アベノミクスとは政府と日銀が結託した2013年の「政策協定」による「みせかけ」経済政策であったのが露呈し、黒田は今更、安倍に従ったとも言えず、大嫌いな責任を負うことになった。
10年もの金融の愚作・日銀独立性の欠如という異常な事態を否定する「終わりの始まり」だ。
その背景は:
①YCC(短期から長期の債券利回り管理)がいびつ
②国際情勢からの離反、円安はアメリカやG7の指摘
③日銀の国債保有5割越え、含み損1兆円近く、利上げで更なる含み損拡大
④政府と日銀の連携悪化(増税との不整合など)
⑤投機筋の空売りによる日銀のカモ化(自業自得)
そのため、サプライズでけむを巻き、ゆっくり時間を稼ぎ、来年4月の退任までしのぐしかない
こうなると、今回の10年債を0.5%まで許容(それ以上でも国債を日銀が買う「異次元緩和」は、③により実質上できない)は一時しのぎと皆分かる
黒田発言の「利上げではない」というのは大本営の「撤退」を「転進」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%A2%E9%80%B2 といったようなものだ。
この20年以上の低金利はやっと終わりが見えた。これからは
①政府負債1,000兆円の利払い増加→緊縮財政へ
②家計金融資産 2,000兆円の利息増加(家計から政府への「贈与」が終了)
③株価下落は債券との利回り確保の裁定のため、企業収益は遅行する
④円の適正なレートへの転換(¥65/$ あたりが実感、「安い日本」は安い円レートが原因)と産業の革新・淘汰と転換
⑤住宅ローンも利払い増加、借入依存企業の苦境:不動産やゼロゼロ融資(56兆円)返済期限対応→大盤振る舞いのつけが来る
そもそも、デフレは悪ではない。インフレだとGDPが成長するフィリップス・カーブ( https://en.wikipedia.org/wiki/Phillips_curve )もあてにはならない。低金利でインフレを呼ぶリフレ政策は失敗した( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3 )
インフレでもデフレでも賃金が上がる(GDPが成長)すれば問題はない。我が国は、ゾンビ企業の延命や革新嫌いにより成長率低迷が「給与の伸びない」原因だった。低金利は、住宅の高騰とローンの低下など「借金」と「投機」を生み、成長を阻害した。甘やかしすぎで過保護児童が育ったのと同じだ。円安は保護経済と国内非輸出企業(金融・飲食など)の既存市場内での競争と成長停滞を生んだ。そして、一括採用・終身雇用・年功序列制・メンバーシップ制が終焉を迎え、転職とJob制への移行が始まる。
デフレは人口減少など需要不足の予感が生んだものではない、政策的低金利と将来不安の貯蓄(消費は低迷)が生んだものだ。その期間、家計金融資産が増加したのが何よりの証だ。( https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB155Z20V10C22A3000000/#:~:text=%E6%97%A5%E9%8A%80%E3%81%8C17%E6%97%A5%E7%99%BA%E8%A1%A8,%E6%8A%BC%E3%81%97%E4%B8%8A%E3%81%92%E8%A6%81%E5%9B%A0%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%80%82 )