二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

リフレインが叫んでる

2012年05月12日 | Blog & Photo

若かかりしころ、といっても、30代40代だけれど、住宅の営業マンをしていたわたしは、毎週のようにカラオケを歌いに、スナックへ通った。
そこでよく歌った持ち歌の一つに、松任谷由美の「リフレインが叫んでる」がある。
歌詞がとても好きだった。


http://www.youtube.com/watch?v=SPhZjDwRulY

どうしてどうして僕たちは
出逢ってしまったのだろう
こわれるほど抱きしめた
最後の春に見た夕陽は
うろこ雲照らしながら
ボンネットに消えてった

――というふうにはじまるこの歌。
わたしの特別なお気に入りのフレーズが、そのつぎにやってくる。

♪ひき返してみるわ
ひとつ前のカーブまで
いつか海に降りた
あの駐車場にあなたがいたようで・・・

“ひき返してみるわ ひとつ前のカーブまで“
わたしが注意をうながしたいのは、このフレーズ。


さて、なぜこんな歌をひっぱり出したかというと、
――ここから、本題に入る(~o~)
21世紀に入ったころ、デジカメはまだ非力でとてもフィルムやフィルムカメラと対等にはあつかえない「デジタル画像」であったが、大きなカーブを迎えつつあったのある。
俗にいう過渡期であった。
そのころ、わたしはデジタルと銀塩フィルムの「両刀遣い」だったから、フィルムスキャンして、写真をパソコンに取り込んでいた。

トップに掲げた写真を眺めながら、
“ひき返してみるわ ひとつ前のカーブまで“
どうしても、このフレーズを思い浮かべてしまう――つまり、そういう世代であり、年代であるということなのである(笑)。

こういう写真の味は、格別なものがある。
いまどきのレンズはよく写り過ぎて、味がないとよくいわれるけれど、わたしも、そう考えている。




(この少年が手にしているのは、コニカAcom1というフィルムカメラ)。

これら4枚は、ヤシカマット124Gとネガカラーの組合わせによる写真。
3群4枚構成テッサータイプ・レンズの描写と、そのボケ味といっても、おわかりになる方は少ないだろう。
“味”はそれを知っている人が死に絶えると、滅びていくものだ。



さらに作例をあげる。
ヤシカマット124Gがこの世に誕生したのは、1970年ごろで、レンズのコーティングはシングルコート。フードをつけずに普段持ち歩いている。
ということは、逆光には弱く、ハレーションが出たり、色・輪郭線のニジミが画像を破綻させる危険が大きい。
ここでは、あえてそれに挑戦し、ヤシカのレンズは、きわどいところで、わたしの期待に応えてくれた・・・ということがいってみたいのである(^^;)

ライカやコンタックスのレンズの素晴らしさは、暗室作業の経験者なら皆知っている。
仕事の忙しさにかまけて、暗室は作ったものの暗室作業を知らないままデジタル時代の大波に巻き込まれていったわたしは、“ひとつ前のカーブ”にいたころに、いまもどってきている。
レンズの味、そしてフィルムの味。それはその時代を駆け抜けた時代の空気の色である。

“ひとつ前のカーブ”にもどって、そこに立ったわたしは、まさに「感無量」といった気分なのであります(^_^)/~



☆mixiアルバム「ヤシカマット124G」(友人の友人まで公開)に、作品11枚を追加しました。
http://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000056147840&owner_id=4279073

☆コニカAcom1の画像はこちら。
現役時代はあまり人気がなかったが、その後見直されているのかもしれない。
http://www.google.co.jp/search?q=%E3%82%B3%E3%83%8B%E3%82%ABAcom1&hl=ja&rlz=1T4ADBR_jaJP330JP340&prmd=imvns&source=lnms&tbm=isch&ei=RNStT730G6fomAXx3MijCQ&sa=X&oi=mode_link&ct=mode&cd=2&ved=0CA8Q_AUoAQ&biw=1024&bih=499

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 好きです二眼レフ | トップ | 精密機械ローライ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Blog & Photo」カテゴリの最新記事