パスポート(2回で6千円程を支給)され、自転車で回る、但し茂庵にて午後のヴォランティア2回をする、11建築を楽しめた
茂庵の入口からの上り下りもあり、建築を見回る自転車での移動も加え結構疲れた
土曜日
日本福音ルーテル賀茂川教会
1954年 ヴォーリズ建築事務所
街中の小さな教会、小屋組みが簡素、薔薇窓が人気
京都復活教会
1935年 M・W・ヴォーリズ
タワーが目立つゴシック風
小屋組みの下がアーチ状になっている
紫明会館
1932年 十河安雄
会館、梁の凝った装飾とハンチが印象に残る、特に何も感じなかった
聖アグネス教会(平安女学院礼拝堂)
1898年 ジェームス・マクドナルド・ガーディナー
いつも前を通る、今回初めて入り圧巻、壁が煉瓦、屋根は木造、タワーは入れなかった
パイプオルガンの演奏もあり良かった、左右のウイングの深さ違う(左パイプオルガン、右2階バルコニー付き諸室)
学生の解説もたどたどしくて良かった、先生も交えて烏丸通の御幸や京都博覧会などからできた都市の軸線とこの教会の位置付けを逆に解説したらうけた
なにか暖かさがある建築だ、学生も
日曜日
本願寺水道水源
1895年
元の水源、中に入れただけ
関西美術院
1906年 武田五一
北向き採光の共用アトリエ、床の絵具の汚れが懐かしい、実用建築、歴史的価値はあるが建築的な価値はどうか
京都府立医科大学 本部棟
1929年 十河安雄
京都府営繕課にいた設計者と聞いたが、階高が高く縦長の窓からの採光は学校建築を得意としたためか
階段教室など面白い、100人規模の講義が当時からあったのだと知った
京都大学 尊攘堂
1903年
京都大学総合博物館(昔ここに子供を案内し興味を持ちこちらに進学となった、いい博物館だ 当時の近所の店もうけた https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/48538/1/83_195.pdf )の裏にある
京大敷地と白川道(山中道 https://www.ceschi.bun.kyoto-u.ac.jp/arcKU/doc/doc/resume05.pdf )のリーフレットを頂けた、興味深い内容だ
京都府立図書館
1909年武田五一
帰国のデビュー作とのこと、流行し始めた分離派 https://en.wikipedia.org/wiki/Vienna_Secession )の応用のスタイルであり建築としての工夫が感じられない、面白い指摘がある( https://www.potel.jp/kyoto/cityguide/feature/modern_architecture/ )
増築は四角い目立たないスタイル(類似事例 http://kenchiqoo.net/archives/000380.html )であり無難だが面白くない、いっそ新築が良かったと思う
武田五一の家具の展示もあり帽子・ステッキ置きはすずらん灯( https://www.kobe-motomachi.or.jp/motomachi-magazine/highway/highway126.html )を思い出した
京都駅前の関電のビルを保存すべきと思うが(1937年 https://kenchiku-pers.com/photo/the-kansai-electric-power-kyoto-branch-office/ )
茂庵(ヴォランティア兼ねる 11月9・10日午後)
1926年 施工 岡田永斉、大山崎の聴竹居(藤井厚二)や北白川の学者村と同時期、「乾いた土地で健康的」な住宅を検討した時代だ( https://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/lt/rb/666/666PDF/kawasumi.pdf https://blog.goo.ne.jp/n7yohshima/e/ea2f8d6ac9e3d5c6298f22356bdbf70c )
吉田山の東北面を谷川茂次郎が取得、茂庵庭園を建設( https://oniwa.garden/moan-%E8%8C%82%E5%BA%B5/ )
現在の所有はヤマチカ( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000040189.html )運営は八清との協業、なお図面は https://www.hachise.jp/rent/moan/ (一部現状との相違がある)
現行の茂庵の入口階段は二項道路の指定がある、無いと接道なしになるからだろう、隣地との境界もある
建物は下から3種があり、①別宅(来客)、②茶室(趣味)、③望楼(宴会)の構成と思われる
①別宅 田舎席 7畳、6畳、大文字を見る台が東にあり
・あまり凝らない数寄屋、アプローチが玄関と、露地見立ての懸造下を回る躙り口
・2つ茶室があるのは面妖
・東向きの台は桂離宮の向月台の本歌取りか
・台所などきっちり、別宅利用か
・落葉とどんぐりで樋が詰まっている(近所の方からのお話は「ネットで覆う」とのこと)
②茶室 静閑亭 8畳 勝手の下に地下室(タイル張り 換気施設あり、おそらく冬季の結露があったと思われる、タイル1つ欠損)
・複雑な船底天井、桂離宮の月波楼の本歌取りか、屋根もむくりがある
・ガラス戸は蔀戸、おそらく専用工具で開け閉め(使いにくそう)
・待合も船底天井、ガラスですっきり、〇と□の飛石
③旧点心席(食堂)1階に大きなキッチン、2階は望楼の接待施設だったのか
・船底天井の構造はカンチレバーをおくり、外周の柱で支える、よく組めたと感心した
・2階の妻の柱は飾り、四周の柱が構造体
・階段がいまひとつの演出、沓脱も狭い、小屋の感じ
・現行法規ならもう一つ階段が二方向避難に必要か
・雨戸を閉める引き戸(扉が動くよう中心に合わせてある)
蹲踞など工夫はあるがもてなしの構成が成金趣味でもある、庭としては〇と□の飛石がモダンだがいまひとつだった
浄化槽や給水タンク隠しの井戸や石などが推察された、山の上の上水・下水処理は手間がかかる
2日見ると建築の意図や仕掛けが良く分かる(どの建築でも同じことが言えるが)
京都モダン建築祭のヴォランティアとして気になったのは
①茂庵の入口の駐輪:避難の支障になる可能性がある
②海外観光客の誘導:山に登る方を呼びかけ戻ってもらった、英語が堪能でないと困る
③茂庵は南の吉田公園側からの入口誘導:自転車を停めやすく、岡崎方面との連携も可能、茂庵の入口の駐輪問題の解決、谷川家住宅の通過問題も解決
④茂庵を入口のエリア管理のパスポート・チェックから、3棟の建物入口のパスポート・チェックに変更し、人員の削減と確認の明確化を図る
あわせて
⑤洛中の建築は通りと上ル下ル、西東入ルを明示すると分かりやすい、駐輪場の有無も欲しい
回るルート管理や自転車対応がいまひとつに感じた
茂庵のヴォランティアでは上り下りが多く、結構疲れた 2日で1万歩だが高低差と自転車3,000kcalだった、それでも2日券が支給され建築を楽しめた
次回、ヴォランティアを応募するなら洛中中心部の町家が良いな、近い上、じっくり見られる