私、女優なんだから」という言葉は当時の流行語になったということである。

【ストーリー2】  「スターへの道の選択」の観点から

 看板女優の羽鳥翔はパトロンとの降って沸いた腹上死というスキャンダルを恐れ、たまたま通った静香に身代わりになることを頼む。見返りに大阪公演の後の東京公演ではかおりを降板させ静香を主役に起用すると約束する。女優への道を望む静香は引き受けることにする。

 死体が運び込まれた部屋で、一大決心をしフロントへ救急車の手配をする静香。

  静香のスキャンダルを取材するレボーター役は、梨元勝を始めとする経験者なので辛辣な取材をして真実感が溢れる。

記者会見に臨む静香。

 初めての東京公演の本番、主役しての演技について自信を失いかけている静香に羽鳥翔は「女優、女優、女優、勝つか負けるかよ」と言って勇気づける。

 「女優、女優、女優」という言葉も当時、はやったようである。

 羽鳥翔に最後のカーテンコールは譲ると言われ、自分の演技が出来たことを喜びいっぱい観客に訴える静香。

 舞台が跳ねた後、静香は姿を現すが役を外された元摩子役のかおりが、「静香が羽鳥翔のスキャンダルをかぶり、自分の役を奪った」とナイフを持って襲ってくる。それを見ていた森口が中に入って静香を守り、怪我をして病院に運ばれる。その後には約束の大きな花束が・・・。

 静香は女優として再起することを誓い、森口に別れを告げる。そんな静香の去り際を、森口は拍手で見送る。
 森口にお礼の挨拶をする静香。

 【感想】数々の賞を得た映画であり、確かに見栄えはする。
舞台を演じる女優の成長と元劇団員の男性との恋を描いた青春映画というだけでも一つの作品として認められたと思う。
 しかし、静香が羽鳥翔のスキャンダルを引き受け、劇中劇が加わり羽鳥翔役の三田佳子が熱演し、一気にストーリーが熱を帯び、緊迫度を増す。日本のシェークスビア演出の雄だった蜷川幸雄が舞台を引き受けたことも効果は大きい。
 薬師丸ひろ子がアイドルから大人の女優に成長した映画としても有名であるが、「セイラー服と機関銃」しか彼女の映画を見たことがない私には、ごもっともと思った。
 また、薬師丸ひろ子の歌う主題歌も素晴らしい。

(了)


牡丹の花・・・箭弓稲荷神社ぼたん園

2021-04-12 | 

 埼玉県東松山市にある箭弓稲荷神社。神社の敷地内に「ぼたん園」があります。開園は大正12年と古く,神社と共に観光の名所となっています。敷地面積3500平方メートルで、牡丹の本数は1300株ということです。

 今回は十数年ぶりに志木駅から東松山駅まで電車に乗って出かけました。電車は急行で30分ほど。東松山駅前周辺は平日で花の時期もやや早いためか徒歩で3分ほどでしたが閑散としていました。記憶に残っていませんが、通りは拡幅され、街並みも変わったようです。
 ところで箭弓稲荷神社は創建は奈良時代(702年)、商売、勝負の神様として有名です。所沢が本拠地の西武ライオンズが「やきゅう」の名前から新年などによく参拝します。

 ぼたん園の一部。つつじやさつきも咲いています。でも藤棚の藤は未開花でした。コロナの蔓延防止も発令されるので「ぼたんまつり」は残念ながら中止?

