先日の地震を大きく上回る大災害が「平成30年7月豪雨」だ。この災害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げますとともに一日も早い再建をお祈り致します。
200人を超えるとみられる犠牲者と家屋・インフラの被害には驚くしかない。それほどの長時間かつ豪雨であったのは100年に一度の災害かもしれない。
都市計画に携わるものにとって、開発のジレンマがある。災害の危険性のあるエリアを開発しても良いのかと思うのが広島のアストラムラインと安佐南区と安佐北区の住宅開発だ。河川と山との間の開発であり「平成26年8月豪雨」( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E6%88%9026%E5%B9%B48%E6%9C%88%E8%B1%AA%E9%9B%A8%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E5%BA%83%E5%B3%B6%E5%B8%82%E3%81%AE%E5%9C%9F%E7%A0%82%E7%81%BD%E5%AE%B3 )での被害が記憶に新しい。また、広島市のハザードマップは分かりにくい( http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1477524499923/index.html )洪水、山崩れなど統合するのがよいのでは。
次に、土木技術のジレンマは倉敷真備町だ。小田川は天井川で堤防が切れると市街地に流れ込む。さらに本川である高梁川のバック・ウオーター逆流で水が溜まり、堤防決壊になったとの見解もある。つまりは、堤防に水を閉じ込め流す「高水計画」による上流での豪雨と短時間での洪水到達、さらに「天井川」頭の上にあるトイレのタンクみたいな存在、合流地点の水はけの悪さと悪い事象の重なりがある。それにしても1階がほぼ水没というのは「池」に近い低地だ。しかも、ダムの放水が重なるという更なるシステムの陥穽がみられたところもある。
近代技術というハードで守られた都市が、異常な豪雨になると破綻し大災害になるというのを覚えておかないと今後も発生する。大津波ならば山に逃げるのと同じで、住民の防災意識と行政の避難誘導というソフトに重点をおくしかない。
今回の災害から教訓を得て、次世代に生かすのが都市計画シルバーの役割かと思う。要点はインフラ整備(投資)で開発や治水の経済効果があるのか、災害のリスク(洪水、山崩れなど)をどうマイナスの数値化するのか、人口減少を見据え危険なエリアからの撤退はないのか、など長期的な都市経済の観点だ。
現在都市化しているエリアの危険性は明示され始めた、次は開発許可制限や都心への回帰誘導、公的地価へのリスク反映の段階だろう
御影石を乾いた硬い状態と水を含ませた状態の比較が、水を含むと指で崩せる程脆くなる。
この土壌が県下の40%超えでは、安全な場所を探す方が難しい気がする。
これから気候変動も続くだろうから、リスクとして気がかりだ。