JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

老人の主張 D.S.B kino / ALEX RIEL

2006-10-07 17:02:43 | 聞いてますCDいいと思う
敬老の日は過ぎましたが、私はまだ対象ではありません。老人がのびのびと主張しているのを、若造はとやかく言えません。年輪だけはかないませんし、風格も付いています。そんな老人の主張という意味では、ぴったりのアルバムがこれです。ハリー・エディソンが83才でなくなる前年の録音です。ベースのマッズ・ヴィンディングがドラムのアレックス・リールと組んでピアニストが変わる大変すばらしいシリーズがありました。クリスさんが記事にされているピエラヌンツィと私がトラックバックしたカースティン・デールのトリオです。そしてもう一枚にこのアルバムのピアニスト、ロジャー・キャラウェーの“FADDIO DON”がありました。前記2枚より少し落ちる気がしますが、なかなか良いアルバムです。そのアルバムと同じ時に同じスタジオで録音されているのがこちらのアルバムです。ハリー・エディソンと演るのはR・キャラウェーがぴったりのような気がします。このトリオメンバーを見、安心して買ったアルバムです。このアルバムを作るにあたってはエピソードがあり、そのことをA・リールが書いています。少し長くなりますが、要約してみます。
“コペンハーゲン中央駅にD.S.B.kinoという映画館があり、そこでよくフランク・シナトラがビックバンドで歌うフィルムを見ました。その中でトランペットはいつも同じ奏者でその演奏を、何よりも楽しんだものです。それから何年もたって、「SWEET」と呼ばれるトランペット奏者ハリー・エディソンの脇でドラムを叩いていてびっくりしました。まさにあのD.S.B.kinoで見たシナトラの映画から聴こえてきた音だったのです。シナトラとの競演をたずねると、うん。何故画面に出ていなかったのですかと聴くと、それは私は白人じゃないでしょう。黒人は画面にでられないんですよ。この経験をドキュメントにしたい思いを持っていましたがこのCDで実現しました。”
さて演奏ですが、残念ながらは張りのある演奏を知っているだけにまず歳は感じてしまいます。しかしペットの唇を締めることを82才がしていることは驚きです。音に歳は感じますが、それが気になるのは聴き始めの曲ぐらいです。よく歌うキャラウェーのピアノをバックに、エディソンのペットは時にやさしく、時に驚くほど若く、そして全てに楽しげに聴こえます。1998年3月の録音ですが、よく年7月になくなる前日までペットを吹いていたそうです。素晴らしい老人。

 D.S.B.kino / ALEX RIEL

ALEX RIEL drums
HARRY ‘SWEET’EDISON trompet
ROGER KELLAWAY piano
MADS VINDING bass

1 Just Fiends
2 Ain't Miss Behavin'
3 Lover Man
4 Mean to Me
5 Avalon
6 Cherry
7 Sunday
8 Blues
9 Tour de Force
コメント (2)
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