二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

遊歩者のまなざし ~永井荷風のかたわらで(3)

2019年06月21日 | エッセイ(国内)
   (奥付には2019年6月19日とある。刊行後まもない「花火・来訪者」岩波文庫) よく知られた「墨東綺譚」について、作家吉行淳之介が興味深い記事を書いている。 《「墨東綺譚」は名作であり、荷風の作中随一の秀作である。私はこの作品を読んで、荷風を風景の詩人とおもった。女をも、荷風は風景を眺めるように眺める。女を人間として扱うことによって、男と女とのあいだに解決することのできない溝ができ、互 . . . 本文を読む
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