NHK BS シネマ 2021/01/27
突然、人間を襲い始めた鳥たち・・・。華麗な映像テクニックを駆使して理由なき恐怖を描く傑作アニマル・スリラー。
サンフランシスコのペットショップで出会った弁護士のミッチに好意を抱いたメラニーは、ミッチが母と週末を過ごす小さな漁村(サンフランシスコ州ボデガ・ベイ)に彼の妹キャシーの誕生日のプレゼントの小鳥(ラブ・バード)を持ってひそかに訪れるが、ボートの上でカモメに襲われる。その後、次々と鳥たちが人間を襲い、次第に激しさを増していく。村はとうとうパニック状態に。メラニーが来てから起きるようになったと彼女は「魔女」呼ばわりされる始末。ブレナー家も鳥の大群に二度も襲われることになる。そしてメラニーもついに大けがをする。
メラニーとブレナー一家はボデガ・ベイの周辺地域から脱出できるのか・・・。
【製作・監督】アルフレッド・ヒチコック
【原作】 ダフネ・デュ・モーリア
【撮影】 ロバート・バークス
【音楽】 バーナード・ハーマン ・ レミ・ガスマン・オスカー・サラ
【出演】 社交界の名士・・・メラニー・ダイエルズ・・・ティッピ・ヘドレン
弁護士 ミッチ・ブレナー・・・ロッド・テイラー
ミッチの母親 リディア・・・ジェシカ・タンディ
ミッチの妹キャシー・・・ヴェロニカ・カートライト
小学校の先生 アニー・ヘイワース・・・スザンヌ・プレシェット
【製作国】アメリカ 1963年
【原題】THE BIRDS 、 カラー
メラニーはサンフランシスコから100Km離れたボデガ・ベイへスポーツカー(アストンマーチン)を運転して訪れる。
さらに、ブレナー家へは裏口からこっそりと行くために、モーターボートをひとりで運転していくが、帰り道の桟橋でカモメに襲われて怪我をする。メラニーの訪問に気がついて追いかけてきたミッチがメラニーの手当てをする。
暖炉から大量の雀が部屋に侵入してブレンダー家は騒乱状態になる。その後、鳥たちは去って行く。
烏やカモメでびっしり埋まったブレンダー家の周辺
鳥への恐怖という映画の主題がありますが、メラニーとミッチの恋愛関係、ブレナー一家、特に息子離れが出来無い母親やキャシーと小学校などの雰囲気。そしてミッチの元彼女のアニーとメラニーの対話、ボデガ・ベイの人々がこの事件についてどのように考えているか、などなど人間関係もよく描かれているといえます。これも名作と言われる所以でしょう。
製作された1963年というと今から58年前、映画の全てがアナログで作られていたことを考えると、特撮がいかに優れていたかが分かります。多くの鳥が集まっているシーンの撮影もどうやって取ったかと感心せざるを得ません。
襲ってくる鳥が、カモメであったり雀であったり、カラスであったりしますが、カラスは、まれに本当に人を襲うことがあるので怖いですね。まして、映画の中でずらりとカラスが並んだ様子はまさに恐怖そのものです。
また、日本ではまだ自家用車を持っている人は限られていたのに、当時のアメリカ社会は進んでいるように感じました。