昨日は、東京都美術館で開催中の「スコットランド国立美術館・美の巨匠たち」展を夫と観にいってきました。
『スコットランド国立美術館は、1859年の開館以来、購入や地元名士たちの寄贈や寄託などによってコレクションを拡充。世界最高峰の美術館になりました。
今回はその中からラファエロ、エル・グレコ、ベラスケス、レンブラント、ブーシェ、スーラ、ルノワールなど、ルネサンス期から19世紀後半までの巨匠たちの作品と、ゲインズバラ、レノルズ、ターナー、ミレイなどイングランド出身の画家、レイバーン、ラムジー、グラントなどスコットランド出身の画家の名品を出品・展示します。』(「公式サイト・冒頭」の要約)
今回は90点の作品が出品され、作品は、
『プロローグ:スコットランド国立美術館』と『エピローグ』に挟まれて、
『ルネサンス』
『バロック 』
『グランド・ツアーの時代』
『19世紀の開拓者たち』
と、西洋美術の流れに沿った4つのコーナーに分けられ、展示されています。
チラシに使われている作品(↑上)は、『グランドツアーの時代』コーナーの、ジョシュア・レノルズ《ウォルドグレイヴ家の貴婦人たち》(1752)。レノルズは「古典的な美の規範を広めた」と言われているそうですが、成程ひたすら優雅で優美な作品でした。
こちらは、『ルネサンス』より、アンドレア・デル・ヴェロッキオ(帰属)《幼児キリストを礼拝する聖母(「ラスキンの聖母」)》(1470頃)。よく目にする、とても馴染み深いテーマの絵ですね。
以下は、『19世紀の開拓者たち』より、
フランシス・グラント《アン・エミリー・ソフィア・グラント(“デイジー”・グラント)、ウィリアム・マーカム夫人》(1857)。「グラントが結婚を目前に控えた愛娘の姿を描いたもの」だそうで、初々しく美しい姿は自然体で、とても好感が持てました。
ジョン・マーティン《マクベス》(1820)。"丘の上から近づくノーサンブリア軍を眺めるマクベス"だそうです。マクベス像は余りにも小さくて表情も分からないのですが、絵全体からマクベスの不安が伝わってくるような気もしました(?)。
ウィリアム・ダイス《荒野のダビデ》(1860)。ダビデの表情にも、羊たちがゆったり寛ぐ丘の景色にも落ち着きが感じられ、こちらからは、ダビデの穏やかな自信が伝わってきました。
ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー《トンブリッジ、ソマー・ヒル》(1811)。ターナーの作品はこれまでも何度か見る機会があり、イギリス絵画と言えば風景画、風景画といえばターナー、というイメージがあって、このように寓話などの混じらない風景画に、ホッとするものを感じました。
久々に美術館で絵画を堪能し、満足しながら外に出ると、上野公園は緑の木々が爽やかな日差しを受けて明るく輝いていました。
緑の木陰で、若い人たちがビブラフォンの野外演奏の準備をしていて、演奏者の女性二人が予行演習のように「幸せなら手を叩こう」を弾き始めると、ちょうど前を通り過ぎる修学旅行中らしい中学生たちが、演奏に合わせて一斉に手を叩き、演奏者二人が「ありがと~!」と喜んでいる場面もあり、何とも微笑ましく、こちらもハッピーな気分にさせられた、昼下がりのひと時でした。(三女)