二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

「武蔵丸」を読みながら思い出す

2011年09月02日 | Blog & Photo
ついせんだって、BOOK OFFで手に入れた車谷長吉さんの「武蔵丸」(新潮文庫)を読んだ。「武蔵丸」が、カブトムシの名前だ、ということが、立ち読みしながらわかったので、おもしろそうだな・・・と好奇心がはたらいた。 この作品は、武蔵丸というカブトムシの、いわば飼育日記となっている。 小説というより、エッセイであるが、日本の私小説は、その80%がエッセイなので、これだけが例外というわけではない。武蔵野のさる場所で採取し、自宅に持ち帰って飼育をはじめ、11月に亡くなるまでの数ヶ月間を、100枚弱あまりの“小説”にまとめあげている。できはそうよくなくて、あえて評価すれば、三毛ネコの基準では「3」というランクにとどまる。小説としてはB級だけれども、カブトムシのことをこんなふうに書いた小説をほかに知らないので、珍品としての価値はある(=_=) . . . 本文を読む
コメント