◇ アンコールトム
アンコールトムは総延長12Km、幅130mに及ぶ環濠と城壁に囲まれたクメール王朝最後の栄華を誇った都市跡です。
アンコールワットの北、2.5kmに位置します。総面積は900ha。アンコールトムとは、「大きな都城」を意味します。
12世紀から13世紀にかけてジャヤヴァルマン7世が建設しました。
東西南北4つの門、勝利の門の5つの門があり、中央にバイヨンと呼ばれる寺院があります。そして北西には王宮跡。
写真はバイヨンを南側から見たところです。
パイヨンには、いくつもの四面の観世音菩薩像がありますが、これは「クメールのほほえみ」をたたえているという最も美しい像。
クメール王朝時代に思いをはせて、祈りを捧げました。
蓮の花の上で踊るアブサラ(天の踊り子)の像。
前日に、ディナーショーで見た、現代のアブサラの踊りに比べて、かなり腰をひねっています。手や足の指の動きもしなやか、
衣装もずっとセクシイです。往時は少なくも600人を超える踊り子がいたと考えられ、相当な修練を積んでいたことでしょう。
象のテラス、このテラスが300m 以上続きます。
こちらはライ王のテラス。これらのテラスの前には、広場があり、ここでいろいろな催し物が行われました。
◇ タプロム寺院
アンコールトムの東、2Kmほどにある「タ・プロム寺院」。12世紀後半にジャヤヴァルマン7世が母の菩提を弔うた
めに、建設し、13世紀前半まで増築が繰り返されました。
寺院内には5000人あまりの僧侶、615人の踊り子など1万2600人もが住んでいたと伝えられています。
東西1km、南北に60mあります。長年にわたり放置されていたため、ジャングルとなり、巨大な榕樹(ガジュマルの
一種)が絡みついて、神秘的な雰囲気がかもし出されています。
タプロム寺院、西塔門。
タプロム寺院、西門
榕樹の木が遺跡に絡まってしまっている。長い間放置したため、ジャングルになってしまった。
インド政府が行った修復作業。上が施工前、下が施工後。
こうした世界遺産での修復作業には、高度な技術が必要と思います。
◇ バンテアイ・スレイ ・・・ 東洋のモナリザ
バンテアイ・スレイは10世紀に、ジャヤバルマン5世の師範であったヤジュニャヴァラーハが建立したヒンズー教の寺院遺跡。
バンデアは砦、スレイは女で、バンデアイ・スレイとは「女の砦」を意味します。
アンコール遺跡群の中では、規模が小さいのですが、彫刻は、精緻で彫りが深く、洗練され、優美といわれています。
シェムリアップから北東に40Kmと、郊外にあって保存状態は良好です。
素材に近くで撮れる赤い砂岩が使われています。地面もラテライトで赤い。
バンテアイ・スレイの全体像。一番高いのが中央祠堂、南塔と北塔に挟まれています。
これは、第二周壁の東門。ここから入ったところに第二周壁があり、さらに中央祠堂があります。
中央祠堂の入り口、右側に小さく見えるのが「東洋のモナリザ」といわれるデバター像。ここから先はロープがあり、近くで見られません。
望遠レンズで取った、「東洋のモナリザ」
さらに上半身だけ切り取った写真です。
バンテアイ・スレイは、今回のアンコールワット遺跡群の中でも、最も感動したものの一つでした。
詳しくは「めいすいの海外旅日記 アンコールワットとベトナム2都市 第5日 アンコール遺跡群(2)・・・アンコールトム他」をご覧下さい。