
新譜を選ぶときはまずはリーダーで次がメンバーと楽器構成などだと思う。このアルバムみるとピアノがエンリコ・ピエラヌンツェだからそこから選ぶ人が多いかと思います。
私の場合はリーダーのイェスパー・ルンゴーで選びました。エンリコは幅が広くてアレッというのもあるしこの頃多作です。
アルバム情報をみるとこれが一寸怪しい。ネット販売しているところのフライヤーをみると「収録曲をご覧ください! このトリオによるこの曲目で聴く前からもう間違いナシ!
」なんて書いてある。イエスパーとアレックス・リールは良く演っているし、クラブのライヴですから、そのクラブの雰囲気に合わせて大スタンダード大会かとも思いました。
でもなんで今頃エンリコが“Autumn Leaves ”“My Funny Valentine ”“Round Midnight”なのって多くの人が不思議に思うでしょう。

でもこのメンバーだし、もちろん欲しい方がまさります。
で1曲目が“枯葉”で聴きだして、やっぱりそうなんだと思います。
最後が“Oleo”で締めくくられるこのアルバムを仕掛け無に楽しみたい方には警告です。フライヤーの聞く前から問題なし!は一寸無責任のような気がします。
アンテークな素敵なポットがテーブルにあったので持ってみたら結構熱い状態で驚いたというようなことになるかもしれません。(それで火傷をするまでではないにしろ)
あれ枯葉のメロディーをエンリコは弾いていません。2度目に聞いて枯葉と思って聞くとアッとかここそうとか思います。3分50秒過ぎのイエスパーのベース・ソロになって“枯葉”とわかる状態です。じゃフリー・インプロなのというと曲の感じは感じます。
2曲目“All The Things You Are”は雰囲気を崩してくれます。ってここでアルバムタイトルが「60 OUT OF SHEAPE」っていうのですから不慣れな人には注意が必要です。
4曲目“My Funny Valentine”何かもそれとわかるのは半分あたりまで来た5分45秒あたりです。
ジャズマンは「GO OUT OF SHEAPE」していこうぜなんて言うのでしょうか。リズムをくずしたり、メロディを崩したり、ハーモニーを崩したりといろいろやりながら、お客を喜ばせているのはこれ、少し慣れが必要です。
最後アンコールでしょうか“ Oleo ”4ビートでかっこよく弾き倒すなんて、それまでのいじられをすっきりさせる演奏もあるのでお客サービスもあります。
しかしタイトルの「60」は何のことでしょうね、私最初「GO」と読み違えていました。
ノートに書いてあるのでしょうか、読めないのでスルーですが「60分」OUT OF SHAPEなのでしょうか、計算するとほぼ60分です。
ノートの書き出しの先頭がこれです。

で答えは政治的にはnoだそうです。
それでいて見開きの左側の文がこれ

「最高のヨーロッパのジャズ」っていうのですから結構挑戦的なアルバムなのです。
火傷しないよう注意は必要です。
GO OUT OF SHAPE / JASPER LUNDGAARD
JASPER LUNDGAARD bass
ENRICO PIERANUNZI piano
ALEX RIEL drums
1. Autumn Leaves
2. All The Things You Are
3. I Can't Get Started
4. My Funny Valentine
5. Medley: What Is This Thing Called Love, Everything I Love, Round Midnight
6. Oleo