生憎の小雨まじりの天気。朝の7時からアムステルダム駅東側のウォーターフロントの倉庫を再開発した住宅開発を見て歩いた。明るくなるのが8時ごろでなかなか風情がある。細長い島と2つの桟橋に分かれている。有名なホエールという住宅・オフィスは中庭がある。タウンハウス型の低層もあり面白い。北側岸壁は今も船着きと荷おろしに使われている。<o:p></o:p>
デザイナーは派手目の外観、複合用途、大型開発などが特色で歴史のある街並みと対比している。オランダは理詰めのようだが、変わったのが多い。<o:p></o:p>
てくてく歩いて海洋博物館に。中庭とガラス屋根に圧倒される。展示は3つのエレベーターに分かれているが、木、ガラス、スチールの内装だ。トイレもガラス多用のがあり、現代美術のように清潔で端正、色合いも薄い緑できれいだ。展示も凝っており、実物、ハーフミラー(ディズニーのホーンテッド・マンションと同じ手法)、画像、体験型などある。<o:p></o:p>
歴史があり、その頃の財力が現在の建築と街並みになったのだろう。古い地図によると当初は城砦都市みたいな形をしていると分かった。船の戦争の絵もあり、詳細な描きこみに驚く。船の構造や戦法などの理解があったのだろう。また、波の描写などもうまい、写真も無いのにどうやって分析したのだろう。<o:p></o:p>
NEMOはピアノの設計、道路の上に立つ船みたいな外観、上は段々で京都の伊勢丹みたいだ。展示はサイエンス・ミュージアムだが、脳の分析に「青年の衝動」みたいなのがあり、面白かった。<o:p></o:p>
明日行くユトレヒトのシュローダー邸の予約をホテルから取って、近くのカナル・ツアー(運河巡り 75分 ?14)を楽しむ。水面の近くの視点は面白い。運河は干満もなく塩害も少ないためかボート・ハウスが多い。また運河ごとに住民の階層や特徴があると分かった。並木もおなじ木らしいが聞き逃した。足を休めた。<o:p></o:p>
遅いランチはレンブラント広場の前のデ・クローンにした。豆のスープにベーコンとライ麦パン(湿っているタイプ)で大分お腹一杯。スープにはソーセージや鶏肉が入っている。普通のスープでお惣菜というものだ。牛肉のサラダは半生のお肉と青菜、マヨネーズで合えたじゃが芋、ビーツなどとライ麦パン・バターで、お肉とパンが美味しい。じゃが芋はお腹一杯になるし、夜のコンサートにもたれるため殆ど残す。食後感はすっきり。オランダは美味しい。<o:p></o:p>
デザイナー集団のドローグを見たりしてぶらぶら。やっと都市計画の調査の視点から観光客となった。とたんに「こんにちは」とか地元の方に声をかけられる。どう見ても観光客としか見えなくなったのだろう。路地裏に寿司屋を見つけて中を覗いたら、暖簾に「居酒屋」とあった。小路も楽しいとおもったら雨がぱらぱら。面倒なのでホテルに帰る。一息入れて和む。<o:p></o:p>
お目当てのコンセルト・ヘボウは雨の中、ホテルからファッション・美術館地区を10分ほど歩く。一応、ジャケットを羽織るが上は防寒アウターだ。10列の21番という、真ん中左(ヴァイオリン寄り)前から1/3 ?78.25(美術館5館の入場料相当か)と理想的な席。増築中でホールの周りにバーやダイニング、フォワイエ、バンケットなどの施設を増やしている。今晩はお披露目のようで招待客はお馴染みさんが先に受付。8:15開始だが7時半過ぎに受付が始まる。中国の若い方が写真を撮ってくれというから喜んで、ついでに撮ってもらう。写真を撮って回る、オーケストラの後ろは円形でパイプオルガンと座席もある。床は木でそれほど厚くない。オーケストラ・スペースは狭く、指揮者が後ろに落ちない柵つき台で振っている。なお、ピアノは下から上がってくる、奈落みたいだ。1階は40席が30列くらいで1,200人。バルコニーもあり300席くらいか。演奏は<o:p></o:p>
Ravel:Le tombeau de Couperin<o:p></o:p>
Mozart: Piano Concert Nr.23,in A, KV488<o:p></o:p>
Mendelssson: Vierde Symphony in A, op.90 ‘Italian’<o:p></o:p>
Conductor:Pablo Heras-Casado 1977年 グラダナ、スペイン<o:p></o:p>
Piano: Paul Lewis 1972年 リバプール、UK<o:p></o:p>
今回は指揮者のコンセルト・ヘボウデビュー<o:p></o:p>
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ホールの音は艶やかで感じ入った。演奏も特にモーツアルトのピアノ協奏曲はは絶品で、メンデルスゾーンは新しい解釈で楽しめた。オランダ人のノリの良いのにも驚いた。生きていて良かった。<o:p></o:p>
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(以下は専門的です)<o:p></o:p>
シュー・ボックス型のホールは響きが良い。ウィーン・フィルもそうで下記の2つも代表例だ<o:p></o:p>
ボストン・シンフォニー:低音の圧力が感じられ、高音はチリチリ伸びている、音に弾力があり分離もよい(点描の感じ)<o:p></o:p>
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コンセルト・ヘボウ:低音は切れがよく艶やかだが、圧力は感じない。高音はあくまで艶やかでエレガント、音は筆で塗り払ったみたいで濡れているようだ。(フェルメールの絵に近い)<o:p></o:p>
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大分違う。音はハイティンク時代のフィリップス録音のイメージと同じだったのには驚いた。ホールの音質の違いは、木の質、厚さ、オーケストラの反射音として前部の形状、反射面の形状(コンセルト・ヘボウが複雑)ではないだろうか。ピアノ(スタインウエイ)の底板が見える席 強いピアノの音でこれもフィリップスの録音と同じで驚いた。<o:p></o:p>
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モーツアルトのピアノ協奏曲はピアノが近代的なのか力の強弱、粒立ちが良かった。バックの演奏は標準であまり色がついていなかった。メンデルスゾーンのイタリアは指揮が指揮棒なしの身振りだったが、波をうねるような強弱が特徴で「イタリア」の感じがより強かった。はじめは違和感があったっが、新しい「イタリア」の解釈だ。<o:p></o:p>
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オランダ人はノリが良く、最後はスタンディングでしかも前に詰め寄るという荒業もあった。終わったら10時過ぎ、ホテルまで歩くが、興奮してなかなか鎮まらなかった。<o:p></o:p>
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レストランが閉まってしまい、お腹がすいた<o:p></o:p>
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