
カーラ・ブレイがいつも一緒のスティーブ・スワローと結構一緒のアンディ・シェパードとアルバムを作るのは解るけれどそれがECMのアルバムだと、これが結構重要作品と感じます。
というので外せないアルバムとして聞いてみました。
スワローのエレベのソロトーンからピアノ、ソプラノ・サックスと、そっと始まる1曲目はトラディショナルのような、もしくはバロック曲のような平安をふくんだ演奏で素晴らしい。
ガルバレイクがやっていたような感じもあるけれどスワローのえれべがギターのようでマッチしています。
2曲目ボレロのようなテーマからアンディ・シェパードのソプラノが幻想的に綴るフレーズが良い。この人もラベル・ブルーのアルバムから結構永い付き合いです。
3曲目、モンクの香りのするピアノから4ビート、スタイルを言うならばカーラ・ブレイスタイル。3曲が合わさっていて3-2はビートにウエイトをおいたスワローのエレべがそれ自体スワロー・スタイル、物憂い感じのシェパードはテナーで入ってきます。再びモンク的なピアノの3-3。
4曲目もカーラのピアノは静的なかんじだけれど、3人が熱をおびたりシャープな線を見せたりして、私まるで疎いのですが能という言葉が思い浮かびました。
5曲目は軽やかで「Dinner Music」を思い出しました。
話はもどって、能はもう何十年も昔に見ただけですしほとんど知りませんが、言葉を当てはめてみるならば、カーラがシテで、スワローがワキ、シェパードがツレみたいに言えるでしょが舞台の上では3人均衡をもってそれぞれが重要な動きをしていて、それぞれが静に見えたり、激しく動だったり感じます。
静の中の動、まるで能楽堂で演奏するのがピッタリなアルバムではありませんか。 (私、能楽堂に行ったことありません。)
Trios / Carla Bley
Carla Bley(p)
Andy Sheppard(ts,ss)
Steve Swallow(elb)
2012年4月27-29日イタリア-ルガーノのAuditorio Radiotelevisione Svizzera録音
1. Utviklingssang
2. Vashkar
3. Les Trois Lagons : (d’apres Henri Matisse)
4. Wildlife :
5. The Girl Who Cried Champagne :