JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

未明の色合い akunc / vardan ovsepian

2009-02-15 06:33:34 | 聞いてますCDいいと思う



ショップで新しいものを選びきらずに中古を見ていて、まるで知らずに2つのものを選びましたが、これが二つとも音が良い。
時間がなくてパッとみて拾ったこれは楽器構成がピアノトリオにチェロと女性ヴォイス、チェロの入ったものここのところ聴いているので、もしかしていいかもと拾って大正解でした。

1曲目、鯨の鳴き声を模したチェロと音と、ベース、ピアノの幽玄なコーダでまずはこれは凄いとぼっくりします。
その後透明な女性ボイスと確りしたドラムス、ピアノの音はエッジがたったジャズ音です。
1975年生まれアルメニア出身のこのピアニスト、バークレー出身でその仲間で作っているのでしょうか。
とてもピアノの音が形よい録音です。ヨーロッパのアルバムかと思ってしまいますがFresh Saund Recordsのマサチューセッツの録音で驚きます。
パーカシッブに叩くドラムスは日本人Take Toriyama氏でNYとボストンで活躍していましたが、2007年5月28日に38才で自死されてしまいました。とても惜しい損失です。
2曲目はクラシカルなチェロの弦の響きに内省的なピアノのフレーズがとてもきれいです。このピアニスト、影響の受けた人がジャレットとかメルドーだそうでうなずけます。
3曲目、チェロが中低音の幅を増すメロディを弾いて、ピアノが音数を抑えますが、ドラムスとベースはとても落ち着いたジャズの響きでこれが気持良い。
4曲目はインプロヴィゼーションで作った曲、現代音楽的ですが静謐な感じが旨くまとまった感じです。
5曲目、女性のヴォイスがはいりクラシカルな曲、2曲目を除いてすべてピアニストのオプセピアンの曲で、この人かなり作曲、アレンジに力を入れているのでないのでしょうか。ここではキースのピアノ影響がわかります。
6曲目ベースとチェロのピッチカーが時を刻むように進むなかピアノが少し少し目覚めていくような感じです。
ジャズの音を十分出すピアノトリオがそれを抑えつつ、チェロと女性ヴォイスをいれて、サウンドをヴェールに包んだような、とんがり部分を排した深く効いていると、その下に曲ごとの色彩が見えてくるような感じです。
7曲目のインプロから8曲目9曲目はヴォイスが主体で後半もう少し激しいピアノが聞きたくおもいます。ちょっと追っかけたいピアニストです。
夜明け前よりかもう少し前、未明の、色が見えない時間に始まるそれぞれの曲は、それぞれ違う色に(澄んだ青であったり、きっと明るい黄色だったり、乳白の霧の中だったり)成っていく行くことを予感させる色彩を抑えながら、色彩を感じさせるアルバムです。
ピアノの音を含めてトリオの基本音がとても良い録音で、それを実現させる細やかなセンスをピアニストに感じました。

akunc / vardan ovsepian

Vardan Ovsepian(p)
Joshua Davis(b)
Take Toriyama(ds)
Agnieszka Dziubak (cello)
Monica Yngvesson(voice)

1. Akunc
2. First Light
3. Quenchless
4. Within and Around
5. Voloran
6. Stiltje
7. Tuning
8. Arahet
9. Suerte de Muleta
10. Residue

コメント
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