JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

子供の感覚でThink  Think / PAOLO FRESU & URI CAINE

2009-02-21 16:25:30 | 聞いてますCDいいと思う


Hi・Fiveでとても評判をとったEUのブルーノートがもう一人のペットのスター奏者を使って作ったと思うアルバムです。
ユリ・ケインとパオロ・フレスは「Things」というすばらしいアルバムがあったのでこれはすぐに購入です。

http://blog.goo.ne.jp/monakasm/d/20070905

フレスはとても多彩なと言うか、どのように吹くか予想がつかない人なので、このアルバムはどうなのだろうと思います。
アルバムをみて驚くのはフレスとウリの二人のほかは弦楽四重奏だということで、EUブルーノート予想外を作ってくれます。
トランペットとピアノに弦楽四重奏というのを、やはりJAZZとしては枠はずれですが、ブルーノートがここを旨くこなすのでしょうか。

1曲目、ストレートなフレスのペットにオーソドックスにバックをつけるユリ、この二人だったら特出したことをするだろうという想像を覆して、とても素朴なトランペットソロとピアノです。
2曲目、ストリングス・カルテットが入って、フレスはミュート、緊張感ある曲です。
フレスのミュートソロは切れもあり、その後のユリのソロも凛としてストリングスを入れてますが、これはデュオを聴かせる演奏です。
3曲目はベルギーのピアニストの曲からフレスの曲へのメドレイですが、ここではストリングカルテットが大枠を作ります。このアレンジは微妙です。
ストリングスのアレンジはJAZZ音とは離れたものでこの後どう続くのでしょうか。トランペットのフレーズはちょっと懐かしい古い曲のようです。
4曲目ストレートな音とピアノのリズム、前作より楽調がオープンな明るい感じでこれも、ちょっと古い時代を感じさせる曲です。
5曲目ロリンズの“DOXY”の演奏は引き続きデュエットですが、ピアノはセロニアス・モンクを思い出させ、ビックバンドで演奏されているような、聴いていると大きなバンドのハーモニーが行間に聴こえてくるようです。
弦の入った6曲目は古いイタリア映画音楽みたいな感じです。これがこのアルバムのコンセプトなのでしょうか。好みでない方も出てくる予想がたちます。ミュートのソロは哀愁強い曲。
7曲目、弦が入っていてもおかしくない円舞曲のようなフレスの曲。
8曲目も引き続いてクラシックのような、ペットのメロディにはラグタイムが入っていて、時代がかった感じ、作曲者をみてみれば、ヘンデルの歌劇で“私を泣かせてください”って言う曲だそうです。
ちょっと青年や子供の教育用のようなまじめの匂いのするアルバムです。
アルバムタイトルも子供が書いたような「think」。
そのタイトル曲が9曲目、フリーインプロヴィゼーションで始まるユリとフレスとバイオリンを弾いている人の共作、フェンダーとエフェクトを効かせたペットの音、ここに来て雰囲気違いますが“think”前作デビルの世界に少し似ています。
10曲目の子守唄のような出だしは世界中で親しまれているカンツォーネ“忘れな草”だそうで(聴いたような気がする)それに続いてフレスの曲です。
11,12曲はユリの曲で基本はとてもオーソドックスなビートにフレスが吹いてひねりのない、なぜかとてもまじめさを感じる演奏です。
13曲目もクラシカルな弦楽からスタート、ミュートで落ち着いたフレーズを刻む曲で、私フレス、ミュートのほうが好きです。ユリはフェンダー、なかなか哀愁ある曲だと思います。
14曲目もミュートの落ち着いた、なかなかいいじゃないかと思う短い曲。
ところがこのアルバム、それだけでは終わらない、15曲目は赤ん坊の泣き声から始まるユリの曲で、弦のピッチカートに乗せてカントリー風童謡のような曲、曲名がなんと“カーボーイとインデアン”、まったく困ったアルバムです。
なんかわざと律儀に演奏しているようなところとか、絵に描いたようなフレーズとか、子供たちの視聴を意識しているのではと思ってしまいます。
だからこのアルバム、出たばかりで、まだ聴いている人少ないと思いますが好みは大きく割れるだろう予感がしています。
あえて言うならば、子供の感覚になって「think」してみたらいいのではと思うのです。


Think / PAOLO FRESU & URI CAINE

Paolo Fresu (Trumpet, Flugelhorn, Multieffects)
Uri Caine (Fazioli Acoustic Piano, Fender Rhodes Piano)
Alborada String Quartet:
Anton Berovski (Violin)
Sonia Peana (Violin)
Nico Ciricugno (Viola)
Piero Salvatori (Cello)
2008 10/10~12

1 Darn That Dream
2 Blood Money
3 Medley: The Way Forward / Metamorfosi
4 The Dragon
5 Doxy
6 In Memoriam
7 Duru Duru Durulia
8 Lascia Ch'Io Pianga
9 Think
10 Medley: Non Ti Scordar Di Me / Centochiodi
11 Claws
12 Roberto Strepitoso
13 Ossi
14 Tema Celeste
15 Cowboys and Indians


コメント
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