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WOWOW 2021/9/18
古代エジプトの王アクナーテンの激動の生涯。音の迷宮と荘厳な演出が五感を虜にする。
平和を求めて宗教改革を断行した古代エジプト国王アクナーテン。新しい社会を築き、美しい王妃と愛の生活
を営んだ若き王者の悲劇的な末路とは?
ジャンルを超えて活躍する人気作曲家P・グラスの代表作がMETで初演。光り輝く花園のような音の迷宮が、
P・マクダーモットのカラフルで荘厳な演出が五感を魅了する。マルチなスターA・ロス・コスタンゾが、
伝説のエジプト王を体当たりで演じる。
【作曲】フィリップ・グラス
【演出】フェリム・マクダーモット
【指揮】カレン・カメンセック
【出演】出演:
アクナーテン・・・アンソニー・ロス・コスタンゾ
カウンターテナー
ネフェルティティ・・・ジャナイ・ブリッジス
太后ティイ・・・ディーセラ・ラルスドッティル
アメンホテプ3世(亡霊)・・・ ザックリー・ジェイムズ
【上映時間】:3時間39分 (休憩2回】
【上演日】:2019年11月23日
【言語】:混合言語
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第1幕 アクナーテンは、太陽神アテンを頂点とする一神教を宣言する。
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第1幕 戴冠式を終えたアクナーテンと、王女ネフェルティティ
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古代エジプトの壁画にも描かれているジャグリング
【あらすじ】紀元前1300年代のエジプト。父であるアメンホテプ3世の死去に伴って
即位したアメンホテプ4世は、太陽神アテンを唯一神とする一神教を宣言、「アテンの精神」を
意味するアクナーテンと改名し、神官たちを排除して新しい都市を建設する。
アクナーテンは美しい妃ネフェルティティと愛し合い、6人の娘をもうける。
しかし追放された神官たちと古い宗教に慣れた国民の不満は高まり、
やがてアクナーテン一家に反旗を翻すのだった。
【このオペラの特徴】
現代作曲家のP.グラスによる今作は,出演者にとっては人生が激変する体験。
METでは見ることの出来ないような目を見張る演出で今作は”恍惚へと誘う儀式”と呼ばれます。
オケが豊潤に奏でる流れるような音楽はジャグリングで目に見える形で表現されます。
グラスらしい抽象的な物語で語られるのは、王アクナーテンの栄光と破滅。
古代エジプト史では彼の功績は謎に包まれています。
彼は時代に先駆けて一神教を採り入れました。太陽神です。短い治世だったのも当然かと・・・
王アクナーテンと伝説の女王ネフェルティティの二人は美しい世界を築きます
創造力の尽きないP.マグダーモットの演出はグラスの作品にピッタリ。うっとりさせる光景が展開します。
まとめてみると
①ミニマル・ミュージック ・・・ パターン化された音型を反復
楽譜は複雑で演奏が困難とのこと
②パーカッションや鐘の音を多用。オケからバイオリンを省く。コンマスはビオラ
③豪華な衣装 古代エジプト王室を彷彿とさせる豪華な衣装
④照明 高度な技術で舞台を盛り上げる
⑤ジャグリング ジャグリングのバターンと音楽との関連性を持たせた
⑥スローモーション 動作にスローモーションを多用している
⑦タイトルロールのアンソニー・ロス・コスタンゾは当初、裸体で 登場
頭髪を全部そり、全身脱毛(ワックス脱毛は痛いらしい)・・・別世界に誘うためとのこと
第2幕 アクナーテンと、王女ネフェルティティは愛を誓い合う
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第2幕 古代都市テル・エル・アマルナの建設が進む(工事はジャドリングで表現)
中央はアメンホテプ3世(亡霊)
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第2幕 アテン賛歌 アクナーテンは太陽神アテンに祈りを捧げる
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第3幕 家族 アクナーテンと王女ネフェルティティと6人の娘たち
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第3幕 アクナーテン達が独自の世界を築く中、民衆の不安は高まり
神官たちはアクナーテンに反乱を起こす。
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第3幕 アクナーテンは死を迎え、17年間の治世は終わる。見守るのはアメンホテプ3世(亡霊)
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第3幕 新たなファラオが戴冠する。右はミイラになったアクナーテン
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第3幕 アクナーテン、ネフェルティティ、ティイ の霊魂が再び響く
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第3幕 現代 アクナーテンの古代都市 テル・エル・アマルナへの道案内
テル・エル・アマルナにはマラウイを南下して河を渡る
ナイル河東岸に着いたら その先は徒歩かロバで進む
村の南が古代都市テル・エル・アマルナ
ネフェルティティ神殿のほか アクナーテン期の遺跡はわずか
くさび文字の粘土板はシリアとの通信手段
現在はカイロ博物館で見られる
ナイル河東岸へはフェリーで移動する車と一緒に地元民や荷車も乗る
乗り場は 町の南端 朝6時の便に乗る場合 30分前には乗り場へ
フェリへは混み合うので乗り遅れないように
かつての王都の面影はない 泥レンガの建物は崩れ落ち
巨石の神殿は 基礎だけが残る
墓と都の遺跡のほかに 平原の石碑が 当時の範囲を示している
石碑の多くは 散在しており 保存状態も悪い
これは、遺跡の現代人への道しるべと言ったところか
(了)