 牡丹そのものは開花時期は4月中旬から5月上旬ですので、見頃を迎えています。

  赤紫

 桃色。桃の実を連想させます。

  薄い桃色。牡丹の大輪は見栄えがします。
 「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」として古来から日本人に親しまれています。


志木市の桜(4)・・・ 八重桜

2021-04-10 | 

 新河岸川の親水公園、桜の小道にある八重桜が満開です。
 志木市の桜(1)枝垂れ桜、(2)ソメイヨシノ、(3)長勝院ハタザクラと掲載してきました。今回は八重桜。

   身近な場所で、今年も春を感じる美しい桜を見ることが出来ました。

  開花時期は、 4/10  ~ 5/ 5 頃で、桜より咲き始めが2週間ほど遅い。
 近くで見ると八重桜が一番美しい。花の形から「牡丹桜」とも呼ばれます。
  塩漬けした花にお湯を注ぐと「桜湯」になり、婚礼の席で用いられます。


芝桜

2021-04-09 | 

 新河岸川のいろは親水公園内、右岸の護岸のブロックの中に植えられた芝桜

 こちらは、新河岸川の川辺沿いの家の庭に咲いていた芝桜

 芝桜はハナシノブ科フロックス属の植物。 Phlox(フロックス)は、ギリシャ語の「phlogos(炎)」が語源で、花の色に由来しています。

 濃い桜色だけでなく薄い桜色、薄紫、白などの色があります。  開花時期は、 3/25 ~ 4/末頃。・北アメリカ東部原産。
 春に、桜に似た花が咲き、石垣や広い斜面に絨毯のように広がります。それ以外の時期にも葉が芝生のように広がります。
  地に這うようにして咲くので、土の流失を防ぐ役割も果たしています。暑さや乾燥に強いということです。

 

 


薬師丸ひろ子主演 映画「セーラー服と機関銃」

2021-04-07 | 映画

                            

                        NHK BS プレミアム・シアター 2021/4/4

 当時10代の薬師丸ひろ子が主演、主題歌も大ヒットした80年代を代表する傑作青春映画。亡くなった父に代わって日高組の組長となった高校生・星泉が、敵対する組員との抗争や、父の死の真相に巻き込まれていくが・・・。赤川次郎の小説を映画化した相米慎二監督が、少女から大人へと成長していくヒロインをみずみずしく描き、とりわけ機関銃を乱射し、「カ・イ・カ・ン」とつぶやくクライマックスが、日本映画史上の名シーンとなった。

【原作】赤川次郎
【監督】相米慎二
【脚本】田中陽造
【音楽】星 勝

【出演】薬師丸ひろ子・・・星泉
    加瀬恒彦・・・佐久間真
              林家しん平・・・目高組トリオ・ヒコ 元暴走族
              酒井敏也・・・目高組トリオ・メイ 泉のボディー・ガード
             大門正明・・・目高組トリオ・政 
      風祭ゆき・・・三大寺マユミ
           柄本明・・・黒木刑事
      寺田農・・・ 萩原
      三國連太郎・・・太っちょ・三大寺一  ほか
 【製作】1981    1時間53分

星泉は、考え事をする時にはブリッジをする。初登場のシーンがこれ。

 泉の唯一の親戚である目高組の組長(叔父)の葬儀。父も母も死んでいるので、天涯孤独となった。泉の取り巻きの3人の同級生と共に祈りを捧げる。

家に戻ると、まゆみという人物がいて、父の手紙を持っていた。手紙には、いっしょに暮らすようにと書いてあった。

星泉を出迎えに来た目高組の4人の組員。後ろに並ぶのはこの日雇われたエキストラ。

  星泉を佐久間が出迎え、ボロ車で目高組事務所に連れて行かれる。

先代の組長からの遺言で四代目組長は遠縁である「星泉」となっていた。泉は当然断るが、「組長には、年齢も性別も関係ない」といわれる。佐久間は受けてもらえねば対立する松の木組みに乗り込んで散り花を咲かすと言う。4人と40人との闘いになるという。それを聞いて泉はやむを得ず組長を受けることにし、女子高校生が目高組長となる。

組長就任を組織のトップ浜口組に挨拶し、馬鹿にされるがご祝儀を貰って、盛り上がる組員達。

 黒木刑事と話をした後、家に戻ると家の中が酷く荒らされていて、まゆみの姿はなかった。(魚眼レンズを使用して撮したという場面)

