いよいよ新聞の経済欄が喧しい。株価の暴落し、資金繰りでREITの破綻もあった。まずはサブプライムローン(またはMortgage, Lending)についてGDP、住宅ローン規模、金利を日米で比較する。アメリカの住宅ローンは1,100兆円、1,000兆円(GDP比90%)、30年固定で5.8%、(なお1$:100円とした)に対し日本は515兆円、181兆円(GDP比35%)、3.5%位である。アメリカのCPIが2~3%位であり日本はほぼゼロであるから、住宅ローンも同じくらいのスプレッドである。<o:p></o:p>
このなかでサブプライムローンは140兆円で延滞率は2000年以降15%位となっている。なお、住宅価格は1997年から上昇し2006年くらいをピークに下落の一途(現状3割程度)となっている。その割りにサブプライムローンは減っていないようである。(サブプライムより信用力のあるAlt-Aはますます増えているようであるが)サブプライムとは年収2.5万ドル以下で、しかも金利は10%くらいとなっている。アメリカでも家賃は年収の25%くらいが目安となっていた。このことから考えると元本含めると30年、10%、年間6,000ドル返済とすると56,000ドル(560万円)が相当となる。これなら日本でもありそうだが、560万円の住宅というのは、いくら土地が安くても、只だとしても、上もの(建物)だけでも、日本なら10坪くらいしか建たないし、建設費の安いアメリカでも50坪になるかどうかだろう。どうも一人当たり金額は2千万円位とも聞くが、これなら返済が覚束ないことむべなるかなであり、いくら住宅価格が値上がりしていたとしても、30年のローンの貸し方ではない。<o:p></o:p>
更に訝しいのは<o:p></o:p>
① 2006年から住宅価格下落なのになぜサブプライムが今頃問題になるのか<o:p></o:p>
② サブプライムの延滞が急に拡大したとしても、前から15%くらいあったのなら変化はなにか<o:p></o:p>
(急に10%不良化としても14兆円であるが。。。。)<o:p></o:p>
③ どうしてサブプライムが信用恐慌の端緒となったか<o:p></o:p>
である。もともとアメリカでの低金利が、住宅ローンの残高増加と住宅高騰を誘い、そのためアメリカでの消費が98年以降(ネットバブル崩壊以降)拡大したと考えられる。この頃はインフレ無き消費拡大で、グリーンスパンのマジックとさえいわれていたが、様は住宅バブルによる消費の先取りであった。逆に、低金利で行き場を失った投資資金が高利を求め動いたとも思われる。(穿った見方をすると、先ずは投資資金が原油高騰を起こし、経済の低迷をさそったところで、サブプライムから資金を引き上げ、ローン破綻を誘ったのかもしれない)<o:p></o:p>
さらに、サブプライムはCDOやCDSに分離され、アメリカのみの問題ではなく、国際的影響を持つものとなった。更に投資銀行の破綻により、投資銀行の株式、その発行証券による二次的な影響もある。そのため、ここまで大きな問題となったのであろう。但し、ローンの延滞・デフォルトによる回収不能額が経済的に損失であり、デリバディブなどでの損失はゼロサムであるから、損失があったのなら、収益があった先もあるはずである。(どこなのか分からないが、本来的には投資銀行が売ったのであれば儲かったはずである)<o:p></o:p>
どうもこのサブプライム問題は、ローンとして貸し方や、止めなかった事、被害拡大のメカニズムが良く分からない。<o:p></o:p>