引き戸のすきまからちらりと姿をのぞかせた
長いひげをたくわえた神様がきみの神様だろう。
あちらからきみが もっと不幸せになるのを見ている。
ゆっくりと斜面をずり落ちていくように
年をとって
きみはさらにつまらない人間になり
ムンクの叫びのようなひしゃげた顔をして
こころの底では世界を呪っている。
「終わりが近づいてきたね」
隣にいる人にそういってみる。
するとその人がまた隣の人に
同じことをい . . . 本文を読む
「これは親分、どうもご挨拶が遅れまして」
「おお、よろしくな。出しゃばったまねしないよう、気をつけるのがいいだろう。おれのシマには100羽ほどの子分がいる」
「・・・へえ、以後お見知りおきを」
な~んてね、アハハ。 . . . 本文を読む