 その後、まゆみは助けて貰った父の面影を追い、佐久間と男女関係を結んでいることを泉は知る。

 夜、バイクで新宿通りを走り回るヒコと仲間。ヒコの後に泉はヘルメットをかぶり相乗り。 
しかし、組に送り届けて貰った翌日、組員ヒコは殺される。

 ヒコが殺されたことで泉は単身「松の木組」に乗り込むが、反対にクレーンで宙づりにされ、貯留槽を利用したコンクリート責めにされる。しかし、佐久間が松の木組長の息子を人質に取ったので泉は開放される。
 実はヒロを殺したのは松の木組ではなく、「太っちょ」三大寺一の指示によるもので、闇社会を仕切り、事件の背景にはヘロインの存在があることが明らかになってくる。

 メイが泉のボディーガードをしていたところを黒木がやって来て建物内に入ろうとする。これを防ごうとし、メイは刺されてしまう。大事には至らなかったが、泉が治療に当たる。しかし、萩原が入ってきてメイは射殺される。泉は荻原に「太っちょ」の元に連れて行かれる。

「太っちょ」、「三大寺一」のもとで殺されかかった泉を助けてくれたのはまゆみだった。まゆみは三大寺一の娘であった。
 この景色の良い場所で、まゆみはさらに「高価なヒロインは泉の部屋に粉末ではなく水に溶かしてローションの瓶に詰められている。」と三大寺一に告げる。
 また、ヒロを殺したのは「私」と黒木は話す。黒木は刑事であり、かつ三大寺一の手下であった。黒木は急ぎ泉のマンションに出向く。

 追い詰められたのは泉と佐久間だった。しかし、まゆみが父の三大寺一を射殺。三大寺組の解散を告げる。 

 萩原は三大寺一の部下であったが「浜口物産」に寝返り、先回りして泉のマンションでヘロイン入りのローションの瓶を手に入れ、黒木刑事を殺害する。
 「漁夫の利」を得たのは「浜口物産」だった。

泉と佐久間と政の目高組の三人は新宿の高層ビルにある浜口物産に殴り込みをかける。

 泉は機関銃を乱射、浜口組を倒す。左に政(この時の銃撃で死亡)右に佐久間

 この機関銃の乱射のあと、泉は「カ・イ・カ・ン」とつぶやく。

以下、ネタバレ御免

■ 泉と佐久間の別れの言葉

「終わったのね。」
「ヒコもメイも政も死んじまって目高組、これでお終いです。」
「ごめんなさいね。私が組長になったばかりに組をつぶしてしまったみたいで。」
「とんでもねぇ。お陰で最後の一花、どんと花火見たいに咲かせることが出来ました。死んじまったあいつらも、先代に褒めて貰っているでしょう。お礼申し上げます。」
「やだ、他人行儀ね。」
「もう他人ですよ。組がなくなりゃ,組長はもとのセイラー服のお嬢さん。」
「佐久間さんはどうするの?」
 「東京を離れて、どこかの田舎町でひっそりと暮らしてみようと思います。」
「じゃー、ヤクザは?」
「切った、貼った稼業から足を洗います。」
「本当に?」
「ヤクザの世界は所詮、後ろ向きです。仁義だ、男だと力んでみても本音は先へ進むのが怖いんですよ。だからちっとも前を見ようとしねぇ。臆病なんですよ。ヤクザもんは」
「そのことを組長に教えてもらいました。」
「組長はやめて、もう目高組はなくなったんだから。」
「じゃーお嬢さんお元気で。」
「佐久間さんも。」
「約束して,しっかり堅気になるって。」
「しっかり堅気になってもう一度,あのマンションを訪ねます。誓います組長。」
「ほらまた」

■ 泉と佐久間は「め組みの纏」を燃やします。

その数か月後、警察に呼ばれた泉は佐久間の遺体を確認します。佐久間は、喧嘩を止めに入り、刺されたのでした。泉は佐久間にキスをします。そして、係員から佐久間の名刺をわたされます。稚内市の建設会社の営業課の名刺で裏には「泉様 新入社員の挨拶の出張で東京に来ました。お留守でしたので、いずれお目にかかるのを楽しみに」と書かれていました。泉は小さく切ってビルのテラスから投げます。

