マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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鍵の蛇巻き

2006年06月27日 07時52分29秒 | 田原本町へ
田原本町鍵の八阪神社で行われる「蛇巻き」は旧暦5月5日の端午の節句に行われる男の子の行事で、大和平野部で見られる子供が主役で祭典される野神行事です。

昭和55年からは毎年6月第一日曜に祭事されています。

蛇巻きは、巡行道で蛇綱を持つ子供らが引き合い儀礼を繰り返し、途中で蛇を見物客を蛇で巻き付ける行為があったことから呼ばれていましたが、現在は引き合いだけになっています。

午前中に作られる2mあまりの大きな頭の蛇綱は龍神を表わし、稲作田植えの時期に恵みの降雨を祈る象徴。

栽培したムギを刈り入れる時期に行われるこの行事は大昔には「野麦」行事とも呼ばれていました。

蛇巻き巡行はオヤ当屋の家、男子誕生の家、嫁さんを迎えた家、新築の家を回って「おめでとー」と、ドサン箱と呼ばれる祝い膳をぶら下げた長い竹を戸口に突っ込んでいきます。

ドサン箱の中には樫材で作られた農具のミニチュアが収められています。

地区外れの「はったはん(八王子)」に着くと、蛇頭を榎に巻きつけ納め膳を供えて神職とともに礼拝して終わります。

(H18.6.4 Kiss Digtal N撮影)

矢部綱掛け

2006年06月05日 08時51分31秒 | 田原本町へ
田原本町矢部では5月5日の子供の日に矢部の「綱掛」が行われます。

前日に同地区10組で構成されているなかの当番の組当家らが約7mの長さの藁縄一面に藁を垂らした綱や牛の版画、ミニチュア農具を2時間かけて作ります。

綱の先頭に取り付けた竹籠には栴檀(せんだん)を飾り、中には稲苗、牛の版画やクワ、スキ、マンガンのミニチュア農具を収めています。

直会を済ませた一行は、収録された伊勢音頭を囃子ながら奉幣を先頭に子供たちが綱を担ぎ地区組の一軒、一軒を練り歩き回ります。

目出度い新婚さんの家、長寿の方々や次当家の方々に綱を巻きつけて祝います。

綱は集落の南寄りの綱掛の地にあるヨノミの木(昔は栴檀)に掛けられた後、僧侶の読経が始まります。

米や麦が豊作であるように、また集落に邪気が入らないように祈願します。

農牛馬を神とした野神さん信仰の行事のひとつです。

(H18.5.5 Kiss Digtal N撮影)