
昨日昼前にブリヂストン美術館で開催中の「カイユボット展」を見に行って来ました。
ギュスターヴ・カイユボット(1848-1894)という人物を今まで私は全然知りませんでしたが、モネやルノワール、ドガなどに並ぶ19世紀印象派の画家だとのこと。また、裕福な実業家の家に生まれた彼は、絵を描く傍ら、仲間の画家たちの資金援助をしたり、作品を購入・収集して国家に遺贈するなど、フランスの美術発展に貢献したということです。
「昼食」(1876)という作品からは、どっしりした家具・調度品、クリスタルのグラスや陶器の食器、仕立ての良い服装など、豊かな家族の暮らし振りがリアルに伝わってきます。窓からの光がテーブルやグラスに映って、どっしりした室内に明るさをもたらしているのも、いかにもパリの落ち着いた家という印象を齎しています。

「ヨーロッパ橋」(1876)は、サンラザール駅に向かう線路の上に掛かった橋の様子を描いた絵とのことです。なるほど、道行く人たちの服装は変わっていますが、こういう光景には何となく既視感を覚えます。それにしても写真のようにリアリティを感じる絵ですね。

裕福なカイユボットは、1880年代には、プティ・ジュヌヴィリエに広大な土地を買い、そこでの暮らしも楽しんだということです。「向日葵、プティ・ジュヌヴィリエの庭」(1885)は彼の地の自宅と庭に咲くひまわりをモチーフにしています。明るく日のそそぐ庭はいかにも心地良さそう。何の不足もない満ち足りた様子が、画面いっぱいに広がっています。

「菊の入った四つの花瓶」(1893)は、田園生活の中で摘んだ菊を花瓶に生けて描いた静物画です。東洋の陶器の花瓶と菊の取り合わせは、ジャポニズムの影響を受けて彼なりの日本らしさを演出したもの、というような解説がありました。
他にも、自画像や人物画や風景画など色々有りましたが、総じて裕福で満ち足りた画家による、陰りや屈託のない明るい絵は、違和感や抵抗感もない代わりに、余り深い感動もなかった、という感想でした。
昨日は、帰省ラッシュが始まっていて、ブリヂストン美術館のある東京駅は、キャリーバッグを持った乗客たちがごった返して、構内を抜けるのに一苦労。開催は12月29日までということで、年末ギリギリに行ったのは、失敗でした。ま、でも、寒かった昨日、家で縮こまっているよりは、はるかに良い時間でしたが。(三女)