■ 薬師丸ひろ子が歌う主題歌のシーン

 それからセーラー服のまま赤いハイヒールを履いて新宿通りに出ます。新宿伊勢丹前を数百m離れた新宿東映屋上から500mmの望遠レンズで撮影したという。

マリリン・モンローの地下鉄の送風口のシーンを連想させるシーン、薬師丸ひろ子はあまりの羞恥心のため、役に集中出来なかったという。

「生まれて初めての口づけを中年のおじんにあげてしまいました。わたくし愚かな女になりそうです」

【感想】

 この映画の大ヒットについて考えてみたい。当時はシネマコンプレックスもなく、上映館は限られていた。
 また、完全入れ替え制もなかったため、混んで席に座れないばかりか壁によりかかるスペースさえもなかったという。驚くべき大ヒット映画だといえるだろう。この映画の主役として薬師丸ひろ子はすでに中学2年の時から名前が挙がっていたという。そして高校2年の時に配役が決まったという。
 何故、これだけ人気が出たのだろう。やはり薬師丸ひろ子の美貌があったことはもちろんだが、セイラー服というのは、純潔が感じられ魅力あるということ。女子高校生そのものが人気がある。さらにヤクザの世界で活躍するというのは、考えられない異質の世界であり、かえってその対比に興味が湧くことによるのではないか。映画もその点を上手くまとめていると思う。さらに付け加えると、組長星泉は、ヤクザの世界で血の流れること、殺し合いを嫌っていたことである。また、麻薬を始めとする悪事も好ましいと思っていなかった。最後に組織のトップ浜口組を倒し、周りの悪の世界を一掃し、正義を取り戻した。「カ・イ・カ・ン」といったのは、まさにそこにあったのだと思う。目高組が解散し幹部である佐久間が「堅気」の世界に戻ったことは、映画を見た人には、すっきりとなった世界を見て爽快な気分になったと思う。

 あとは、やはり主題歌である。薬師丸ひろ子は俳優として名前は売れていたが当時歌手としては無名だったようである。この歌が魅力的な上に、薬師丸ひろ子は歌が上手であった。これが大きく人気を盛り上げることになった。薬師丸ひろ子は、その後日本アカデミー賞で主演女優賞を取ったり、お母さん役で助演女優賞を何度も取ったりしている。最近も朝ドラにも出たりしており、いまでも好感の持てる演技をしている。この映画を礎に良い人生を送っていることが好ましく思える。

  この映画のラストシーンで言った「 わたくし愚かな女になりそうです」という風にならなくて良かった。

(了)


我が家の八重つつじ・・・2021

2021-04-06 | 

 我が家のつつじが満開になりました。帰宅して玄関に近づくと華やかな気持ちになります。

 以前の写真と見比べてみると、隙間がないほど花が多く咲いています。
よく見ると花びらの裏にまた、花びらが重なっていて、八重であることを初めて知りました。

 つつじは、花びらが5枚で八重つつじは園芸品種ということです。
フリルのような花びらにボリュームがあり美しいです。


映画「子鹿物語」

2021-04-04 | 映画

                         NHK BS  プレミアム・シアター 2021/04/04

 昔、この地を開拓し故郷とした人々がいた。彼らは飢餓と闘い、懸命に働いた。現代の繁栄と自由は、彼らの忍耐と苦労のたまものなのだ。そんな彼らに本作を献げる。 我々は彼らを忘れない。

【原作】 マージョリー・キナン・ローリングス
【監督】 クラレンス・ブラウン
【撮影】 チャールズ・ロシャー、レナード・スミス、アーサー・アーリング
【音楽】 ハーバート・ストザート
【出演】  グレゴリー・ペック・・・父親ペニー
     ジェーン・ワイマン・・・妻のオリー
     クロードジャーマン・ジュニア・・・息子ジョディー

