Van Gogh’s Ear The True Story
アメリカ人素人がフランスの地元で色々な資料をあたり、ファン・ゴッホ(これで苗字、ゴッホだけでは特にアメリカでは理解してもらえない)の耳は全部切り取られたという証明をしている。送り先は娼婦でなく娼館で働く掃除婦「ラシェル」ことガブリエルと新事実を明らかにした。
ファン・ゴッホのアルルでの精神異常と、コミュニティとの相克、自己中心的ゴーギャンとの離反という不安定な精神環境。加えて1886年(パリのアカデミーの時代)に歯を10本失い、独特の歩き方など写実的な人物描写。ゴッホの肉体的苦悩も感じた。
ファン・ゴッホは、アルル時代に 後期印象派として位置づけられる「意図的な色の使い方」をしていると分かった。色と形態が抽象化に向かうのはセザンヌとともに印象派後期の特徴だ。5年前、見に行った「烏のいる麦畑」はアルル近くのサン=レミ(Saint-Rémy-de-Provence)の病院を経て、オーヴェル=シュル=オワーズ( Auvers-sur-Oise)の病院の時代だ。この間、4年間で主な作品を描いているのは驚きだ。
ファン・ゴッホの親族に精神に問題を抱えるものが多いというのも独自の指摘だ。アブサン説を、アルルにはなかったと実証の上、否定している。
ファン・ゴッホの生涯と精神状態、関係する環境歴史を理解するのに好適。
ファン・ゴッホの跳ね橋の絵に、小学生時代影響を受けて、書簡集を読んだ。対比して同じく後期印象派のセザンヌに絵画は影響を受けた。情熱と分析くらい違うが両方好きだ