マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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藤井三十八神社鬼打ち

2008年02月20日 08時50分38秒 | 天理市へ
毎年1月13日は天理市藤井の三十八神社で鬼打ちが行われる。

昼過ぎ境内に集まって氏子らは手分けして弓、矢、鬼的や高い鳥居門を設えていく。

竹で編んだ大きな的は白紙で糊付けて中央付近にはハナと呼ばれる太い竹、鬼的の周囲には13本の御幣を取り付ける。

弓は桜の木でワラ縄の弦で引き締める。

矢はススンボ竹で羽根は白紙。

一方、コメを納めた御供は総代長ら長老が松苗に結びつける。

拝殿にゴボウテン、カマボコなどの神饌を供えて、長老となる一老や総代長らが上り神事が始まる。

現在はゴボウテンとなった神饌。

昔はスゴボウにマメを石臼で磨りつぶしたクリーム状のものをかけていたという。

話を聞く限り田原本町の多観音堂で行われる牛蒡食行事と同じ形状であったと考えられる。

石上神宮の神官が祓え儀などの儀式を済ませると天、地に向けて矢を射る。

そして、交替した一老は無病息災や豊作を願って東西南北に向けて矢を射る。

次に射る白丁を着た二人の当人(年当家、次当家)は、射る位置が後方の門に移る。

ひとりずつ三本の矢を射るとお神酒をヨバれ、再び鬼的目がけて三本の矢を射る。

伝統行事を終えた氏子らは引き続いて残り矢を次々と打っていく。

打った矢は御供苗を結びつけて持ち帰り、苗代床に挿して供えられる。

(H20. 1.13 Kiss Digtal N撮影)