フレッド・ハーシュが参加しているアルバムが結構でているけれど全部まで手が回らない。でもこの組み合わせはぜひ聞きたい。拾ってから何度か聞いて、気が付いたので、普段とは別の聴き方で聴くことにした。
用意するものは2001年にでたハーシュの素敵なアルバム「Song Without Words」です。
何年か前に改築のためCDや本をを箱詰めして積んでおいたら急激な雨(ゲリラ雨の最初だった)に冠水してしまった。
だからジャケはくっついて、破れてしまっているけれど、ゲストも入るけれど基本ピアノ・ソロの3枚組アルバムです。
その1枚目はハーシュのオリジナル集で、アルバム・タイトルともなっている無言歌集が6曲最初に入ってます。
その6曲のタイトルを書きますと下のようになりますが、4曲目と3曲目が今度のジュリアン・レイジのアルバムで再演されています。
1. Song without Words #1: Aria
2. Song without Words #2: Ballad
3. Song without Words #3: Tango
4. Song without Words #4: Duet
5. Song without Words #5: The Moon's Lullaby
6. Song without Words #6: Waltz
それではどのように聞くかというと、まず新しいアルバムの1曲目と6曲目“Song without Words”とタイトルの曲を聴きます。
1曲目“Duet”、この1曲にまずは吃驚、ピアノがクラシックっぽく始めますがレイジのギターが入って2本のメロディ・ラインが絡み合います。ジム・ホールとエバンスを思い出します。
そして6曲目“Tango”特にTangoという感じはしませんがやはりレイジとのインタープレーの応酬の演奏です。
その後にアルバムをかえてハーシュのソロの方の同じ曲をききます。
メンデルすゾーンで有名な無言歌集と同じ名前で、ですからピアノのための小品集、こっちのソロの方がもっとクラシック的とも聞こえます。ソロなのに題名は“Duet”たぶん2つのメロディを絡ませるからつけたのでしょう。
そして“Tango”を聴くとその2曲で静謐な美しさにのまれて、残りの1,2と5,6を続けて聞くことになります。
アルバム・タイトルまでにした無言歌集の曲“Duet”の意図が、ジュリアン・レイジという才能と接した時に再びデュオで録音しようとしたことを感じます。それも1曲目、ですからこの1曲だけでハーシュの満足がつたわってきます。“Tango”も演奏しようとなったのではと思います。
本当は、1曲目の“アリア”も見事な曲ですし、“バラッド”もとても美しいので、この“Song without Words”を全曲再演してほしかった。
バートンとプレーするジュリアン・レイジに触発されたことは確かです。ですからこの後は同じような曲調の3曲目“Heartland”と8曲目“Gravity's Pull”と続けて聞いて終わりにするとちょうどアルバム1枚分、「無言歌集2」みたいでとても良い感じです。
FREE FLYING / FRED HERSCH & JULIAN LAGE
Fred Hersch(piano)
Julian Lage(guitar)
2013年2月14-16日ニューヨーク Kitanoでのライヴ録音
1. Song Without Words #4 Duet
2. Down Home
3. Heartland
4. Free Flying
5. Beatrice
6. Song Without Words #3 Tango
7. Stealthiness
8. Gravity's Pull
9. Monk's Dream