<o:p> </o:p>再度述べるが、北ヤードの公園化より、府庁の移転をおすすめする。<o:p></o:p>
現状では、アーバン・コーポレーション、ニューシティのREITの破綻を見れば分かるように、開発に向かう資金と企業の経営判断は後ろ向きであり、開発を止められないもの以外は先延ばしとなろう。<o:p></o:p>
更に、大阪では札幌、仙台、横浜、博多に順ずる開発が予定され、既存ストックの10%程度が新規供給の予定である。また大阪のオフィス需要は現在減少(Negative Absorption)であり、都市間競争からも需要が急増するとは思われない。つまりは、オフィスの域内競合が起こり、空室率の拡大と賃料の低下が見込まれる。たとえば梅田の中心の新規Aクラスビルは竣工満室で3万円/坪の賃料が目安であったが、現在では引き合いの低下と、賃料の低下があわせて行われている。また既存のテナントも新大阪や難波へ賃料のメリットもあり移転する例がある。<o:p></o:p>
大阪の今後がマイナスサムであることを認識すれば、経営資源の集中化と効率投資に向かうべきであろう。梅田と難波の百貨店である阪急・阪神百貨店と高島屋の提携を見ても分かろうというものだ。それなのに新聞によると、「WTCに州都が来るのであれば京阪の延伸も考えたい」とか「阪神と近鉄の乗り入れで活性化を」とか「四つ橋線を十三と新大阪へ」とさらなる拡大の夢しかない。<o:p></o:p>
今後を考えると、開発の梅田と御堂筋線(淀屋橋、本町、心斎橋、難波)への集中とその反対に中ノ島のウォーターフロントとしての活用という「大阪クロス」(赤の縦軸と水色の横軸)がお奨めである。(縦軸は堺筋が御堂筋より歴史もあるが、堺筋は歴史と住宅の筋となっている)「中之島は大きな帆船」という広告も見たがよくできている。中ノ島こそ大阪のウォーターフロント発祥の地であり、歴史、公共施設(できればアクセスの良い梅田がよかったが)、水と親水空間がある。また大阪を日本のシカゴ(ラサールストリートは商品先物の発祥の地で河川が多い)として売り込むのも良い。<o:p></o:p>
具体的には、テナント誘致に困難が見込まれる北ヤード1期に(前回提案の2期ではなく)府庁を先ずは移転させてはどうか。2期はゆっくり考えればよいであろうが、面的集積のクリティカル・マスを確保するには24haすべての開発が必要である。当面開発が出来ないのであれば、一時利用を考えるのがよい。OBPでも開発には時間がかかった、一時はオムニマックスシアターなどもあった。先ずは大丸の増床、伊勢丹・三越、阪急百貨店の開店と連動し1期開発により集積と賑わいを作る必要がある。<o:p></o:p>
さらに、梅田と中ノ島をつなぐ歩行者軸の整備が欲しい。軸線は四ツ橋と御堂筋の両方に欲しい。四ツ橋はオフィスの連坦があり、現実にも梅田と堂島が一体である。片や、御堂筋は2号線のアンダーパスと歩道橋で大きく分断されている印象がある。ルートの中でお初天神や新地の賑わいなど活用のためにも横断歩道はできないものか。(いまどき駅前に歩道橋があるのは梅田くらいとよくご意見を頂く)これで梅田を頂点とした、肥後橋、淀屋橋の三角形の回遊が生まれる。<o:p></o:p>
それでは、中心部以外のエリアはどうするかは、次回以降を。もともと、梅田北ヤードとか、WTCとか、府庁とか木をどうするかの議論は喧しいが、大阪という都市をどう経営するのかという観点がないのがもっとも問題だろう。<o:p></o:p>
懸念であるが、この信用危機を受け、いままで支社を置いていた(置かざるを得なかった)日本の両端を担う札幌、福岡や関西の中核の大阪も需要の急減が見込まれる。現在、支社・営業所の縮小、廃止や企業の経営破綻、リストラなどが始まりつつある。都市間競争激化に向け足が地に着いた都市マーケティングと効率的な都市経営が今こそ必要である。<o:p></o:p>