   製作  アメリカ 1946 2時間9分
   原題  THE YEARLING

  1878年4月フロリダのジョウジ湖。南北戦争闘った私は、数年前、この湖にやって来た。そこから船で川に向かい文明社会に別れを告げ 、住む場所を求めて密林に入った。
 奥に進むほど森は鬱蒼としていて、草木自身、空気を求めて苦闘している。私は原点に回帰していった。都会と戦争から離れゼロから始める。私は船を下り、森の中に入っていった。低木が茂るこの地、少数の開拓者のみが住む。私は近くの村で妻と出会い、一緒に樹海を切り開いた。そして開墾した土地を”島”と呼んだ。こんな感じだあれから我々は何年もの間、苦楽をともにしてきた。これが我が家、バクスター島だ。

【ストーリー】
  フロリダ北部のやぶ地帯の空地にバクスター一家は自然と戦いながら農作をしている。父親のペニイはやせて背の高い男で未開の原野を開墾し、家畜を育て、家畜荒らしに来る野獣を退治するのが仕事である。母オリーはブロンドの小柄な女であるが1日中、台所仕事に追われ、遊び盛りの11歳の息子ジョディーを小うるさく叱るが根はやさしい働き者だ。

 ある朝、豚や子牛など家畜荒らしをする大熊を狩るため、足跡をたよりに、ペニイとジョディーは猟犬を連れて出かけた。沼地近くで熊を追い詰めるが、運悪くペニイの旧型の猟銃は逆発(バックファイア)したため諦め、熊を逃がさざるを得ず、勇敢に闘った猟犬のうち一頭が重傷を負う。

  熊の喉にかみつくペニーの猟犬、しかし反対に叩きつけられる。

 壊れた鉄砲では一家がそのものが危険なのでペニイは隣人フォレスター家を訪ねる。フォレスター一家は父と母のほかに大男の息子達アーチ、ミルホイール、ギャピイ、バック、レムの5人と背骨の曲がった末子フォダークウィングがいる。ペニイは連れて行った猟犬とレムの最上の銃とを交換する。レムが犬好きなことと、その小犬が臆病で熊と闘わなかったのに、怪我もしないほど強いと信じこんだのである。結果的にペニーはレムをだまして銃を手に入れることになった。

 この夜、ジョニーは戸外に作られたフォダークウィングの小屋で夢を語らいながら過ごす。

  母親から「あなたたち毛布はあるのめ?」と訪ねられる二人。

 

 後日、ペニイは作物を売りにヴォルージアへ出掛ける。お共をしたジョディーは彼が崇拝するオリヴァーが旅から帰って、恋人のツウィンクと結婚すると聞いて喜ぶ。ツウィンクにはレムもほれていて、オリヴァーがレム達と会うと大喧嘩となり、ペニイ親子もオリヴァーの見方をして戦った。

 このため両家は不和となり、バクスターの豚が盗まれたのもフォレターの仕業だと考え、ペニイは取り返しに出掛ける。その途中ペニイは大毒蛇(ガラガラヘビ)に足をかまれ、近くにいた雌鹿を射殺してその肝臓と心臓とで毒を吸いとる。一方殺された雌鹿の子鹿は森の中で鳴いていた。
 ペニイは雌鹿の肝臓と心臓で応急処理をしたが、死にひんし、フォレスター家の力を借り、医者の治療を受けることになる。

ペニーは蛇の毒が回り寝込んでしまうが、奇跡的に助かる。

 ペニーが助かったのは雌鹿のおかげだから、といってジョディーは雌鹿が残した子鹿を家で飼うことを許される。早速、ジョディーは雌鹿の撃たれた近くで子鹿見つけ出し、家に連れ帰り飼うことにする。後に尻尾が白いことからフラッグと命名し、子鹿と遊んでしばらく楽しい日々を暮す。

