かつてアメリカは鉄道大国であったと聞く。1900年代には栄華を誇った。プルマン社にはCompany townという職員の街まであった。かつての大企業の社宅も顔負けである。その後、1956年の法整備により進められた州間高速道路網の建設が始まり、自動車のBig Threeは大型車を高いのから安いのまでフルラインで作り始める。<o:p></o:p>
相前後して。持ち家促進による郊外住宅の隆盛や人権運動の反動のような白人流失(WhiteFlight::1954~と定義されているようだ)、都心の荒廃と再開発(Federal Bulldozer:1949-1962)(MITの本がありますhttp://mitpress.mit.edu/catalog/item/default.asp?ttype=2&tid=4666)の時代で、都心のデパートからは「夢が無くなった」<o:p></o:p>
そのかわり、ショッピングセンターもカリフォルニアにストリップモール(?)だったか、大通り沿いにバイパスを作って商店を並べたものが出来たのがこのころ。(資料散逸)<o:p></o:p>
このように郊外、車、ショッピングセンター(大量買い)の相互発展時代が始まった。日本では遅れて1965年ごろからであろう。(千里ニュータウンとエキスポ、トヨタ・カローラは66年発売)<o:p></o:p>
それが、エコと石油高騰のあおりで、本年のカー・オヴ・ザ・イヤーもトヨタのiQという超小型車になり、車もハイブリッドのプリウスが映画俳優にも大人気で、Mercedes-Benz、BMWですら大型車は売れない、買わない、イメージ悪いとなっている。なお、初代のカローラは700kgくらいで、長さ4m、幅1.5m である、ちなみに現在は4.35m、1.7m、1,000kgであり、重さは大体1.5倍になっている。(計測方法が違うのと、安全基準、エアコンの付加などもある)要は、だんだん小型車も大きくなったのである。(実はポルシェ911も馬力は当初から3倍になっている。そんなに急ぐか)<o:p></o:p>
都心居住では自家用の所有は基本的になく、カーシェアリングかレンタカーで充分である。(なお、都心立地のマンションは周辺に「街」がないので車は必要か)そのため、交通機関で自転車、バス、LRTのようなものが充実して欲しい。特に、バスは「騒音」、「排ガス」、「デザイン」に問題がある。ミニバンのような乗りやすいものは出来ないのか。また自転車で後ろを走ると、その排ガスは未だにどうなっているのかというくらい黒煙があがる。京都では市電の復活を大いに望む。<o:p></o:p>
さて、自動車産業の代替であるが、アメリカの軍需産業、日本の土木建設産業はGDPの1/6くらいである。アメリカはこれを技術移転しハイテク(インターネットももともとDARPA(陸軍研究所))や航空機産業に生かしている。日本では住宅・ビルのリニューアルが盛んであるがこのように「長持ち」の産業を育成してはどうだろう。もちろん、歴史建物の保存・修復、景観やまちづくり計画にも寄与する。<o:p></o:p>
長持ち産業として、修理・修復専門の技能育成や中古市場の育成も良い。良いものを長く使うのは歴史の伝達でもある。例えば、私は20年を越える趣味の自転車と部品を5台持っているが、ちきんと手入れをしておりちゃんと動く。買ったときは相当高額であったが、メンテナンスの楽しみもあり趣味にもなる。また、相当古いオーディオも使っているが愛着がある。直して長く使うのが良く、そのためには小さなお店が街中に欲しい。(但し、一部お金持ちマニアのお店はどうかな。お金にものをいわせたVintage AudioやBicycleが多いかな)<o:p></o:p>
日本も低成長の時代だ。やっとアメニティとして街並み景観、歴史建物を楽しむことができるのではないか。所得より、生活に、買い替えより、長持ちを楽しむのが良いと思う。<o:p></o:p>