
最近とてもすばらしいフランスのピアニストを聴いて、トロテニョンよりか凄いのでないかなどと書いたら、最新のこれはどうですと新しいアルバムが出ました。
バプティスト・トロティニョンは最初に聴いたのが 「FLUIDE」という2000年のアルバムで、ちょっと天才肌という感があり、それ以後とても期待が掛かってしまったピアニストでした。
その後のアルバムもテクがある演奏が凄と思うのに、ちょっとJAZZと離れたインテリくささがあるような、没頭出来ないアルバムが続いていたように思います。
今年始めに出たアルバムはそのメンバーをみて驚くほどの構成です。
1曲目トロティニョンらしい、ちょっとインにこもったメロディです、そこに加わるリズムはEric HarlandのドラムスとMatt Penmanのべース、私ドラムスを聞き分けることなどできませんが、このEric Harlandのドラムス、思い切り煽る、なんとも凄いサポーターです。その後も彼の叩いてる曲は同じでこれは楽しめました。
2曲目はトム・ハレルとマーク・ターナーが入った演奏で、ハレルもターナーもぐっと抑えて、ターナーなどはここまでラインを意識した演奏いいと思います。
3曲目、リズム陣から始まる演奏、やはり期待が大きいのでしょうか、バラエティにとんだアレンジで、段々と増していく激しさもうまいと思います、それだったらピアノもっと破壊的でもいいようなことを思います。
4曲目のハリルも、ターナーのソロも意外と抑えた旨さをだすというか、とてもピアノを中心にした演奏です。
6曲目演奏はタナーのソロもいれて熱くなるのですが、旨さがありすぎるのでしょうか、楽しくすっと聴いてしまいます。(記事を書いたあと再び聴いていてこれだけ聴くととても良いとおもうのですが、通しで聴くとすっと言ってしまいます。)
余裕がある演奏などと言っては失礼ですが7曲めハレルのフリューゲルとピアノの絡まりはとてもマッチしています。(じゃいいんじゃない。)
8曲目、とても内省的なトロティニョンの曲でそれでいながら、とても熱くなって行ってベースのMatt Penmanのソロも熱く加わります。トロティニョんのソロとしてはこの曲とても熱くこうであるのがいい。ところがうまく温度をと使い分けることが出来る。
その熱さ十分に感じるアルバムでいながら、トロティニョンの演奏に完全に呑まれ焼かれることを期待してしまう、こちらが悪いのです。
10曲目もとても熱くて、この曲、リズムも凄いとてもいいと感じます、そして11曲目は落ち着いたバラッドでこの感じ大好きです。
冷静に評価して、とても満足できる一枚です。
フレンチのお店で料理をいただいた場合、やはりシェフの格があるわけで、シェフの腕では極上のフレンチがあったり、とてもお安いのにシェフの発想と努力でこんな個性があるという料理もあります。
トロティニョンの場合はもはや名匠という料理人、このように料理することがある程度予想されるすばらしい演奏です。
料理はすばらしすぎて、おいしくて、豪華、ところがいただくこちらの口がちょっといやしい。
アメリカのリズム隊を使った味付けも、それはトロティニョンだから集められるたことで、良いアルバムがあることは解るのですが財を使ったようで、ちょっと驚きません。
どうも若者びいき、新し物びいき、その上素晴らしいものに会うと、驚かないようにする、私のひねくれた聴き方が災いしました。
冷静に評価しても素敵なアルバムで素晴らしいと思いますが、トロティニョンさんには失礼な事を書いてしまいました。きっと色あせたころ大好きになるのです、こうゆうの。
SHARE / BAPTISTE TROTIGNON
Baptiste Trotignon(p)
Matt Penman(b except7)
Eric Harland(ds M-1,8,11)
Otis Brown3(ds, M-2,4,5,6,9,10)
guest:
Tom Harrell(flh M-2,4,7)
Mark Turner(ts M-2,4,6)
1. First Song
2. Samsara
3. Mon Ange
4. Dexter
5. Peace
6. Flow
7. Blue
8. Grey
9. Waiting
10. Red Light District
11. Vibe
2009