しかし、フォダークウィングを訪ね、仔鹿を見せようとするがフォルダーウィングは、亡くなっていた。何の前触れもない死であった。

ペニーは、フォダークウィングのお墓の前で父親に頼まれて祈りを捧げる。
 「全知全能の神よ。我々に善悪などは分かりませんが、この子の不自由な体が不憫でした。
でも主は埋め合わせもなさった。動物と親しむすべてと血と優しさを授けられたのです。
この子は不自由とは無縁の世界に召されました。この子は主に足を伸ばしていただき自由に歩き回ると我らは思っています。この子に赤い鳥とリスかアライグマをお与えください。
この子が寂しくならないように。天国に数匹動物を置いてください。御心(みこころ)の行われんことをアーメン。」

 その葬儀が終わった後から、嵐が始まり、1週間以上も雨が降り続く。

雨の中、収穫物を家に運ぼうとするが・・・・。

農作物は腐ったり、カビが生えてしまったりで、この水害により、大きな損害と被ることになってしまった。

家の前が水につかり悲惨な有様だ。

 ペニーはいう「人は徹底的に打ちのめされるとやり直す気力も失ったと思いがちだ。でも、残されたものが少しでも、それに感謝しよう。」

 太陽だ

 「母さんいい天気だ。死人も目を覚ますぞ。トウモロコシやタバコをまくよ。
 ササゲ、ジャガイモ、青菜もだ。母さんどんどんまくよ。世界中に種をまきそうね。
  そうしたいよ。ジョーデイ 全部まくからな。タバコが育てば、水くみが必要なくなる。(井戸は家から1kmもさきにあった)
  家の前に井戸が出来るぞ。今日は忙しかったな。」

 オリヴァーとツウィンクの結婚式が行われることになり、バクスター一家は待ちに出かけていく。
 結婚したオリヴァーとツウィンクは船でボストンに旅立つ。

しかし、結婚式から帰ってきた一家を待っていたのは育てた農産物を食い荒らす成長した子鹿だった。

 その子鹿の食害を防ぐために一家は様々努力するのだが・・・・。

 畑を開墾しようとして腰を痛めてしまうペニーに変わって、ジョディーはトウモロコシの苗が育つ前に、鹿が入れない背の高い柵を作れという父との約束を果たすのだが・・・・

【感想】
 アメリカの開拓時代という古い時代を描いた映画であるが、厳しい大自然の中で起こる苦難を乗り越えていく少年の成長を題材にした映画である。素晴らしい内容だと思う。
 少年達は動物を愛玩するけれど、生活がかかった家庭の中では母親のような割り切りは起こりうる話である。
 また、父親が小鹿とジョディーのために、もう少し頑張るべきではないかという意見も多いようだ。無論一理ある。
 しかし隣のフォルスター家の言葉を借りればペニーは「農業の天才」といわれているし、バクスター島(我が家)を無から作り上げ才能は評価しなければならないと思う。精神面はしっかりとしている。

 ジョーディについては、子鹿との日々をどう過ごしたのかはもちろん大切だが、同年代の子供達との付き合いもどのように描かれているかが大切だ。まず、夜の戸外の小屋で親友のフォダークウィングと足が不自由になった時の話を子供らしく聞き出して、話をする心の優しさを感じるし、反対にペニーと馬車で町に買い物行った時、店の娘、ペニーのいうジョーディの恋人?ユーラリーが奥から出て来たので挨拶をするようにといわれるが彼女がジョーディーに向かってベロを出したり、アカンベーをしたりするので彼女に向かって芋を投げつけ、それが尻に当たる。今度はペニーが彼女に対し謝れという。そうすると父親の店の主人からサービスとしても貰っていたハーモニカを突き返して外に出て行くというシーンがある。ジョーディの毅然とした態度は一人の人間として、また男として、なかなかだ。ユーラリーの父親さえも「威勢が良くて結構」の褒め言葉が・・・。これらの話の方が、映画の中ではずっと輝きを見せる。

 今後、ジョディーの将来を考える時、農業者として生きていこうという強い意志がある限り、この大きな精神的な痛手を乗り越えて、立派な人間としての明るい未来が待っているものと思える。

〈完〉